【喪主必見】通夜の挨拶の文例・注意点について解説

【喪主必見】通夜の挨拶の文例・注意点について解説

葬式において喪主が挨拶をする場面は多く存在します。
身内が突然亡くなり、喪主を務めることもあるかと思います。

葬儀・告別式も控える中、通夜でのふさわしい挨拶とは一体何なのか。
お葬式には故人の親しい人々が集まりますよね。きちんと挨拶をして感謝を伝えたいが、簡潔に話をまとめるにはどのような話をすればいいのか。
「ご愁傷様です。」とお言葉をいただいた際、なんと返事をすればいいのか。

自分自身深い悲しみの中、喪主としての責任も問われるという状況は、計り知れない葛藤で溢れていることでしょう。

ここでは、挨拶のポイントだけでなく、通夜の挨拶、忌み言葉など気をつけたいことについても解説します。ぜひご活用ください。

通夜の流れ

通夜は一般的に、故人が亡くなった翌日に執り行われます。
18〜19時頃から開始し、全体で1〜2時間前後かかることが多いようです。

時間になると僧侶が入場し、30分ほどの読経が開始されます。
その間に弔問客は焼香を行い、読経が終わると法話や説教がされます。
これらを終え僧侶が退席したのちに喪主からの挨拶があり、通夜が閉式となるのが大体の流れです。

祈りを捧げているお坊さん

また、通夜の閉式後には、参列者に対して食事やお酒をもてなし故人を偲ぶ「通夜振る舞い」が行われます。
通夜振る舞いは、故人との思い出を語り合う場で、一般的な所要時間は1〜2時間ほどです。
喪主をはじめとした遺族は、弔問客や僧侶へ感謝を伝える接待を行うと良いでしょう。

弔問客ごとに随時散会の場合がほとんどですが、喪主による閉めの挨拶で終了となります。
地域によって通夜振る舞いは行われず、通夜の閉式とともに終了といったケースもしばしばあるようです。

通夜の挨拶で伝えるべきこと

喪主として最初の挨拶であり弔辞となるのが、通夜での挨拶です。
通夜・葬儀・告別式での挨拶の内容は、それぞれ異なるものにした方が良いのか、迷う方もいらっしゃるかと思います。
しかし、通夜のみまたは告別式のみの参列など、全てに参列できない方も多くいらっしゃいますので、内容が重なっても特に気にしなくて大丈夫です。

ここでは、通夜の挨拶で必ず取り入れるべき内容だけでなく、挨拶に含めたい内容もご紹介します。

まずはじめに自己紹介として、 故人と自身の関係性 を伝えましょう。通夜の挨拶の具体的な内容としては、 「参列者への感謝」「通夜振る舞いの案内」「葬儀・告別式の日程や場所の案内」 を必ず取り入れることがポイントです。その上で、余裕があれば、 故人への生前の厚意に対する感謝の気持ち も述べると良いでしょう。

挨拶のタイミングは複数回ありますので、故人とのエピソードや、故人の人柄が伝わるようなお話、ご家族へのお力添えへのお願いなどは、その都度取り入れてみてください。

また、挨拶は長すぎてもいけません。参列者の方々へ正確に・簡潔に伝えられるよう、長くても3分以内に全てが収まるようまとめましょう。

通夜の挨拶の文例

短く簡単に挨拶する場合の例文

本日はご多用の中、故人〇〇の通夜式に足を運んでいただき誠にありがとうございます。
皆様方にお集まりいただいたこと、故人も喜んでいると思われます。
なお、明日の葬儀は〜時より、__にて執り行いますので、よろしくお願いいたします。
別室に簡単な食事の用意などをさせていただきました。ご都合のよろしい方は、ぜひ〇〇との思い出話など、お聞かせ願えますと幸いです。> 本日は誠にありがとうございました。

通夜振る舞いを行う場合の挨拶

わたくし、故人◯◯の△△にあたります▲▲と申します。
本日はご多用の中、◯◯の通夜式にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
また、生前は皆様より格別のご厚情を賜りましたこと、◯◯も感謝しておりました。
本日も皆様に見守られ、心より喜んでいることと存じます。代わりまして、深くお礼申し上げます。
ささやかながら、酒宴の席を設けておりますので、ご都合のよろしい方はぜひおくつろぎください。どうぞ召し上がりながら、◯◯の思い出話などお聞かせいただけたら幸いです。
さて、明日の葬儀・告別式は〜時より__にて執り行う予定でございます。何卒よろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。

通夜振る舞いを行う場合は、上記の挨拶に加え、通夜振る舞いの開式・閉式の挨拶をする必要があります。

開式時には、開式にあたってのお礼と通夜振る舞いの案内を行いましょう。ここでは、お料理が冷めてしまわないよう、手短に述べることがポイントです。

閉式時には、弔問のお礼と通夜振る舞いの感想を述べ、もう一度、葬儀・告別式の案内をします。参列者への気遣いの言葉も忘れずに述べ、閉式の挨拶で締めましょう。

通夜振る舞いを行わない場合の挨拶

わたくし、故人◯◯の△△にあたります▲▲と申します。
本日はご多用の中、◯◯の通夜式にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
生前は皆様より格別のご厚情を賜りましたこと、◯◯も感謝しておりました。
本日も皆様に見守られ、心より喜んでいることと存じます。代わりまして、深くお礼申し上げます。
本日はおかげさまで、滞り無く通夜を執り行うことができました。
本来、酒宴の席をご用意し、◯◯を偲ぶひと時を過ごしていただくところでしたが、都合によりご用意ができておりません。何卒ご了承いただけましたら、ありがたく存じます。
さて、明日の葬儀・告別式は〜時より__にて執り行う予定でございます。よろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。

基本的には執り行われることの多い通夜振る舞いですが、行わなくても問題はありません。その場合、お弁当や商品券、ビール券などの粗供養品(そくようひん)をお渡しするのが一般的と言われています。また、通夜振る舞いがないことに対しては特に触れず、締めの言葉を述べる場合も多々あります。

地域によっては、遺族のみが参加し、弔問者には粗供養品を渡すことで通夜振る舞いとするところもあるようです。元より、通夜振る舞いの習慣がない地域もあります。ご自身の地域に合わせ、文例をアレンジしてご活用ください。

通夜の挨拶で気をつけるべきこと

挨拶の時間について

あまり長くならないように気をつけましょう。目安としては2分程度が良いでしょう。通夜振る舞いがある場合はその席でゆっくり感謝を伝えることができますが、ない場合はこの挨拶が弔問者全員に向けてお話しできる最後の機会ですので、多少時間が長くなっても、感謝をしっかりお伝えすることが大切です。

もし自分が弔問する側だったらとイメージしてください。喪主の挨拶が多少長くても、感謝を伝えようとしてくれている姿勢が伝わってくれば嫌な気持ちはしないですよね。ですので安心して、心残りなくご挨拶できるように努めましょう。

忌み言葉について

挨拶の際は忌み言葉を使わないよう気をつけましょう。
当日は少なからず緊張もすると思います。うっかり口走ってしまわないためにも、事前に確認できると安心です。

・不吉な言葉

「四(死を連想)」「九(苦を連想)」「消える」「流れる」「終わる」「敗れる」

・重ね言葉

「ますます」「だんだん」「どんどん」「しばしば」「いよいよ」「かさねかさね」「時々」「度々」「重々」「色々」「日々」「次々」

・続き言葉

「なお」「また」「さらに」「もっと」「再び」「何度」「追って」「重ねて」「続く」「今一度」「追伸」「加えて」「繰り返し」「より一層」

・直接的な表現

「生きている」「生存」「ご在命中」「亡くなる」「死ぬ」「死去」「自殺」「急死」「病死」

・宗教によって気をつけるべき言葉

仏教・・・「迷う」「浮かばれない」「天国」
浄土真宗・・・「霊前」「冥福」
キリスト教・・・「お悔やみ」「供養」「成仏」「往生」「哀悼」「冥福」

「ご愁傷様です」と言われた時の返事

「ご愁傷様です」と言われ、どのように返事をすればいいか分からず悩んだ経験はありませんか?
葬儀の際だけでなく、不幸があったときにも使用することが多い表現のひとつではないでしょうか。
普段から使用されるものではないので、実際にそのような言葉をいただいても、的確な返事が分からないと困りますよね。
「ご愁傷様です」の返事として使えるフレーズを、以下にご紹介します。

・「恐れ入ります」「痛み入ります」

広く使われる返事としては「恐れ入ります」や「痛み入ります」が代表的です。これらは共通して、相手のご厚意に恐縮するといった意味が込められています。「痛み入ります」の方がよりかしこまった印象となるので、故人と親しい間柄の方へは「恐れ入ります」の方がふさわしいと言えるでしょう。

・「お心遣いありがとうございます」「ご丁寧にありがとうございます」

「恐れ入ります」などに加えて「お心遣いありがとうございます」や「ご丁寧にありがとうございます」を添えると、相手への気遣いに対して感謝の気持ちを表すことができます。「ありがとうございます」のみを単体で用いてしまうと、相手によっては不謹慎・縁起が悪いと感じてしまう場合があるので注意が必要です。

・「生前は故人がお世話になりました」

「恐れ入ります」に加え、故人が生前親しくしていた友人、ビジネス関係の上司・顧客、目上の方、恩師などに対しては「生前は故人が大変お世話になりました」と続けると、自然に感謝の気持ちを伝えることができます。このように言葉を返すことで、遠方よりいらっしゃった方々などへも丁重にお返事することができますね。

・一礼するだけでも気持ちが伝わる

また、ご自身にとっても大切な方が亡くなったことから、気持ちの整理がつかず、言葉を発すること自体が困難な場面もあるかと思います。そのようなときは、何も言わず相手の方へ体を向け、深く一礼するだけでも問題ありません。言葉をかけてくださった方へ、感謝の気持ちが伝わることでしょう。

お辞儀

挨拶時のメモの活用

挨拶の際、メモを見ても問題はないかといった声が多くあります。
メモを見て挨拶しても、マナー違反には当たりません のでご安心ください。

葬式を執り行わなければならない立場と言えど、大切な家族を失った悲しみと向き合う暇もなく、葬式の準備を行うことはとても大変です。

更に、挨拶の言葉を述べる機会は何度もありますので、ひとつひとつポイントを抑え覚えることにプレッシャーを感じる方も多いことでしょう。

それぞれの挨拶で、必ず伝えるべき項目がいくつもあります。参列者の方々へ正確に、簡潔に伝えるためにも、メモがあれば心強いですよね。

不安な方は無理せず、当日用にメモを準備しておくと安心です。是非ご活用ください。

まとめ

今回は、通夜の流れをはじめとし、挨拶で伝えるべき内容と気をつけるべきこと、「ご愁傷様です」とお言葉をいただいた際のお返事について紹介しました。

決まりごとなどが多くありますが、一番大切なのは、遺族として、また、故人の代わりとしても、故人が生前お世話になった方々へ精一杯の感謝の気持ちをしっかり伝えることだと思います。
あなたにとって大切な故人を偲ぶ、あたたかいひと時を過ごせるよう願っております。

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また、こちらの葬想式公式サイトより、パンフレットの送付請求やサンプルページの閲覧が可能です。こちらも是非ご活用ください。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。本記事が少しでも皆様のお役に立てましたら冥利に尽きます。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。