四十九日のお供え物を喪主に渡す方法・タイミングについて解説
故人が亡くなってから四十九日が経つと、遺族が喪に服す期間が終わり、忌明けの法要が行われます。
49日間の考え方は宗派によって異なりますが、いずれにしても遺族にとって大切な法要となるため、昔から手厚く行われています。
重要な法要には、どのようなお供え物を用意すればよいのでしょうか。
今回は、四十九日法要にふさわしいお供え物や、お供え物を渡すときの作法について解説します。
四十九日の法要におけるお供え物の意味
四十九日の法要のお供え物は「消え物」が適しているとされています。消え物には、不祝儀を「後に残さない」という意味が込められているのです。
そのため、お供え物には食べ物や花、線香といった消耗品がふさわしく、定番となっています。
四十九日のお供え物の渡し方・タイミング
お供え物の渡し方については、手渡しをするのが丁寧と思われるかもしれませんが、当日は遺族が忙しいこともあり、可能であれば、法要が執りおこなわれる場所に郵送送付した方が喜ばれます。
目安として、 法要の2~3日前 、 遅くとも前日まで に着くようにします。会場が自宅以外である場合は、遺族にいつ、どこ宛に送付するのがよいか確認しましょう。
法要に招かれたが、事情があって出席できないのでお供え物を送りたい、という場合は、カードや一筆箋などに一言、メッセージを添えるとよいでしょう。
四十九日のお供え物の選び方
お供え物は かさばらず、分けやすいもの が適しています。地域によって、持ち寄られたお供え物を最後に出席者全員で分け合う、「お下がり」の風習があるためです。
小分け包装されていないものや、重たいものは避けたほうが無難でしょう。
また、一度にたくさんいただくので、日持ちするものを選ぶと喜ばれます。特に、夏場の暑さで傷みが早いものは避けます。
四十九日のお供え物によく用いられるお菓子/果物
お供え物の定番として選ばれるのが、お菓子や果物です。
分け合うときのことを考え、 お菓子は個包装で、同じ種類のもの を選ぶとよいでしょう。 故人が好きだったお菓子 があれば、遺族に喜ばれます。
果物であれば、お供えには華やかで見栄えのよい、 盛りかご が適しています。お供えの場合は、魂を連想させる、 丸いかたちの果物 がよいとされています。個数は、 4や9を除いた奇数に します。
四十九日のお供え物に相応しくない品物
仏教では殺生を禁じているため、肉や魚は適していません。
ほかにも、仏様に香を焚いて供養することを重視するため、仏花として香りの強い花を用いることを避けています。棘や毒がある花、手入れのしにくい蔓性の植物、花粉が落ちる花なども避けます。
ただし、故人がユリが好きだった等の理由から、どうしてもお供えしたいときは、香りや花粉が出る部分(おしべ・めしべの部分)を切り取っておきましょう。花を送る場合は、飾るときに手間のいらないアレンジメントが好ましいです。
また、故人がお酒を好んでいたという理由でアルコールをお供えすることもありますが、遺族が好まない場合は処分に困るため、避けた方が無難です。
故人の好みなど、特別な事情があってお供えしたい物がある場合は、遺族やお寺に相談したうえで用意するとよいでしょう。
四十九日のお供え物の包み方のマナー
お供え物を包む包装紙は、地味なものを選び、弔事用の掛け紙(熨斗(のし))を付けます。仏事全般では、一般的に黒白、または黒銀の「結びきり」の水引を使用します。なお、双銀は、5万円以上を包む場合に使用されることが多いです。
ただし、関西など一部の地域では、黄白の水引を使う場合もありますので、地域の慣習にも注意が必要です。
「結び切り」は一度結ぶとほどけない結び方で、弔事や結婚など、一度きりで繰り返したくない出来事に対しての贈答品に使われます。購入する際には、「四十九日のお供え物にします」と一言添えると、適切な贈り物としての体裁を整えてもらえるでしょう。
掛け紙(のし)の掛け方
掛け紙は包装紙の上にかける「外のし」にし、表書きをします。
なお、慶事のときの「内のし」は、「家の祝い事をお知らせします」という控えめな意味があります。
表書きの書き方
表書きは、水引より上に『御供物』または『御供』、水引より下にフルネームを書くのが一般的です。妻側の家の法要に出席するのであれば、連名で夫婦の名前を書いてもかまいません。
法要の表書きは薄墨ではなく、黒墨にします。薄墨には、急な訃報で十分な墨が用意できなかったという意味があるのです。
四十九日のお供え物を喪主に手渡しする場合の注意
スケジュール等の都合で、法要前日までに送付することがむずかしい場合もありますよね。
もし、どうしても当日に手渡しすることになった場合、注意したいのは、勝手にお供えしない、ということです。持参した人が仏壇や祭壇に供えることはマナー違反になります。必ず、喪主または遺族に渡しましょう。
袋や風呂敷から中身をとりだし、表書きを上にして遺族に渡します。その際、「ご仏前にお供えください」などと言葉をかけると、丁寧な印象になります。袋や風呂敷は持ち帰ります。
四十九日のお供え物の費用相場
お供えと香典の両方を持参する場合は、 3,000~5,000円 を目安にお供え物を選びましょう。
香典を持参せず、お供えのみを用意する場合は、葬儀のときに包んだ5割から7割の金額を目安に品物を選びます。
お供え物の金額は、親族間で既に金額を決めていたり、地域によって違いがあったりするので、周囲と相談しましょう。
お供え物を用意した場合の香典は?
法要後に会食がもうけられている場合、食事代のことを考慮して、香典(現金)も用意した方がいいでしょう。
金額の相場としては下記の通りです。
- 祖父母 :10,000~30,000円
- 両親 :10,000~50,000円
- 兄弟姉妹 :10,000~50,000円
- 叔父・叔母:5,000~30,000円
- 友人・知人:3,000~10,000円
40歳以上の方や、以前に自分の家族の法要に参列してもらっている場合などは、この限りではありません。その時々の事情に合わせて用意するべきです。
また、遺族側から「香典は不要」と言われることもあります。その場合は意向を尊重しましょう。
まとめ
今回は四十九日にふさわしいお供え物や、お供え物を渡す方法・タイミングについて紹介しました。
宗教上のタブーや渡し方などの注意点はありますが、大切なことは心がこもっているかどうかです。もし、故人や遺族の想い出にのこるような、特別な食べ物があるのであれば、日持ちしないものでも持参すれば喜ばれることでしょう。
遺族に言葉をかけることや、贈り物のマナーを心がけ、遺族の忌明けをねぎらう気持ちで準備や参列にのぞむとよいですね。
四十九日の新しい過ごし方
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最後までお付き合いいただきありがとうございました。
本記事が少しでも皆様のお役に立てましたら、冥利に尽きます。