
四十九日のお供え物は何を選べば良い?選び方やマナーを解説
故人が亡くなってから四十九日が経つと、遺族が喪に服す期間が終わり、「四十九日法要」が行われます。
49日間の考え方は宗派によって異なりますが、いずれにしても遺族にとって大切な法要となるため、昔から手厚く行われています。
重要な法要には、どのようなお供え物を用意すればよいのでしょうか。
今回は、四十九日法要にふさわしいお供え物や、お供え物を渡すときの作法について解説します。
四十九日とは?
故人が亡くなった日を命日として1日目と数え、49日目にあたる日 が「四十九日」です。
この日に行われる法要を「四十九日法要」と呼びます。
本来は、49日目に四十九日法要を執り行うのが最適とされていますが、近年では、参加者の都合がつきやすい日にすることが多くなっています。ただし、法要の日取りをずらす場合には、基本的には48日目より早い日にちで設定します。
故人は、亡くなってから49日後に仏の元へ向かうとされています。
そのため四十九日法要では、故人の冥福を祈って供養を行い、故人を偲びながら会食をするのが基本の形です。
四十九日のお供え物は何を選べば良い?

四十九日のお供え物を選ぶポイント
四十九日の法要のお供え物は 「消え物」 が適しているとされています。消え物には、不祝儀を「後に残さない」という意味が込められているのです。
そのため、お供え物には食べ物や花、線香といった消耗品がふさわしく、定番となっています。
また、お供え物は かさばらず、分けやすいもの が適しています。地域によって、持ち寄られたお供え物を最後に出席者全員で分け合う、「お下がり」の風習があるためです。
小分け包装されていないものや、重たいものは避けたほうが無難でしょう。そして一度にたくさんいただくので、日持ちするものを選ぶと喜ばれます。特に、夏場の暑さで傷みが早いものは避けます。
四十九日のお供え物によく用いられるお菓子や果物
お供え物の定番として選ばれるのが、 お菓子や果物 です。
分け合うときのことを考え、 お菓子は個包装で、同じ種類のもの を選ぶとよいでしょう。 故人が好きだったお菓子 があれば、遺族に喜ばれます。
果物であれば、お供えには華やかで見栄えのよい、 盛りかご が適しています。お供えの場合は、魂を連想させる、 丸いかたちの果物 がよいとされています。個数は、 4や9を除いた奇数に します。
四十九日のお供え物に相応しくない品物
仏教では殺生を禁じているため、 肉や魚は適していません 。
ほかにも、仏様に香を焚いて供養することを重視するため、 仏花として香りの強い花を用いること を避けています。 棘や毒がある花、手入れのしにくい蔓性の植物、花粉が落ちる花 なども避けます。
ただし、「故人がユリが好きだった」等の理由から、どうしてもお供えしたいときは、香りや花粉が出る部分(おしべ・めしべの部分)を切り取っておきましょう。花を送る場合は、飾るときに手間のいらないアレンジメントが好ましいです。
また、「故人がお酒を好んでいた」という理由でアルコールをお供えすることもありますが、遺族が好まない場合は処分に困るため、避けた方が無難です。
故人の好みなど、特別な事情があってお供えしたい物がある場合は、遺族やお寺に相談したうえで用意するとよいでしょう。

四十九日のお供え物の包み方のマナー
弔事用の掛け紙を使用する
お供え物を包む包装紙は、地味なものを選び、弔事用の掛け紙を付けます。仏事全般では、一般的に黒白、または黒銀の「結びきり」の水引を使用します。なお、双銀は、5万円以上を包む場合に使用されることが多いです。
ただし、関西など一部の地域では、黄白の水引を使う場合もありますので、地域の慣習にも注意が必要です。
「結び切り」は一度結ぶとほどけない結び方で、弔事や結婚など、一度きりで繰り返したくない出来事に対しての贈答品に使われます。購入する際には、「四十九日のお供え物にします」と一言添えると、適切な贈り物としての体裁を整えてもらえるでしょう。
表書きの書き方
表書きは、 水引より上に『御供』、水引より下に氏名(フルネーム)を書く のが一般的です。
連名(2人以上)でおくる場合は、年齢や役職が高い順に、右側から書いていきます。特に序列のない場合は、五十音順にするのが一般的です。人数が多い場合は、「〇〇一同」と表記してもよいです。
夫婦の場合は、右側に夫の名前をフルネームで書き、妻は下の名前だけを左側に書きます。
法要の表書きは薄墨ではなく、黒墨にします。薄墨には、急な訃報で十分な墨が用意できなかったという意味があるのです。
掛け紙の選び方や表書きの書き方について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
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お供え物を用意した場合の香典は?
法要後に会食がもうけられている場合、食事代のことを考慮して、香典(現金)も用意した方がいいでしょう。
金額の相場としては下記の通りです。
- 祖父母 :10,000~30,000円
- 両親 :10,000~50,000円
- 兄弟姉妹 :10,000~50,000円
- 叔父・叔母:5,000~30,000円
- 友人・知人:3,000~10,000円
40歳以上の方や、以前に自分の家族の法要に参列してもらっている場合などは、この限りではありません。その時々の事情に合わせて用意するべきです。
また、遺族側から「香典は不要」と言われることもあります。その場合は意向を尊重しましょう。
香典袋について、選び方や渡し方、マナーなどを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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四十九日のお供え物の費用相場
お供え物と香典の両方を持参する場合は、 3,000~5,000円 を目安にお供え物を選びましょう。
香典を持参せず、お供え物のみを用意する場合は、 葬儀のときに包んだ5割から7割の金額 を目安に品物を選びます。
お供え物の金額は、親族間で金額が決められていたり、地域によって違いがあったりするので、周囲と相談しましょう。
四十九日のお供え物の渡し方・タイミング
お供え物の渡し方については、手渡しをするのが丁寧と思われるかもしれませんが、当日は遺族が忙しいこともあり、可能であれば、 法要が執りおこなわれる場所に郵送 した方が喜ばれます。
目安として、 法要の2~3日前 、 遅くとも前日まで に届くようにします。会場が自宅以外である場合は、遺族にいつ、どこ宛に送付するのがよいか確認しましょう。
「法要に招かれたが、事情があって出席できないのでお供え物を送りたい」という場合には、一筆箋や手紙などに一言、メッセージを添えるとよいでしょう。
郵送する際の一筆箋や手紙の書き方については、以下の記事をご覧ください。
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四十九日のお供え物を喪主に手渡しする場合の注意
スケジュール等の都合で、法要前日までに送付することがむずかしい場合もありますよね。
もし、どうしても当日に手渡しすることになった場合、注意したいのは、勝手にお供えしないということです。持参した人が仏壇や祭壇に供えることはマナー違反になります。必ず、喪主または遺族に渡しましょう。
袋や風呂敷から中身をとりだし、表書きを上にして遺族に渡します。その際、「ご仏前にお供えください」などと言葉をかけると、丁寧な印象になります。袋や風呂敷は持ち帰ります。

まとめ
今回は四十九日にふさわしいお供え物や、お供え物を渡す方法についてご紹介しました。
宗教上のタブーや渡し方などの注意点はありますが、 大切なことは心がこもっているかどうか です。もし、故人や遺族の想い出にのこるような、特別な食べ物があるのであれば、日持ちしないものでも遺族に喜ばれるかもしれません。
遺族に言葉をかけることや、贈り物のマナーを心がけ、遺族の忌明けをねぎらう気持ちで準備や参列にのぞむとよいですね。
四十九日の新しい過ごし方
昨今、四十九日は身内だけで行うという方が増えてきました。法要に限らず、葬儀もごく親しい親族のみで行う場合も少なくありません。故人の友人のお別れの機会が少なくなっていると言えるでしょう。
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最後までお付き合いいただきありがとうございました。
本記事が少しでも皆様のお役に立てましたら、冥利に尽きます。