お経を唱える意味や心を安定させる効果的なお経の唱え方

お経を唱える意味や心を安定させる効果的なお経の唱え方

「お経を唱えるといいことがあるの?」
「お経は難しくてよくわからない」

このような疑問をお持ちの方も多いようです。

法要で読まれるお経とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

この記事では、お経についての基礎知識を解説しています。

お経の唱え方や、唱えるとどのような効果があるのかも説明していますので、お経とはなにか、なぜお経を唱えるのかなどの疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みください。


お経の基礎知識

お経は 仏教の教えを表す文字や言葉のこと で、「経典」や「仏典」とも呼ばれます。

ここではお経について、以下の点を解説していきます。

  • お経とは
  • お経の歴史
  • お経の種類
  • お経を唱える意味

順番に見ていきましょう。

お経とは

お経とは、 仏教の開祖である釈迦(釈迦牟尼仏)が説いた言葉を、弟子たちが継承したもの です。

釈迦が亡くなった後、弟子の中で高い悟りを開いた500人(五百羅漢)が、その教えや教義をまとめました。

お経には、釈迦の考えや、生きていく上で必要な教えが説かれています。お経の意味はよくわからなくても、それを唱えることで、よりよい生き方に導かれ、ご利益を得られるといわれています。

お経の歴史

お経の歴史は古く、 仏教が成立した約2600年前頃から存在しています

釈迦は、自分の教説を文書化することを許しませんでした。そのため初期の300〜400年の間、釈迦の教えは口承によって伝えられています。

釈迦の入滅後しばらくして、その教説は文字で記されるようになりました。

お経の「原典」にはインドの言語が使用されています。後に中国へ伝わり、中国語に翻訳されたものが日本へ伝わったため、日本のお経は、漢字が使われています。

お経の種類

お経には、多くの種類があり、宗派によって異なる意味を持っています。

お経においては、 84,000の法門が説かれている といわれます。巻数にして約7,000巻もあり、その数は膨大なものです。

元々は、釈迦の教えが基盤のひとつの宗教でしたが、修行者たちの悩みや解釈の違いから、さまざまな宗派に発展しました。

お経は、それぞれの宗派が特定のテーマや教義を含んでおり、それに基づいてさまざまな種類が生まれました。

修行者たちは、各宗派のお経を読むことで、その教えを学びます。

お経を唱える意味

お経を唱えることには、 心を静め、仏教の教えに触れる意味 があります。

葬儀においては、故人の魂を極楽浄土へと導くためにお経が唱えられるといわれています。しかしながら、お経を唱える本来の意味は、自己を省みて心を清らかに保つことを目指すものです。

お経を読む行為は、故人に対する感謝や思いやりを表します。その一方で、同時に読経の功徳が自分自身にも幸せや良い出来事をもたらすとの信仰があります。

このように、お経は生きている私達と亡くなった人の間をつなぐものともいえるでしょう。

お経を通じて、生きている者も亡くなった者も共に平安で幸せな旅路を歩むことを願い、心を清らかにし、感謝の思いを表します。

お経の唱え方の基礎

お経を唱える際は、次のように気をつけたいことが3つあります。

  • お経を唱えるときの心の準備
  • お経を唱えるときの正しい座り方
  • 宗派別お経の唱え方

ひとつずつ解説します。

お経を唱えるときの心の準備

お経を唱える際には、 心の準備が重要 です。

まず最初に、深呼吸をして心を静めましょう。この行為は、心身を浄化し、クリアな状態でお経に臨むための基盤を作ります。

お経は、仏教の尊い教えを学ぶ絶好のチャンスです。読経を心から尊重し、敬意をもって取り組むために、深呼吸で心の余計な思考を静めることが重要です。

準備の段階で心を整え、お経に真摯に向き合うことで、より豊かな経験を得ることができるでしょう。

お経の前には、大きく深呼吸をしてから臨んでみてください。

お経を唱えるときの正しい座り方

お経を唱える場合、 一般的には正座を基本 とします。

しかし、床に座ることが難しい場合や、長時間の経文唱えが難しい場合などは、椅子が用意されていることもあります。

近年では、椅子を使って葬儀を行うケースも増えており、椅子に座ってお経を唱えることが一般的になってきました。

椅子を使用する場合、脚を組むのは避け、両足をしっかり地面につけるようにしましょう。この姿勢であれば、安定感があり長時間でも疲れにくく、心地よくお経を唱えられます。

どちらの場合も、できるだけ背筋を伸ばし、静粛な気持ちで唱えてください。

正座

宗派別お経の唱え方

法要の際、 唱えるお経は宗派により異なります

お経の一部では、仏の名を繰り返し口で唱えます。それらは念仏と呼ばれ、宗派によって、具体的な念仏の内容や言い方が異なる場合があります。

各宗派の念仏は以下をご参照ください。

浄土真宗 南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)

浄土宗 南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
曹洞宗 南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)
天台宗 南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
真言宗 南無大師遍照金剛(なむたいしへんじょうこんごう)
臨済宗 南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)
日蓮宗 南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)
時宗 南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)

お経

お経を唱える効果

お経を唱えることで、以下のような効果が期待できます。

  • 故人を極楽浄土へ導く
  • 遺族の気持ちを落ち着かせる
  • 精神が安定する
  • ご利益が得られる

日常的にお経を唱えて、これらの効果を感じてみてください。

故人を極楽浄土へ導く

お経を唱えることで、 故人を極楽浄土へ導くとされています

極楽浄土は、清らかで安らぎに満ちた世界であり、お経を唱えることで到達できるとされています。そのため、お経を唱えることは、故人の魂に平穏と幸福をもたらすと信じられています。

僧侶の導きに従い、心からの祈りを込めて念仏を唱えましょう。

お経は、故人への愛と感謝の気持ちを表す大切な機会であり、その効果はきっと自分の心で深く感じられるでしょう。

遺族の気持ちを落ち着かせる

お経を唱えることによって、 遺族は故人が穏やかな場所へと旅立ったと安心できます

お経は、故人の魂が平和な場所へと導かれたことを感じさせてくれる瞬間であり、遺族の喪失感や寂しさを和らげ、気持ちを落ち着かせる手助けとなります。

お経を唱えることは、遺族にとって、故人の安らぎを祈りつつ、自らの気持ちを落ち着かせる重要な儀式となるのです。

精神が安定する

お経を唱えることで、 精神が安定するといわれています

お経は、日常の喧騒を離れて心を整える時間です。

お経を唱えている間は、繰り返される音や言葉に意識を集中します。これによって、日常のストレスや心の乱れから一時的に解放され、内面に集中できるのです。

何かつらいことがあったり、心が落ち着かない時は、お経を唱えながら、内面に集中し心を穏やかにすることもおすすめです。

ご利益が得られる

お経は、唱える人だけでなく、 聞く人にとってもご利益が得られるといわれています

お経には、釈迦が説いた教えが込められています。この教えは、生きている人々を幸せに導くためのものです。

そのため、お経の意味が理解できなくても、釈迦の教えを聞くことで、善徳やご利益が得られます。

お経は唱える人だけでなく、聞く人も幸福に導いてくれるのです。

まとめ

お経についてや、お経を唱える意味などをまとめました。

お経は、釈迦が説かれた言葉を弟子たちが文字にしたものです。

お経を聞くだけで、精神が安定したり、ご利益が得られたりする効果があります。

これから法要などでお経を聞く際には、ぜひ心を落ち着けて集中して聞いてみてください。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。