ペットの遺骨はどうする?自宅で保管する際はカビに注意

ペットの遺骨はどうする?自宅で保管する際はカビに注意

「ペットの遺骨をどうしよう」「ずっと一緒にいたいけれど、自宅に置いてもいいの?」などペットの遺骨について疑問をおもちの方は多いようです。

ペットの遺骨にはさまざまな保管方法があります。本記事ではペットの遺骨を保管する4つの方法や気を付ける点などを解説し、あなたの疑問を解決します。

ペットの遺骨について知りたい方はぜひ最後までお読みください。

ペットの遺骨は火葬後返骨される

近年、環境への配慮もあり、 大切なペットを失った際には火葬するのが一般的 です。
火葬はペット施設やペット専用霊園、自治体が用意した動物専用炉などを利用します。

また自宅へ出張してくれる移動火葬車も増えてきているので、火葬を希望する場合はネットや役所で確認してください。

ほとんどの場合、火葬されたペットの遺骨は、火葬後に持ち主へ返骨されます。返骨された遺骨は持ち主の希望によりさまざまな方法で保管することになります。

ペットの遺骨の保管方法

ペットの遺骨を保管するにあたり、法律による決まりはありません。主に以下の 4つの方法 が考えられます。

  • 自宅で手元供養
  • ペット霊園や納骨堂に納骨
  • 遺骨アクセサリーに加工
  • 庭や海に散骨

ひとつずつ見ていきましょう。

自宅で手元供養

手元供養とは 遺骨を自宅に置いて、いつでもペットと触れ合えるようにすること です。
自宅に遺骨を置くために、ペット専用の仏壇を用意することが多く、線香やろうそくなどを置いてお参りします。

ペット専用の仏壇は仏具店やネットショッピングで購入できます 。料金は5千円程度の簡易的なものから10万円前後の本格的なものまで数多く揃っています。
高価なものを用意するというより、ペットへの愛情を込めて毎日その仏壇に手を合わせることが大切です。

ペット霊園や納骨堂に納骨

火葬後の遺骨をペット霊園や納骨堂に納める場合もあります 。納骨のタイミングは宗派により異なりますが、一般的には忌引きの四十九日に納骨します。

霊園や納骨堂ではお墓掃除などの手入れが不要で、気軽にペットを訪ねられます。ただし場所により管理費を必要とする場合があるので、あらかじめ確認しておきましょう。

遺骨アクセサリーに加工

愛するペットといつも一緒にいたいという方は、遺骨をアクセサリーに加工して毎日身につけてはいかがでしょうか。

遺骨アクセサリーを依頼すると、ペンダントやブレスレット、キーホルダーなどに遺骨の一部を入れて加工してもらえます

費用はおおよそ2万~10万円程度が一般的です。ただ遺骨の炭素をダイアモンドに加工すると1カラット200万円前後という高価なアクセサリーも用意されています。

ペットの遺骨アクセサリーは、ペットを身近に感じることができるので、特別な思い出の品として大切にされています。

庭や海に散骨

ペットの遺骨を庭や海に散骨する方もいます。ペットがいつも遊んでいた庭やよく遊びにいった海などへ散骨することで、ペットはいつも大好きな場所にいられると考えるからです

散骨時に注意したいのが、遺骨をそのまま散骨するのではなく、 粉骨してから散骨すること です。

遺骨のまま散骨すると、砂浜に流れ着いたり、何らかの状況により掘り返されてしまったりする可能性があります。遺骨を発見した方が不快な思いをされないためにも、マナーとして粉骨は行ってください。

粉骨は遺骨を袋に入れてたたき割ることもできますが、心理的な負担を考えると専門業者に任せたほうがいいでしょう。

海

ペットの遺骨を自宅で保管する際のカビ対策

ペットの遺骨を自宅で保管する際、一番気をつけなければいけないのはカビ対策です。

火葬された骨は、腐ることはありませんが、雨季など湿度が高くなるとカビが生えることがあります
大切なペットの遺骨にカビが生えるのはとても悲しく、人体に悪影響を与える可能性もあります。

ペットの遺骨を手元供養する場合は以下のような保管方法に気をつけてください。

風のよく通る場所に保管

遺骨を保管するなら、 風通しのよい場所を選びましょう

骨壷は完全密閉ではありません。そのためわずかな隙間から湿気が入り骨が湿気を吸着してカビが発生します。

風のよく通る場所であれば湿気がたまりにくく、カビが生えにくい環境を作れます。

またペット恋しさに骨壷を開けて中を確認したり、手に取ったりするとカビが発生する可能性は高まります。骨壷はできるだけテープなどでしっかり締めて保管してください。

骨壷の中に吸湿剤を入れるのもカビ防止には効果的です。

直射日光を避ける

骨壷を置く場所に直射日光が当たらないよう気を付けることも大切 です。

骨壷に日光が当たると温度が上昇します。温度が上がると骨壷や骨の水分が蒸発しその水分が湿気となり、カビの原因になります。

とくに日の当たる窓際は結露が発生することも多く、遺骨の保管場所には向いていません。

ペットの遺骨を保管するときは、直射日光を避けた風通しのよい場所を選んでください。

ペットの遺骨についての疑問を解決

ペットの遺骨について、疑問を抱いている方もいるでしょう。代表的な疑問に、以下のようなものがあります。

  • ペットの遺骨は人の仏壇に置いてもいいの?
  • ペットの遺骨はいつまで自宅で保管していい?
  • ペットの遺骨を自宅に置くのは縁起が悪いの?

順番に解説します。

ペットの遺骨は人の仏壇に置いてもいいの?

ペットの遺骨を置く場所に決まりがあるわけではありません。 すでに仏壇に入っている方がペットを大切にしていた場合、そばに置いてあげたいと思うなら一緒の仏壇に置いても問題はありません 。

しかし人によっては、人と動物を一緒にすることに抵抗をもたれる場合もあります。親族の中にさまざまな意見もあることを考えると、同じ仏壇に入れるより、仏壇のそばにペット専用の仏壇を置いてあげるのがいいのではないでしょうか。

仏壇

ペットの遺骨はいつまで自宅で保管していい?

ペットの遺骨を自宅に保管するのに期限はありません 。自分がずっとペットと一緒にいたいと思えば、カビなどに気をつけて気の済むまで自宅で保管できます。

やはり遺骨をしっかり納骨して供養したいと思ったときは、分骨して一部だけ保管する方法もあります。

いずれにしろ家族とよく話し合って、みんなが納得する方法でペットの遺骨と向き合ってください。

ペットの遺骨を自宅に置くのは縁起が悪いの?

ペットの遺骨を自宅に置くのは縁起が悪いと考えている方もいるようです。
これは、ペットであるか人であるかに関係なく、遺骨をお墓ではなく家の中に保管することが不吉であるという考えから来ています。また、遺骨を見ることで悲しみや喪失感が蘇ってしまう方もいるでしょう。

一方、遺骨を自宅に置くことで、ペットとの思い出や絆を維持し、悲しみを癒される方もいます。

ペットの遺骨を自宅に置くことを縁起が悪いと考えるかどうかは、個々人で異なります。最終的には、 個人の意志や価値観に基づいて、遺骨の取り扱いを決定してください 。

まとめ

愛するペットが亡くなった悲しみを少しでも和らげられるよう、大切なペットの思い出である遺骨を最善な方法で保管するための情報をご紹介しました。

遺骨の保管方法にはさまざまな意見がありますが、ご自身の感覚を大事にするのが一番です。ペットの遺骨は、大切な思い出として飼い主の気の済むように保管してあげてください。どのような保管方法であっても、自分を大事にしてくれた飼い主さんの気持ちはきっと天国のペットに届くでしょう。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。