追悼の気持ちを伝える方法とは？「哀悼」との違いも知ろう
「追悼」という言葉の正確な意味や使い方をご存知でしょうか。
追悼とは、亡くなったことを悲しく思っている気持ちを表明する言葉 です。似た言葉に「哀悼」がありますが、追悼とは異なります。
本記事では、追悼の意味から追悼文の書き方と注意点、追悼式に参加するときのマナーまで詳しく解説しています。
さらに、追悼の気持ちを伝える贈り物についてもご紹介していますので、「追悼」について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
追悼の意味と哀悼との違い
追悼とは、亡くなった方に対して悲しみの気持ちを表明する言葉 です。
似た表現に「哀悼」がありますが、意味には違いがあります。
「追悼」「哀悼」の２つに共通する 「悼」という字には、「人の死を悲しむ」という意味 があります。
違いは頭の漢字にあります。
「追」には「以前のことを後から辿る」という意味があり、「哀」には「あわれむ」「深く悲しむ」という意味 があります。そのため、「追悼」は故人の生前の姿を辿りながらその死を悲しむという意味がある言葉であるのに対し、「哀悼」は故人の死をあわれみ、悲しむという意味がある言葉です。
また、「追悼」は故人の生前を思い返し、その死を悲しく思う気持ちを表明する「行為」に焦点を当てた言葉である一方、「哀悼」は故人の死をあわれみ、悲しく感じるという「感情」そのものに焦点が当てられた言葉といえます。
このことから、「哀悼の意を表します」という表現は適切ですが、「追悼の意を表します」は一般的に使いません。
追悼文の書き方と注意点
追悼の気持ちを伝える方法のひとつが 「追悼文」 です。追悼文には、正しいマナーや書き方のポイントがあります。大切なのは、故人への想いと遺族への配慮を込めた文章を心がけることです。
特に葬儀やお悔やみの場面では、失礼のない表現で哀悼の意を伝えることが大切です。
ここでは、追悼文を書く際に意識したい基本的なマナーや注意点について解説します。
心を込めた言葉選びと忌み言葉を避ける
追悼文を書く際は、故人や遺族への思いやりが伝わるよう、適切な言葉選びが大切です。
追悼文では「お悔やみ申し上げます」」「ご冥福をお祈りいたします」「謹んで哀悼の意を表します」など、短く簡潔に伝える表現を選ぶことがポイント です。
また、不幸や死を連想させる「忌み言葉」（「死」「苦」「生きていた頃」「去る」「消える」「終える」「無くす」「4」「9」など）や、不幸が繰り返されることを連想させる「重ね言葉」（「くれぐれも」「次々」「わざわざ」など）は避けましょう。
適切な構成と含めるべき内容
追悼文を書くとき、遺族の悲しみに寄り添う気持ちを大切にし、思いやりのある表現を心がけましょう。追悼文にはお悔やみの言葉に加え、故人との思い出や人柄、功績を含めることが基本です。
文章は 「導入」「訃報を知ったときの心境」「故人のエピソード」「現在の心境と今後の思い」「別れの言葉」の順に構成 すると、まとまりよく伝わります。
具体的には、故人への哀悼の意を表すお悔やみの言葉や故人への感謝の気持ちを内容に含めると良いでしょう。「ご遺族の皆さまのお悲しみが少しでも和らぎますよう、心よりお祈り申し上げます」などの遺族を思いやる言葉も含めることが大切です。
遺族への配慮と適切な表現
追悼文を書く際には、遺族への配慮が行き届いた文章にすることも大切です。遺族の悲しみを軽んじることなく、心から共感を示す言葉を選びましょう。
「ご遺族の皆さまのお悲しみが少しでも和らぎますよう、心よりお祈り申し上げます」「心身をご自愛ください」などの表現を使うと、思いやりが伝わります。
なお、「ご愁傷様です」は口頭でのみ使用可能な表現であり、追悼文では不適切なため、使用しないように注意しましょう。
追悼式や偲ぶ会に参加する際のマナー
追悼式や偲ぶ会は、故人を偲び、遺族の悲しみに寄り添う場です。参加する際には、故人やご遺族に対する敬意を表すためにも、服装や言葉遣い、立ち居振る舞いに十分な配慮が求められます。以下では参加時のマナーについて解説します。
適切な服装を心がける
追悼式や偲ぶ会に参加する際は、場にふさわしい服装を選ぶことが大切です。「平服でお越しください」と案内されることが一般的ですが、これは普段着でよいという意味ではありません。
男性は黒や濃紺などダークカラーのスーツに白シャツ、黒系のネクタイと靴が基本です。
女性は、黒のワンピースやアンサンブル、またはスーツを選び、ストッキングや靴も黒で統一します。派手なメイクやアクセサリーは控えましょう。
偲ぶ会の服装について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
言葉遣いと振る舞いに気をつける
追悼式や偲ぶ会に参加する際は、言葉遣いや振る舞いにも十分注意を払い、故人と遺族への敬意を示すことが大切です。
お悔やみの言葉は「ご冥福をお祈りいたします」「お悔やみ申し上げます」などと落ち着いた声で丁寧に伝えましょう。
また、葬儀の場では大きな声で話したり、笑ったりすることはマナー違反です。
携帯電話は必ずマナーモードに設定し、着信音が鳴らないようにしましょう。場の雰囲気を乱さず、静かに故人を偲ぶ姿勢が求められます。
追悼の気持ちを伝える贈り物
故人を偲ぶ気持ちを形にして伝える方法として贈り物があります。心を込めた贈り物によって、故人への追悼と遺族への思いやりを伝えることができます。ここでは、おすすめの贈り物をご紹介します。
供花
供花は、故人を偲ぶ気持ちを形にした贈り物です。供花は贈る前に贈ってもよいかどうか、遺族に事前に確認を取っておくと安心です。
葬儀会社を通じて手配すると供花の種類や配置が整い、会場全体の雰囲気にも統一感が生まれておすすめです。通夜や葬儀では白を基調とした花が一般的に選ばれ、派手な花は避けるべきです。
日持ちする菊やカーネーション、また故人が好きだった花 を選ぶとよいでしょう。一般的なアレンジメントの相場は 5,000円〜1万円程度 が目安です。
お線香・お菓子などの詰め合わせ
お線香やお菓子などの詰め合わせは、哀悼の意を伝える贈り物として人気があります。お線香は職人がこだわって作っているものやリラックスできる香りが漂うものもあるため、選ぶ際に参考にしてみてください。
また、焼き菓子や砂糖菓子は、日持ちしやすく、場所を取らないため、遺族や親戚が集まる場で食べやすい贈り物として重宝されます。マドレーヌやバウムクーヘン、羊羹 などが特におすすめです。
贈る際の注意点として、故人の信仰や宗教に配慮し、適切なものを選ぶ必要があります。例えば、仏教以外の宗教では、お線香を送る習慣はありません。__できれば宗派を確認し、失礼のないように手配しましょう。 __
メモリアルフォトブック
メモリアルフォトブックは、故人との思い出を形にできる心温まる贈り物です。
遺族や友人・知人が故人を語り合うときにも、写真は思い出をつなぐ大切な存在となります。アルバムをめくれば故人の歩んできた歴史を辿ることができ、知らなかった一面を発見することもあります。
フォトブックはいつでも手に取って故人を偲ぶことができることも特徴です。
まとめ
追悼の意味や追悼文の書き方、追悼式に参加する際のマナー、贈り物について解説してきました。
追悼とは、大切な人が亡くなったことを悲しく思っていることを表明する「行為」です。追悼文を書く、追悼式に参加する、贈り物をするなど、故人への想いを伝える方法はさまざまありますが、故人を偲ぶ気持ちと遺族への配慮が何よりも大切です。言葉遣いや式典でのマナーに注意し、正しい知識を持って悔いのないお別れの時間を過ごしましょう。
本記事がお役に立てましたら幸いです。
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