香典を郵送する時の一筆箋・手紙に関するマナーとは?例文や入れ方と共にご紹介!

香典を郵送する時の一筆箋・手紙に関するマナーとは?例文や入れ方と共にご紹介!

親戚や友人など大切な方が亡くなり、お通夜や葬儀に参列したいと思っても、遠方に住んでいる場合や、仕事がある場合は、やむを得ず参加できないこともあるかと思います。
それでも、お悔やみの言葉をご遺族にお伝えしたいと思った時、香典の存在について思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかしそんな時、香典を郵送することは可能なのか、そして香典はいつ送れば良いのか、わからない方も多いでしょう。

今回は、お通夜や葬儀に参列できない際の香典を郵送するタイミングから、一筆箋(お手紙)で伝えるべきこと、注意点など、香典を郵送したいと思った際に気をつけるべきことについて、網羅的にご紹介します。

香典を郵送してもいい?

仕事の都合や、遠方に住んでいるという理由で、お通夜や葬儀に参列できない場合もあります。
そういった場合、そもそも香典は郵送しても良いものなのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
結論から申し上げますと、この場合、 きちんとした手順を踏んで郵送を行えば、問題なくご遺族に弔意を示すことができます

ポスト

郵送するタイミングについて

お通夜や葬儀に参列できないことが分かった時点で、早めに郵送するのが良いでしょう。
葬儀から1週間後を目安に、遅くても1ヶ月後には喪主のご自宅に到着するように 郵送すると良いでしょう。

郵送する場合の香典の包み方

参列者の持ち物持物がのっている写真

香典を郵送する際、現金を 「不祝儀袋」 に入れてから、現金書留封筒に入れ、郵送します。現金書留の専用封筒は大きめに作られているので、一般的に売られている不祝儀袋であれば問題なく入るサイズではあります。ただし、大きいサイズの不祝儀袋は入らないこともありますので、気をつけて選びましょう。

香典袋やお札の選び方、入れ方については、以下の記事で詳しく解説しております。
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また、香典の金額については、以下の記事をご覧ください。
故人と自分の関係別の、香典金額のおおよその相場も記載しております。
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一筆箋とお手紙の違いとは?

基本的には簡潔に一筆箋でお送りするのが好まれますが、間柄によっては一筆箋では足りないという方もいらっしゃるかと思います。その場合はお手紙を添えるようにしましょう。
ただし、香典を郵送する時に同封する手紙は、1枚までが適切とされます。
弔電などでも「重ね重ね」や「度々」などの言葉を避けるように、二重になってしまう表現は縁起が悪いとされているためです。

自分が書きたい分量に合わせて、一筆箋またはお手紙を選ぶようにしましょう。

香典に添える一筆箋(お手紙)に関する注意点

香典に添える一筆箋(お手紙)については、以下のことに注意すると良いでしょう。

便箋・ペンに関する注意

香典に添える一筆箋や便箋は、白い縦書き便箋がふさわしいとされます。万年筆や薄墨を使うのが正式なマナーですが、現代では一般的なボールペンでも失礼に当たりません。

万年筆

一筆箋(お手紙)で伝えるべきこと

一筆箋(お手紙)を書く際はは、以下の6つを意識して書くと良いでしょう。

  1. 季節の挨拶は不要
  2. 忌み言葉は使用しない(「重ね重ね」「また」など、不幸や別れを連想させる言葉)
  3. ご葬儀に参列できない旨を詫びる言葉を書く
  4. 香典同封の旨を書く
  5. 故人を悼む気持ちやご遺族を慰める言葉を書く
  6. ご遺族と面識がない場合は故人との関係を書く

手紙は短文でも長文でも構いません。気持ちを込めて丁寧に書きましょう。

一筆箋(お手紙)の例文

次に、故人様との関係別に具体的な例文をご紹介します。

故人様との出会いのエピソードや思い出について記すと、ご遺族にとっても温かみを感じられるものになるでしょう。

友人が亡くなった場合の例文

〇〇様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。
私は大学時代の部活の同期で○○さんと仲良くさせていただいていた△△と申します。
本来であればご葬儀に参列すべきところですが、遠方にてかなわず、誠に申し訳ございません。
心ばかりではありますが、ご香典を同封いたしますので、ご霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。
家族の皆様にはお力をお落としのことと存じますが、くれぐれもご自愛くださいませ。略儀ながら書中にて、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

親族が亡くなった場合の例文

突然の訃報に接し、ただ残念でなりません。
正月にお会いしたときはお元気そうなご様子でしたので今でも信じられない思いです。
本来であればすぐに弔問に伺いたいところですが、遠方にてかなわず、誠に申し訳ございません。
心ばかりではありますが、ご香典を同封いたしますので、ご霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。
略儀ながら書中にて、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

取引先が亡くなった場合の例文

先方の会社名
〜〜部 〜〜様

〇〇様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。
本来であればご葬儀に参列すべきところですが、諸事情にてかなわず、誠に申し訳ございません。
心ばかりではありますが、ご香典を同封いたしますので、ご霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。

略儀ながら書中にて、心からご冥福をお祈り申し上げます。
 
自分の所属する会社名
○○部 自分の名前

一筆箋での短い例文

この度は、〇〇様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。諸般の事情によりお伺いできない無礼をお許しください。御霊前にお供えいただけきたく、心ばかりのものを同封いたしました。

一筆箋(お手紙)は封筒に入れるべき?

香典に添えるお手紙や一筆箋は、封筒に入れる必要はないとされています。現金書留も封筒に入れますから、「封筒に入れる」という行為が二重になってしまいます。弔電で忌み言葉を避けたり、便箋の枚数を一枚にとどめたりするのと同様に、二重になってしまう表現は縁起が悪いとされているためです。

郵送方法について

郵送の際は現金書留で

香典を郵送する際は必ず「現金書留」で郵送しましょう。
郵便局の現金書留は、届かなかった場合の賠償保証がついています。さらに普通郵便や宅配便などで送ることは郵便法で禁止されているので、必ず現金書留にしましょう。

宛名・住所の書き方は?

現金書留の封筒の宛名には喪主の名前を書きます。仮に喪主と関わりがなくても、喪主宛で問題ありません。喪主の名前がわからない場合は「〇〇(故人の名前)様 ご遺族様」と書きましょう。

郵送する場合の送り先住所は、ご葬家の自宅か葬儀場のどちらかになります。喪主に確認をした上、お送りしましょう。

まとめ

急な訃報で、どうしても葬儀に参列できないことがあると思われます。
そのような場合は、香典を郵送して弔意を表しても問題ありません。
一筆箋や手紙を添えた香典を、郵送する際のマナーに注意して送れば、あなたの気持ちはきっと伝わるでしょう。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。