故人を偲ぶって?その意味と具体的な方々について解説

故人を偲ぶって?その意味と具体的な方々について解説

「故人を偲ぶ」という言葉を、葬儀などで耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。しかし、どのような意味で使われているのか、考える機会はなかなかないですよね。そもそも「偲ぶ」にはどのような意味があって、「故人を偲ぶ」とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
今回は、そんな疑問を解消するための解説をおこなっていきます。

そもそも「故人」「偲ぶ」の意味って?

「故人」の意味

まずはじめに、「故人」について説明していきます。

故人とは、 「亡くなった人」 を表す言葉です。故人の「故」には、「昔から」「以前」という意味合いがあり、その意味に「死」も含まれているためです。
「故人を見送る」「故人を偲ぶ」「故人とは親しくしていた」という使い方ができます。

かつては「旧友」の意味で用いられることもありました。ただし現代においては、生きている人に対してこの言葉が用いられることはほとんどありません。

「偲ぶ」の意味

「偲ぶ(しのぶ)」には、過ぎ去った物事や、遠く離れている人・場所などを懐かしい気持ちで思い出す、という意味があります。また、心惹かれて思いを巡らせる・慕わしく思うという意味や、ものの美しさに感心し味わうといった意味でも使われます。

同じ読み方をする漢字に「忍ぶ」がありますが、意味は異なります。こちらは、辛いことを我慢する、じっと堪える、ということを意味するので、間違えないよう注意しましょう。

「故人を偲ぶ」とは、何を意味する?

「故人を偲ぶ」とは慣用句であり、 亡くなった人を懐かしい気持ちで思い出す 、ということを意味します。
亡くなってからある程度時間が経ち、心の整理もついたところで、故人との思い出を懐かしむ際にこの言葉を使います。

大切な人の死を嘆き、悲しむだけで終わらせるのではなく、故人の人柄や思い出を懐かしみ、思いを馳せ、故人を忘れないことが、「故人を偲ぶ」を意味すると言えるのではないでしょうか。

葬儀 手を合わせる人

似たような意味の言葉には何がある?

それでは、「故人を偲ぶ」と似たような意味を持つ言葉は、他にあるのでしょうか?
いくつか取り上げてみましたので、早速見ていきましょう。

悼む

まず一つ目は「悼む」です。人の死を悲しみ、嘆く という意味があります。類語として、悔やむ、弔う、哀悼、追悼、などが挙げられます。故人との思い出などを懐かしく思う「偲ぶ」に対して、「悼む」は、故人の死そのものを悲しむことを表します。この言葉は、追悼式や悼辞などで使われます。

弔う

二つ目は「弔う」です。人の死を悲しみいたんで、遺族にお悔やみを言うという意味や、死者の霊を慰めるために追善供養を営むという意味 を持ちます。公式な場で使用されるのが一般的です。

想う

三つ目は「想う」です。想うにはさまざまな意味がありますが、「偲ぶ」と同じように使うとすると、眼前にない物事について心を働かせるという意味 が当てはまります。同じ読みの「思う」は頭で考え心で感じる、「想う」は対象そのものをイメージして心でみる、ということを表します。「想う」は「思う」よりも、感情が込められた表現と言えるでしょう。

懐古する

四つ目は「懐古する」です。遠い過去を思い出し、懐かしくおもう、という意味 です。同じ読みの「回顧」は、良くも悪くも、事実を客観的な見方で思い返すことを意味するため、故人を「偲ぶ」と似た意味を持つとは言えないでしょう。

追憶する

五つ目は「追憶する」です。過ぎ去った過去に思いをはせ、過去を偲ぶという意味 を持ちます。過去を思い出し、懐かしくおもうことを表します。小説や、映画などのタイトルで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

他にも「回想する」「思い起こす」「追想にふける」などがあります。「偲ぶ」と同じような意味があることを覚えておくと、便利かもしれませんね。

故人を偲ぶための具体的な行い

故人を偲ぶために私たちができることは、 「追善供養」 です。
供養には大きく二つの種類があり、仏様への畏敬の念を示す「仏教供養」と死者の冥福を祈る「追善供養」があります。故人を偲ぶために行うものは、生きている人たちが亡くなった人に対して行う「追善供養」にあたります。

具体的な行いとして、仏壇に手を合わせる、お墓参りに行く、お墓や仏壇を綺麗に掃除する、線香をあげる、仏様の前に花を飾る、などがあります。供養をするのに、厳しい作法などはありません。

供養の目的

目的は、故人を偲び、亡き人の魂が安らかであることを祈ることです。故人の好きな食べ物をお墓に供えたり、故人と深い関わりのあった場所で食事をしたり、お別れの会を開いたりすることも「供養」と言えるでしょう。
何をするのか、ということよりも、 心を込めて故人と向き合うこと が大切です。

命日や月命日に合わせて故人を偲ぶ方法を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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葬儀写真

お悔やみの言葉について

故人を偲ぶ際、ご遺族にお会いした場合は、お悔やみの言葉をかけます。

お悔やみの言葉の代表例

まずはじめに、お悔やみの言葉の代表的な例をご紹介します。

お悔やみ申し上げます

故人が亡くなられた悲しみと、遺された家族へ弔意を伝えるという意味

哀悼(あいとう)の意を表します

亡くなった方を思うと嘆き悲しむ心持ちという意味

ご冥福をお祈りします

故人の死後の幸福をお祈りするという意味
なお、キリスト教などの葬儀の場合は教義にそぐわないため、使わないようにしましょう

ご愁傷様です

不幸があった人に対して強い悲しみを気の毒に思うという意味

お悔やみの言葉を使う際の注意点

敬称を使う

一般的には、故人の名前は敬称を用います。 敬称は、 故人とご遺族の関係性 によって以下のように異なります。
ただし、友人や恋人などの親密な相手に敬称を用いると、むしろ堅苦しい印象を与えてしまうので注意しましょう。

ご遺族と故人の関係 故人の敬称
ご遺族の夫 ご主人様(ごしゅじんさま)・旦那様(だんなさま)
ご遺族の妻 ご令室様(ごれいしつさま)・奥様(おくさま)
ご遺族の父 ご尊父様(ごそんぷさま)・お父様(おとうさま)
ご遺族の母 ご母堂様(ごぼどうさま)・お母様(おかあさま)
ご遺族の息子 ご令息様 (れいそくさま) ・ご子息様 (ごしそくさま)
ご遺族の娘 ご令嬢様 (れいじょうさま) ・ご息女様 (ごそくじょさま)
ご遺族の祖父 ご祖父様(ごそふさま)・御祖父様(おじいさま)
ご遺族の祖母 ご祖母様(ごそぼさま)・御祖母様(おばあさま)
ご遺族の兄 ご令兄様(ごれいけいさま)・お兄様(おにいさま)
ご遺族の姉 ご令姉様(ごれいしさま)・お姉様(おねえさま)
ご遺族の弟 ご令弟様(ごれいていさま)・弟様(おとうとさま)
ご遺族の妹 ご令妹様(ごれいまいさま)・妹様(いもうとさま)
忌み言葉を使わない

忌み言葉とは、「また」「たびたび」「再び」といった不幸が重なることを連想させたり、不幸が繰り返すことを想像させたりする言葉のことです。
また、4や9のような縁起が悪い言葉を使わないようにしましょう。

新しい「故人を偲ぶ」の形

昨今、小規模なお葬式が増え、お葬式に出向いて大切な人を偲ぶ機会が少なくなっています。「何かしたいけど何もできない」という状況に生じる方や、訃報には接したものの、お葬式に参列できず全く実感が持てない方がいることも事実です。
そこで、新しい偲ぶ場の作り方をご紹介します。

弊社が運営している3日限りの追悼サイト作成サービス葬想式を使うことで、距離と時間を越えて故人を偲ぶ機会をお作りいただくことができます。

葬想式は、招待制の追悼サイトを簡単に作れる無料サービスです。招待された人々がサイトに集い、思い出の写真やメッセージを投稿できます。公開期間中(3日間)はいつでも、どこからでもサイトにアクセス可能で他の参加者の写真やメッセージも見ることができます。参加人数、投稿写真枚数、メッセージの数は無制限、無料でご利用いただけます。

本サービスは誰かが開式者として場を立ち上げなくては始まりません。「私がやってもいいのかな?」という戸惑いはあるかもしれませんが、この機会に救われる共通の友人がいるかもしれません。

もちろん、葬想式を開式される際はご遺族に一報

友人達と追悼サイト作成サービス葬想式を使って〇〇さんを偲ぶ会を行いたいと思います。思い出の写真を共有し合ったり、追悼メッセージを寄せ書きのような形で集められるサービスです。X月X日からX月Y日まで開式していますのでよろしければ期間内にこちらのURLより様子をご覧ください

という形でご案内いただくことを推奨していますが、どうしてもご遺族と連絡が取れない場合は自由に友人が主催しても良い、というスタンスで本サービスを運営しています。もちろん、こういったことをご遺族の知らない所で行うことはできるだけ避けたいですが、大切な人を亡くし、偲ぶ心に優劣はなく、ご遺族も友人も等しく悲しむ権利があるという考えに基づき、このような運営を行っております。

葬想式を通じて、 ご葬儀に集まれなかった方も含めて故人様との思い出を振り返り、メッセージを綴るという機会 にもなりますし、友人が参加することで、 ご親族がお持ちでなかった故人様の写真をご覧いただく こともできます。

みんなで故人を偲び、思い出を振り返り、メッセージを綴る時間をお過ごしいただくというのはいかがでしょうか?

偲ぶ会の選択肢として、誰にでもお使いいただけるよう無料の相談窓口がございます。ご遺族へお知らせするための文章を作るのが難しいなど、葬想式を開く上でのハードルを乗り越えるお手伝いをさせていただきます。こちらの公式LINEからお気軽にお問い合わせください。

また、こちらの葬想式公式サイトより、パンフレットの送付請求やサンプルページの閲覧が可能です。こちらも是非ご活用ください。

まとめ

「偲ぶ」は、悲しみを表すのではなく、思い出や人を懐かしむ意味で使われています。大切な人が亡くなってしまっても、共に過ごした時間は消えることのない宝物であることに、変わりありません。毎日でなくてもその宝物を想い出し、思いを馳せ、「供養」を通して故人と向き合うことを忘れずに、生きていきたいですね。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
本記事が少しでも皆様のお役に立てましたら、冥利に尽きます。

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葬想式 葬儀に集まれなかった人にもお別れの機会を提供することができます。
葬想式 故人様の思い出の写真やエピソードを集められます。
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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。