【葬送曲とは葬儀や告別式で流す曲】人気のクラシックや邦楽の代表作と特徴
葬儀で流す曲は自分で選べるのか気になりますか。葬儀の曲は葬送曲と呼ばれ、故人が好きだった曲や遺族の希望で選べる場合があります。
この記事では、葬送曲についてや人気の葬送曲を紹介しています。気をつけたい著作権についても解説していますので、葬送曲について知りたい方はぜひ最後までお読みください。
葬送曲とは人の死を悼む楽曲
葬送曲は、亡くなった人への哀悼の気持ちを表現するための音楽 です。葬送曲は、しばしば葬儀や追悼の場で使用されますが、個人的な悲しみや喪失の感情を表現するためにも使われることがあります。
形式やスタイルはさまざまですが、主にゆったりとしたテンポや重々しい旋律を持ち、静かで厳粛な雰囲気を醸し出します。これらの曲は、人々が深い悲しみや喪失感に浸り、亡くなった人への最後の別れをする際、心を落ち着かせるのに役立ちます。
また葬送曲に使われる音楽には、悲しみや哀悼の感情を表現するだけでなく、感謝や敬意を示す歌詞の曲が使用されることもあります。
葬送曲は、 その美しい旋律や表現力のある演奏を通じて、人の死を悼む深い感情や思いを共有しながら悲しみを癒す手助けをしてくれる貴重な存在 です。
葬送曲が使われる場面
葬送曲が使われる場面はいくつかあります。一般的には、 葬儀や追悼の式典 で流されます。これは、亡くなった人への最後の別れをする場で、参列者が喪失感や悲しみに向き合うための音楽です。
葬儀では、開始前や献花をする際、棺が運ばれる場面で葬送曲を流します。宗教によっては葬儀中ずっと葬送曲を流すこともあります。また、追悼の式典や慰霊の儀式でも葬送曲が使用され、参列者に故人への感謝や深い思いを伝える手段となります。
葬送曲は、喪失という難しい感情に向き合う場面で使われることが多いですが、それ以上に、亡くなった人への敬意や愛情を表現するための特別な音楽となるでしょう。
葬送曲で人気の楽曲
葬送曲はクラシック音楽がよく使われますが、故人が好きだった邦楽を流すケースもあります 。
ここでは葬送曲で人気の楽曲をクラシック音楽と邦楽にわけて、それぞれ5曲ずつご紹介します。
葬送曲で人気のクラシック音楽
クラシック音楽は、 その格式や厳粛さのために葬儀の場にふさわしい とされています。重々しい旋律や静かなメロディーが、葬儀や追悼の式典での雰囲気を引き立てます。
伝統的な音楽を流すことで、故人への敬意や深い哀悼の気持ちをより強く表現できると感じられています。
ショパンのピアノソナタ第2番 「葬送」
ショパンのピアノソナタ第2番「葬送」は、ポーランドの作曲家フレデリック・ショパンによって作曲された作品です。
重々しく静かなメロディーが交錯し、深い悲しみや喪失感を表現しています。荘厳で美しい旋律は、 参列者の心に深い感動を与えるでしょう 。
モーツアルトの「フリーメイソンのための葬送音楽」
モーツアルトの「フリーメイソンのための葬送音楽」は、彼がフリーメイソン団体のメンバーであった際に作曲された楽曲です。
この作品は、モーツアルトの友人やフリーメイソン仲間の死を悼むために作られました。葬送音楽は、 厳粛で荘厳な雰囲気を持ちながらも、美しい旋律と繊細な音楽表現が特徴 です。
ベートーヴェンのピアノソナタ 第12番 「葬送」
ベートーヴェンのピアノソナタ第12番「葬送」は、彼の作品の中でも特に感情的で力強い作品として知られています。この曲は、ある英雄の死を悼んで作曲されたといわれていますが、その英雄が誰かはわかっていません。
葬儀や追悼の場で演奏されることが多く、その壮大な音楽が葬送曲としてふさわしい とされています。
ワーグナーの「ジークフリートの葬送行進曲」
ワーグナーのオペラ「ジークフリートの葬送行進曲」は、その名の通り、物語の中で英雄ジークフリートの葬儀の場面で演奏される音楽です。
「ジークフリートの葬送行進曲」は、ワーグナーの音楽の中でも特に有名で、 その荘厳さと感情的な表現力によって称賛されています 。
フォーレの「葬送の歌」
フォーレの「葬送の歌」は、フランスの作曲家ガブリエル・フォーレによって作曲された楽曲です。
「葬送の歌」は、 深い哀悼と静寂を伝える美しい旋律が特徴 で、フォーレの代表作の一つとして広く知られています。穏やかで美しい音楽は、 故人の魂が平穏で安らかな旅路を辿ることを願っている ようで、葬送曲としてふさわしいでしょう。
葬送曲で人気の邦楽
邦楽は日本の伝統や文化を反映し、日本語の歌詞や繊細な楽器の響きによって悲しみに寄り添います。
参列者にとって馴染みが深く、深い感情表現や自然をテーマにした曲が多い ため、葬送曲として選ばれることがよくあります。
秋川雅史の「千の風になって」
「千の風になって」は、アメリカの詩を訳したものに新井満さんが曲をつけました。2006年に秋川雅史が歌唱し、広く知られています。
歌詞は、逝去した人が千の風となって広がり、愛や思い出が永遠に続いていくというメッセージです。 歌唱力豊かな秋川雅史の歌声が、故人への思いやりや慰めの気持ち を表現してくれます。
中島みゆきの「時代」
中島みゆきの「時代」は、1975年に発表された楽曲で、社会の変化や人々の心情を歌った名曲です。歌詞にある「時代はまわる」「生まれ変わってめぐり逢う」などが、大切な人を亡くした遺族の共感を呼び起こします。
この曲の深いメッセージ性と中島みゆきの圧倒的な歌唱力によって、 遺族や参列者の悲しい気持ちを和らげてくれることでしょう 。
美空ひばりの「川の流れのように」
美空ひばりの「川の流れのように」は、1989年1月に発売されてから今もまだ愛され続けています。
歌詞は、川の流れが絶え間なく流れ続けるように、人生も進んでいくことを表現しています。 人々の喜びや悲しみ、別れや出会いなどの人生の瞬間を背景に、心に響くメロディーと歌詞が共感を呼び起こし、辛い時期に励ましや勇気を与えてくれるでしょう 。
夏川りみの「涙そうそう」
「涙そうそう」はたくさんのアーティストにより歌われた曲ですが、夏川りみバージョンは2001年に発売されました。
歌詞には作詞家森山良子の早世した兄への思いが込められており、涙があふれて止まらない悲しみ、失われた愛や別れへの思いが綴られています。
故人と別れる喪失を感じている人々にとって、その痛みや悲しみに共感し、心の琴線に触れる名曲 です。
いきものがかりの「ありがとう」
いきものがかりの「ありがとう」は2010年5月に発表され、そのポップなメロディーと感謝の気持ちを歌った歌詞で大ヒットしました。
人々への感謝や励ましをテーマにしたポジティブな歌詞は、 日々の小さな喜びや出会いに感謝し、大切な人たちに対して「ありがとう」という言葉を贈ることの大切さを歌っています 。
故人へ最後の感謝を伝え、参列者へ元気や勇気を与えるとして、葬送曲として人気です。
葬送曲で使用する楽曲の著作権について
葬送曲で使用される楽曲の著作権については、一般的な音楽の著作権と同様の法的な保護があります。著作権は、作曲者や作詞者、編曲者などが楽曲を創作した際に自動的に発生します。
葬儀や葬送式などで楽曲を使用する場合、葬儀会社が営利目的で使用するとみなされると著作権法に基づいて著作者や関連する団体に対して使用料を支払わなければいけません 。
ただし、著作権のない楽曲や著作者の死後70年以上たつ保護期間終了の楽曲は、自由に使用できます。故人が好きだった曲が著作権で保護されている場合、葬儀社によっては受け付けてもらえない場合もありますので、あらかじめ葬儀会社に確認してください。
まとめ
葬儀や追悼の式典で流される葬送曲について解説しました。
故人の好きだった曲で送り出したい、遺族や参列者の気持ちを少しでも和らげたいと考える方は、本記事で紹介した人気の葬送曲をぜひ参考にしてください。