【葬式のネクタイで迷う】選び方のポイントと結び方、注意点を解説
「お葬式で、どんなネクタイを選べばいいのだろう」
「結び方は普段と同じでいいのだろうか」
と悩まれる方は多いのではないでしょうか。
お葬式のネクタイは、色や素材、結び方まで、一般的なビジネスシーンとは異なるマナーがあります。
この記事では、ネクタイの選び方から結び方、そしてお葬式特有の注意点まで、具体的にご説明します。
初めてお葬式に参列される方でも安心してネクタイを選び、着用できるようになりますよ。
お葬式でのネクタイ選びに不安がある方は、ぜひ最後までお読みください。
葬式のドレスコードとネクタイのマナー
お葬式に参列する際の服装は、故人への敬意と弔意を表すために、厳格なマナーが定められています。
男性の基本的なドレスコードは、黒の喪服(モーニングまたはブラックスーツ)に白いワイシャツ、そして黒のネクタイが基本となります。
特定の宗派では白いネクタイが選ばれることもありますが、特別な宗教的な理由がない場合は、誤解を避けるためにも黒のネクタイを選ぶことをおすすめします。
これらのマナーは、日本の葬儀における「弔意」という考え方に基づいており、故人を敬い、遺族の心情に寄り添う気持ちを形として表現するものと言えます。
葬式でのネクタイ選びのポイント
葬式用のネクタイは、故人への弔意を表現する重要なアイテムです。
特に一般的な葬儀では、男性はネクタイ着用が基本とされています。
以下、色・デザイン・素材の3つの観点から、具体的な選び方をご説明します。
色選びのポイント
お葬式用のネクタイは、黒を選びましょう。
一般的には濃い黒が基本ですが、黒に近い濃紺や濃いグレーも使用できます。
ただし、光の反射で青みや紫みが強く出るものは避け、深みのある落ち着いた色味を選ぶことをおすすめします。
室内の照明だけでは色の見え方が変わることがあるため、自然光の下で確認するとよいでしょう。
また、黒は、時間の経過で色褪せや変色が目立ちやすい色です。
古いネクタイは、長期保管による変色がないか確認してから使用してください。
デザイン選びのポイント
お葬式用の黒ネクタイは、シンプルな無地を選ぶことが基本です。
ストライプやプリント柄、織り柄は避けるべきです。
また、ネクタイの幅はレギュラータイと呼ばれる標準的な7〜8.5センチ程度のものを選びましょう。
極端に細いものや太いものは、場にそぐわない印象を与える可能性があります。
素材選びのポイント
お葬式用のネクタイの素材は、シルクの無地織りが一般的です。
光沢の強すぎるサテン調は避け、マットな質感のものを選びましょう。
ウール素材のネクタイは、秋冬用として適していますが、暑い時期の着用は避けた方が無難です。
季節を問わず使用できるシルクは、特にお葬式用として重宝されます。
レーヨンやポリエステルなどの化繊は、独特の光沢があり、弔事にふさわしい落ち着いた印象を損なう可能性があるため、できるだけ避けることをおすすめします。
また、生地が厚すぎると結び目が大きくなりすぎるため、程よい厚みのものを選ぶといいでしょう。
葬式のネクタイの結び方
葬式でのネクタイの結び方は、シンプルで整った印象を大切にします。
派手な結び方や崩れやすい結び方は避け、基本的な結び方を丁寧に行うことが重要です。
代表的な結び方として、プレーンノットとウィンザーノットがあります。
具体的に二つの結び方について説明します。
プレーンノット
ネクタイのもっとも基本的な結び方で、小ぶりな結び目が特徴です。
【プレーンノットの結び方】
- 首にネクタイを掛け、太い方(大剣)を細い方(小剣)の上に交差させます。大剣は右側、小剣は左側に配置します。
- 次に、大剣を小剣の後ろから手前に巻きつけるように一周させます。このとき、大剣が小剣を包み込むようなイメージです。
- できた輪の後ろから、大剣を前に持ってきます。
- 続いて、首元にできた隙間に、大剣を身体側から前に通します。
- 最後に、前面にできた輪に大剣を上から通して下におろします。
- 小剣を下に軽く引きながら、結び目を整えるように締めます。締めすぎると形が崩れやすいので、程よい強さで調整しましょう。
シンプルな手順で綺麗な形に仕上がるため、初心者の方にもおすすめです。
ただし、結び目が緩みやすいので、出発前にしっかりと締め直しましょう。
ウィンザーノット
プレーンノットより少し大きめの三角形の結び目が特徴的な結び方です。
【ウィンザーノットの結び方】
- 首にネクタイを掛けます。この時、太い方(大剣)をいつもより長めにとります。これは結び目が大きくなるため、長さの調整が必要だからです。
- 大剣を細い方(小剣)の上に交差させます。このとき、きれいな三角形を作るための土台となるので、交差する位置を意識しましょう。
- 交差してできた輪の下から、大剣を上に通します。
- 次に、大剣を裏側から回し、今度は上から輪に通します。この時点で、小さな三角形の形が見えてきます。
- 一度、大剣と小剣を下に引いて、ここまでの形を整えます。
- 三角形をより鮮明にするため、大剣を外側から回して再び輪に通します。
- できあがった結び目の部分に大剣を通して、前面に出します。
- 最後に、小剣を引いて全体の長さを調整します。この時、三角形の形が崩れないように注意しながら締めていきましょう。
形が整いやすく崩れにくい結び方ですが、手順が複雑なため、事前に何度か練習することをおすすめします。
また、素材が厚めのネクタイだと結び目が大きくなりすぎる可能性があるので、適度な厚みのネクタイ選びが大切です。
葬式のネクタイの注意点
お葬式のネクタイは、普段のビジネスシーンとは異なるマナーがあります。
故人への弔意を表すため、装飾を控えめにし、シンプルな装いを心がけましょう。
お葬式のネクタイで注意したいポイントを、以下にお伝えします。
ネクタイピンは使用しない
お葬式では、ネクタイピンの使用は控えましょう。
同様に、カフスボタンやポケットチーフなどの装飾品も外すことをおすすめします。
これは、装飾品が華やかな印象を与え、弔意を表す場にそぐわないためです。
ネクタイが揺れることを気にする方もいますが、ジャケットの胸元のボタンをしっかり留めることで対応できます。
ディンプルは作らない
ビジネスシーンでは好まれるネクタイの結び目のディンプル(くぼみ)ですが、お葬式では作らないようにしましょう。
ディンプルは、ネクタイに立体感を持たせ、おしゃれな印象を演出する効果があります。
しかし、お葬式では控えめな装いが求められるため、ディンプルのない、フラットな結び目が適切とされています。
まとめ
お葬式でのネクタイの選び方や結び方についてまとめました。
この記事で紹介した色や結び方を参考に、適切な装いで、故人へ最後の別れを告げられるよう、準備を整えてください。
ただし、近親者から「ネクタイなしでよい」と事前に伝えられた場合などでは、ネクタイを外すことも許容されます。
不安な点がある場合は、必ず事前に葬儀社や遺族に確認しておいてください。