お別れ会(偲ぶ会)は平服?喪服?服装について解説

お別れ会(偲ぶ会)は平服?喪服?服装について解説

有名人ばかりではなく、一般の方々も行うようになってきたお別れ会(偲ぶ会)。しかし出席経験のある人は、まだまだ少ないのではないでしょうか。「お別れ会にはどんな服装がふさわしいのか」と迷う人のために、お別れ会の服装や髪型、アクセサリーについて男女別に解説します。子どもの服装についてや、企業(取引先)のお別れ会の場合についても解説します。

お別れ会(偲ぶ会)とは

偲ぶ会やお別れ会とは、 縁ある人々で故人を偲ぶための集まり を指します。行われる時期は葬儀や火葬の後で、一般的には四十九日や一周忌を目安にするケースが多いでしょう。主催は遺族のほか、故人と親しかった友人や、故人が属していた会社や組織、サークルなどが行います。準備のほとんどを友人らが行い、遺族は招待されるだけというケースも珍しくありません。

お別れ会の内容は、故人の在りし日の写真や動画をスクリーンで流し、弔辞やお別れの手紙、献花などを行うのが一般的です。会の後や最中に会食を伴うことも多いでしょう。このようにほとんどが無宗教で、読経などの宗教儀式を行いません。

食事・会食の様子

喪服か平服かの判断について

お別れ会の服装は、喪服か平服かのいずれかです。招待状を確認し、 「平服でお越しください」と書いてあれば、迷わず平服 を選びます。 服装に指定がなければ、喪服 を着ていきましょう。

ただし、服装に指定がなくても、喪服と平服どちらが良いか、判断が難しい場合があります。それは一周忌を過ぎた後など、亡くなってから年数が経過した後に行われるお別れ会です。

例えば年忌法要の場合、三回忌法要(故人が亡くなってから2年目の命日を目安に行われる法要)を過ぎたら平服としても良い、という考え方があります。お別れ会の服装マナーはまだまだ確立されていませんが、法要よりもカジュアルなのは確かです。すると、故人が亡くなって2年目以降のお別れ会は平服でも良いという考え方が成り立つような気もします。

ともあれ、自己判断は危険です。故人の死から年数が経っているようであれば、 服装については主催者に問い合わせる のがいいでしょう。

服装に指定がない場合

服装に指定がなく、故人が亡くなって日が経っていない場合は、喪服を選びましょう。男女ともに、 和装ではなく洋装 とします。和装の喪服は最も格式の高いもので、喪主が洋装の場合、参加者が和装だとバランスが取れなくなってしまうためです。お別れ会は葬儀や法要よりもカジュアルな場です。喪主が和装で現れることはあまりないでしょう。

男性の喪服について

お別れ会で着る男性の喪服は、デパートやショッピングセンターの紳士服売り場などにある ブラックフォーマル です。黒無地で光沢のないスーツに白無地のワイシャツを合わせ、黒いネクタイを締めます。ベルトや靴下、靴などの小物も全て黒とします。ハンカチは黒か白を選びましょう。

ブラックフォーマルのスーツを持っておらず、できれば仕事用のスーツを活用したい人もいるでしょう。手持ちに複数の黒スーツがあるなら、より黒色の濃いものを選んでください。 光沢はタブー です。また、肘や袖、肘にテカりがあるもの、洗濯しておらずヨレた印象のものは避けましょう。

男性喪服

女性の喪服について

お別れ会で着る女性の喪服は、デパートやショッピングセンターの婦人服売り場などにある ブラックフォーマルのアンサンブル です。黒無地で光沢のないワンピースに、揃いのジャケットを合わせます。ストッキングや靴などの小物も全て黒のプレーンなものを身につけます。ハンカチは黒か白を選びましょう。

スーツスタイルも、女性のブラックフォーマルとして認められています。スーツを活用したい場合は、黒いスカートのスーツかパンツスーツに白いワイシャツやブラウスを合わせます。黒いジャケットを持っていない場合は黒いカーディガンを羽織っても構いませんが、毛玉やほつれのないよう気をつけましょう。なお、ボタンに装飾のあるカーディガンは避けます。

アクセサリー、バッグ、髪型の注意

アクセサリーは 結婚指輪のほか、一連パールのネックレスやイヤリング、ピアスだけ が許されています。 二連のネックレスは「不幸が重なる」ことを意味してしまう ため、避けましょう。

バッグは、女性であれば布製のフォーマルバッグを使い、バッグに入りきらないものは黒いサブバッグに入れます。男性は黒いセカンドバッグがあれば安心ですが、持っていない人は地味な色のバッグを使用しましょう。大きなバッグはクロークに預けると、会の最中に悪目立ちしません。

なお、男女ともに、肩につく髪の毛は1つに束ねましょう。束ねるのは黒ゴムか、装飾のついていない黒いヘアクリップなどです。そしてどんな髪型の人も、儀式の前は必ずクシを通し、前髪がパラついてしまう場合はジェルやワックスで自然に固めます。清潔感が大事です。

平服の指定がある場合

平服とは、礼装ではないお出かけ着を指します。ふだん袖を通すようなカジュアルな服装を指しているわけではありません。ジーンズやTシャツではお別れ会に行けないのです。

さらにお別れ会は華やかな席ではないため、地味めな色の装いを選びます。もしかしたら、喪服よりも選ぶのが難しいかも。男女別に解説します。

男性の平服について

お別れ会で着る男性の平服は、黒や紺、グレー、ブラウンといった 地味めな色合いのスーツに同系色のネクタイ を合わせます。ワイシャツの色は白です。ベルトや靴下、靴は黒を選びましょう。

もしかしたら、「喪服は持っているけれど、平服として使えるものはない」と戸惑うかもしれません。この機に新調するのもいいですが、なるべく手持ちで済ませたいという人もいるでしょう。スーツで仕事をしている人は、ワードローブの中で一番地味めなスーツを選ぶという感覚でも大丈夫です。基本的にテレワークという人は、就職活動のときに使った リクルートスーツ でも構いません。

女性の平服について

お別れ会で着る女性の平服は、黒や紺、グレー、ブラウンといった 地味めな色合いのワンピースに、ジャケットかカーディガン を合わせます。地味色のスーツに、白か暗色系のワイシャツやブラウスを合わせるというスタイルでもいいでしょう。ストッキングは黒が無難ですが、肌色のストッキングで参加する人もみられます。靴は、基本的には喪服と同じ黒を選び、派手な装飾のついたものを避けましょう。

女性の場合に気をつけたいのが、肌の露出具合です。地味な色合いの服を着ていても、スカート丈が短かったり、胸元が開いていたりしては、故人を偲ぶ場であるお別れ会にふさわしくありません。スカート丈は膝丈以上で、トップスは開きすぎのVネックや、かがんだら胸元が見えてしまうようなゆったりしたデザインを避けましょう。

アクセサリー、バッグ、髪型の注意

アクセサリーは、喪服でも正式に使われる真珠のネックレスやイヤリング、ピアスがおすすめです。ジェットやオニキスなど、輝きが抑えられた黒い石のアクセサリーもつけることが可能です。2連以上のネックレスは「不幸が重なる」ことになるため避けましょう。

バッグは黒く装飾の控えめなものを持参します。喪服用の黒い布バッグでも構いません。大きな鞄はパーティーの場にふさわしくないので、貴重品を小型のバッグに入れ、大きいバッグはクロークに預けましょう。

髪型は喪服のとき同様、肩につく髪をひとつにまとめ、黒いヘアアクセサリーで留めます。ヘアアクセサリーには、ほんの少しの装飾があっても構いません。どんな髪型の人も、清潔感を大事にまとめましょう。ボサボサの前髪はNGです。ワックスやジェルでまとめてください。

フォーマルバッグとパールのネックレスと数珠

子供の服装

子供の正装は、 学校の制服 です。 喪服指定でも平服指定でも、子供は制服 を着用します。制服がない場合は、地味な色味の服でよそゆきにコーディネートしましょう。男子は暗色系のジャケットかカーディガンに同系色のズボンをはき、シャツは白とします。女子は暗色系のワンピースに同系色のカーディガンを羽織りましょう。靴下やタイツの色はグレーなど地味めな色が理想的ですが、白でも構いません。

子供の場合、注意したいのが足元です。手持ちの中でも、最も地味めな靴を選びましょう。キャラクターものや光るもの、音の鳴るものはなるべく避けます。今後、七五三や発表会などに出かける機会があるなら、新調するのがおすすめ。 男子は黒いローファー、女子は黒いパンプス を選びます。

髪型については、子供であっても肩につく髪は一つにまとめ、前髪をしっかりセットすると、きちんとした印象になります。制服やよそゆきの服がなく、手持ちの服でなんとか対応するしかない場合も、髪型さえきちんとしていればフォーマルな印象になります。

企業(取引先)のお別れ会(偲ぶ会)の場合

企業が主催するお別れ会に取引先として参加する場合には、まず案内のドレスコードを確認しましょう。指定がない場合、主催者に問い合わせても構いません。困るのは、「どちらでも構わない」と言われたときです。そのときは、このように尋ねてみてください。

「社員の方々は、どのような格好をされるのでしょうか?」

主催側としては、社員のドレスコードが揃わないのでは困ります。このたびのお別れ会に際し、必ず社内で何らかの規定を設けているはずです。主催側が喪服を着るのなら、喪服を着用してもその場で浮いてしまうことはありません。一方で、主催者側がダークスーツなどの平服であれば、喪服を着ていくと目立ってしまうかもしれません。

企業のお別れ会で何を着れば良いか迷うようなら、主催者の服装に合わせましょう。

会場がホテルの場合の注意

会場が葬儀式場や多目的ホールなどではなく、 ホテルの場合は、平服を指定されるケースが多い でしょう。なぜかといえば、ホテルはお別れ会目的ではない一般の人も利用する施設だからです。「楽しい旅を」と華やいだ気分の人もたくさんいます。そんなホテルの中に喪服を着た人たちが現れたら、一気にしめやかな気分になってしまうでしょう。

喪服を着てホテルのお別れ会に参加することは、クレームにこそ発展しないかもしれませんが、ホテルのイメージに大きな影響を与えかねません。もし会場がホテルなら、平服指定ではなくても、喪服は着用しない方がいいでしょう。ここまで解説してきたお別れ会のための平服、イコール「地味めのよそ行き服」を心がけてください。

ホテル

まとめ

全員が喪服を着用することが暗黙の了解になっている葬儀と違い、お別れ会の形式や服装は、主催者側が自由に決めていいものです。だからこそ、主催者の案内がなければ、参加者は迷ってしまいます。

迷ったときには主催者に確認し、「どちらでも構わない」と言われたときは、主催者の格好に合わせれば間違いありません。あとは喪服のマナー、平服のマナーを確認し、マナーに沿った服装で敬意を表しましょう。

お別れ会を素敵な時間にする工夫

ここまで、対面で行うお別れ会・偲ぶ会における服装について解説してきました。最後に、お別れ会に集まって懐かしい話をする時間をより素敵にする工夫をご紹介します。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。