自宅での葬儀「自宅葬」の流れについて解説
葬儀場やお寺を使わず、自宅で葬儀をすることを「自宅葬」といいます。特に都市部では住宅の狭小化や西洋化に伴い、自宅にたくさんの人が集う自宅葬は選択肢にすら入らなくなってしまっているのが現状です。
しかし、医療体制の充実により看取り場所を選べるようになってきたことで「自宅で看取る」という選択をとれる人が徐々に増えてきています。その流れから「自宅で看取り、自宅で葬儀を行う」という形が近い将来見直されてくるでしょう。今日は少しでも自宅葬に関心をお持ちの方へ向けて、自宅での通夜・葬儀の流れを解説します。
自宅葬とは?
自宅葬とは、故人が住んでいた住宅や、喪主の自宅で通夜や葬儀を行うことです。自宅の規模に見合った飾り付けをして、棺を中心に故人を見送ります。希望により、僧侶を呼んで仏式葬儀とすることも可能です。
自宅という限られた空間の中で行うため、近親者を中心とした葬儀に向いていますが、空間の広さによっては一般参列客を招待することもできます。一昔前までは、自宅で葬儀が行われる際は屋外行事でよく使われるようなテントを張り、そこへ椅子を並べて参列者の席をつくるといったことが広く行われていました。
今も「自宅で盛大に見送りたい」と要望を伝えれば、それを叶えてくれる葬儀社はありますが、自宅葬が珍しくなった今、自宅葬用の備品を揃えていない葬儀社もたくさんあるでしょう。「自宅葬を行いたい」と考えたら、葬儀社にしっかり相談の上、 どのくらいの人数なら自宅葬が可能なのかを確認 する必要があります。
自宅での看取りから通夜までの流れ
自宅葬の流れは、一般的な葬儀の流れと比べてシンプルです。ただ、自宅を葬儀会場とするために片付けや準備が必要になります。近親者のみの自宅葬を想定して、順番にご案内します。
自宅で看取った後はそのまま安置?
病院で看取りを行った場合、主な近親者に逝去を知らせた後、葬儀社に連絡を入れます。葬儀社から搬送車が迎えに来たら、 自宅や安置施設まで故人を送り届けて もらいます。
自宅葬の場合は自宅で安置するのがおすすめです。「家で安置なんてできるの?」と心配する方もいらっしゃいますが、故人を寝かせるお布団さえあれば問題ありません。
自宅では故人の布団を頭が北向きになるように整え(北枕)、故人を休ませます。その後、布団のそばに焼香の準備をします。経机か、低めのテーブルを故人の枕元か布団の脇に置き、その上にロウソク・線香・香炉を置きます。テーブルの脇には、花束を活けた花瓶を一対設置しましょう。
焼香の準備が整ったら、喪主から血縁の濃い順番に焼香します。この際、ご遺体の状態を保つためにドライアイスをあててもらいます。搬送を手伝ってくれたスタッフがあれこれと手伝ってくれるので心配は要りません。
自宅で看取りを行った場合も、葬儀社へ連絡をいれ、ドライアイスをあてに来てもらいます。先程のご説明同様、故人を北枕に整え、焼香の準備をして、喪主から順番に焼香します。自宅での看取りの場合、介護用ベッドがあればそこにそのまま安置することもできます。
自宅での葬儀・通夜の場合、葬儀社との打ち合わせは?
安置が一段落したら、葬儀スタッフと葬儀日程の打ち合わせを行います。深夜に看取った場合など、大切な人を亡くし心身共に疲れている時です。すぐに葬儀の話を進めてしまうのは正常な判断ができない場合があるためおすすめできません。残念なことに、弱みにつけ込んで適正ではない価格で売り込む悪質な葬儀業者もあります。
良心的な葬儀社であれば「今日はゆっくり休んでください。明日の午後に伺います」など 看取った日の夜にそのまま打ち合わせを強行することはしません 。「葬儀のことはすぐに決めなければいけない」と、夜中から打ち合わせを行おうとされた場合は「今日は疲れてしまったので、明日の午後に改めてお願いします」と伝えてしまって問題ありません。
また、 搬送を依頼したからといって葬儀をそのまま依頼する必要もありません 。「この葬儀社にまかせて大丈夫かしら...」と不安になった場合は、すぐに他の葬儀社に連絡をいれ「安置は他の葬儀社に依頼したのですが、どうもこの先を任せて大丈夫か不安で...」と相談すれば対応してくれます。
菩提寺があり、葬儀を仏式で執り行いたい場合、葬儀の打ち合わせのタイミングで自宅へ来てもらうようお願いしましょう。枕経(亡くなって初めてあげるお経のこと)を済ませ、打ち合わせに参加してもらいます。
自宅での葬儀なので、葬儀ホールの空き状況を懸念する必要はありません。火葬場の空き状況と、僧侶の都合を照らし合わせて日程を決定します。
葬儀の内容についてもこのタイミングで打ち合わせをして確定していきます。参列者は何人呼ぶのか、通夜は行うのか、祭壇は飾るのかなど、検討することはたくさんあるので葬儀スタッフと1つ1つ確認しながら決めましょう。「こんな葬儀がしたい!」と希望を伝えることを遠慮される方もいらっしゃいますが、葬儀スタッフとしてもご家族様のご希望を伺えた方がご提案しやすくなるので、希望があれば大まかでも構いませんので伝えるようにしましょう。
自宅での葬儀・通夜の場合、訃報はどう知らせる?
葬儀日程が定まったら、参列してほしい関係者に訃報を知らせます。 訃報は電話した後、文書を改めて送る のがマナーです。文書での知らせは、メールやSNSなど、普段やりとりをしている方法で構いません。
文書には、通夜、葬儀、火葬の日程と、通夜と葬儀は自宅で行われることをしっかり書きましょう。香典、供花、供物、弔電の類を辞退する場合は、その旨も書き入れます。
なかには「逝去を知らせなければならないけれど、葬儀の参列対象者ではない」という人もいるでしょう。そういった方々へは、故人が亡くなったことと、「葬儀は近親者のみで行います」と告げましょう。葬儀日程や場所を知らせる必要はありません。香典、供花、供物、弔電の類を辞退する場合も、忘れずに言い添えます。
ただし、 近隣の人たちには、参列をお断りする場合も通夜や葬儀、出棺の時間を丁寧に伝えましょう 。自宅葬では自宅の周囲が参列者や車で混雑する場合があります。出棺時には霊柩車が自宅前につけられますので近隣には事情を知らせておくのがマナーです。
自宅での葬儀・通夜のために必要な準備は?
自宅での葬儀・通夜の場合、葬儀をするための式場として整っていないため、通夜の日までに次のような準備が必要になることがあります。葬儀社とよく打ち合わせをしましょう。
受付の準備
香典を受け付ける場合は、玄関脇にテーブルを設置して黒いお盆を置き、香典と引き換えに香典返しを渡すなら香典返しをそばに並べて受付としましょう。テーブルやお盆がない場合は、葬儀社に貸し出し備品がないか相談します。
玄関の整理
玄関先に靴が溢れそうな場合は、葬儀社へ相談し、玄関先に置けるような下足棚やスノコがあれば借りましょう。もし借りられない場合は、家に空いている棚がないか探してみます。
駐車場の確保
自家用車で駆けつける人が多くなる場合、駐車場の確保が必要です。近隣へ逝去を知らせるときなどに、駐車場として使わせてもらえる場所がないか尋ねてみましょう。近くの空き地の所有者に連絡を取るのもおすすめです。駐車場から自宅まで離れている場合は、葬儀社に案内看板を設置してもらいます。
駐車場が十分にとれないときは、参列者らにタクシーや乗り合わせて来てもらえるよう相談しましょう。
自宅の駐車場では停めきらない場合の対応策や、ご近所に駐車場を借りた際のお礼の仕方などは以下の記事を参考にしてみてください。
祭壇・装飾の検討
大きな祭壇を置くことができなくても、葬儀は可能です。遺影や供物を置くためだけの小さな棚を祭壇としたり、祭壇自体を置かずに棺を参列者がぐるりと取り囲むような形で式場としたり。自宅葬ならではの装飾で、故人らしい葬儀が行えます。
自宅葬のここでは、祭壇を設けなくても美しく装飾できるように自宅葬に特化したお棺を取り扱っております。こちらの棺は基本プランで使用している棺のため追加費用はかかりません。
また、+5,000円(税別)で棺の蓋を立てることができるアタッチメントもご用意しております。これによって、遺影写真を立てたり好きだったお菓子を供えたりと、祭壇がなくても素敵な飾りをつくることができます。
↑使用例
椅子や座布団の準備
通夜や葬儀の参列者が座る場所を確保します。葬儀社から椅子や座布団、あるいは絨毯などを貸し出してもらいましょう。もっとも、こういった提案は葬儀社からもなされることでしょう。
僧侶の控室の準備
仏式葬儀の場合は、僧侶が着替えるための控え室が必要になります。なるべく式場となる部屋の近くに控え室を設けましょう。個室ではなく、仕切りを立てた空間でも十分です。
セキュリティとプライベートの確保
念のため、貴重品をまとめて金庫に入れるなどしてセキュリティ対策をとりましょう。そのうえで、遺族が着替えるための部屋は「遺族以外入室禁止」にするなど、プライベートも確保します。
自宅での通夜から葬儀の流れ
自宅での納棺で気をつけることは?
通夜が始まる2時間ほど前までに、納棺を済ませます。納棺とは、故人を布団から棺に移動させることです。その際、近親者らが故人の顔や手を拭き清めたり、白装束や生前好きだった衣装へ着替えさせたりするなど、最後の身支度が行われます。
通夜に参列してもらう人の中でも、とくに故人に近しい人が、納棺から参加します。通夜まで時間があまりない場合には喪服で納棺となりますが、着替えの時間が取れる場合は平服でご家族らしい時間にするのも1つです。
自宅で通夜を行う場合のお寺への挨拶は?
納棺が済んだら、遺族や着替えの終わっていない親族は、個室で喪服に着替えます。その後、通夜の準備をします。受付、玄関、駐車場などを整えるほか、人目についたら恥ずかしいと感じるものが部屋の中にないかチェックします。
仏式葬儀の場合は、僧侶が到着したら喪主が迎え、控室へ案内して「本日はよろしくお願いします」と挨拶します。お布施は僧侶が帰る直前に渡しましょう。式の前に渡すと、式中にお布施を預けておく場所がなく、僧侶が困ってしまいます。
無宗教葬の場合、通夜は省略されることも多いですが、行う場合は葬儀社と相談して進行内容を決めましょう。通夜振る舞いの席をもって「通夜」とすることもあります。
自宅での通夜振る舞いは何を用意する?
通夜の後、故人を偲びながら食事をするのが通夜振る舞いです。自宅葬での通夜振る舞いは、そのまま自宅で行われることが多いでしょう。すし桶やオードブルなどの仕出し料理を囲みます。
自宅で通夜振る舞いを行う場合、忘れがちなのがコップや皿などの食器類を揃えることです。葬儀社や仕出し料理店との打ち合わせで、食器一式を貸し出してもらえたり、紙皿や紙コップを注文できたりする場合もあります。
通夜振る舞いの後、簡単な片付けを行い、遺族はそのまま自宅で休みます。
自宅葬当日の流れ
身支度や自宅の準備
葬儀の日、遺族は身支度を済ませ、受付や玄関、駐車場などを整えます。仏式葬儀の場合は、通夜のときと同様に僧侶を迎え、挨拶をします。
無宗教葬の場合は、葬儀社と打ち合わせをしたとおりに式次第をすすめます。少人数の葬儀であれば棺を囲んで故人の思い出を一人ずつ語り合う、故人への手紙を読んで棺の上に置くなど、自宅葬ならではの心温まる演出が可能です。
ご自宅からのお見送り・出棺
葬儀が終了してから出棺までの間、棺のふたを開けて心ゆくまでお別れできます。「故人が気に入っていたあの品を棺に入れてあげたい」と急に思い立ったとしても、ホール葬では時間の都合からなかなか実現しませんが、自宅で行う自宅葬ならそれが叶います。ただ、火葬されるため、燃えにくいものはNGです。
火葬の時間が近づいたら、火葬場へ向けて出棺となります。喪主が棺とともに霊柩車へ乗り込み、他の人は自家用車やタクシーに乗り合わせ、火葬場へ向かいます。人数が多いときは、葬儀社に貸出バスを手配してもらいましょう。
自宅葬からの火葬・精進落とし
火葬場の炉前で短いお別れをした後、火入れとなります。その後は1時間程度、控え室などで過ごします。この時間を利用して、葬儀後の会食である精進落としを行う場合もあります。
火葬場の職員から案内があったら、骨上げを行います。骨上げとは、遺骨を長い箸で拾い上げ、骨壺に納める儀式です。骨上げが終わったら解散となります。精進落としが終わっていない場合は、会食会場へ向かいます。
自宅葬に参列してくださった方へのお礼
葬儀当日、あるいは翌日には、近隣の方々へお礼を伝えましょう。喪主が直接近隣の家へ伺い、葬儀が滞りなく終わったことを報告し、生前のお付き合いと自宅葬への協力にお礼を述べます。
とくに駐車場を貸してくれた方へは、菓子折や現金などのお礼をするのがマナーです。現金を渡す場合は、シンプルな白い封筒に「お礼 ○○家」と表書きし、5000円程度を包みましょう。
自宅葬を執り行う心構え
以上、自宅葬の流れについて解説しました。自宅葬の魅力は、遺族が心からくつろげる空間で故人をゆったり見送れることです。式場だとペット禁止のところも多いですが、故人の愛したペットも葬儀に同伴できるのは自宅葬の魅力です。
このように魅力あふれる自宅葬ですが「お金ではなく手をかける」形になることが多いと言えます。自宅は本来生活の場ですので、非日常である葬儀空間へ作り上げるための準備が大変になります。
自分の家で自宅葬を行う場合、祭壇や棺はどこに置くか、僧侶の控え室はどこになるか、駐車場はどうするかなど、事前に葬儀社と相談しながら自宅葬が可能かどうかを検討しましょう。準備を重ね、手をかけただけ納得のいご葬儀が実現できます。
「自宅葬のここ」とは
自宅葬を専門に行う葬儀ブランドです。「ここ」というブランド名には「此処(ここ)」で死にたいを叶え、「個々(ここ)」の願いと向き合い、「戸戸(ここ)」にあった空間をつくるという意味が込められています。
「自宅葬のここ」の4つの特徴
1.ペットも葬儀に同伴できる
ペットの連れ込みが許可されているの式場は少ないのが現状です。ご自宅であれば、ペットも安心して一緒にお見送りできます。
2.棺桶にお絵かき・ メッセージ。 小さなお子様の記憶にも残る
幼少期に参列した葬儀の記憶にはどんなものがありますか?自宅葬のここでは、棺桶にお絵描きやメッセージを書いてもらうことで小さなお子様の記憶にも残るご葬儀を提案します。故人の死をもって、命の尊さを学ぶという脈々と繰り返されてきた営みがしっかりと息づく場にします。
3.スタッフが離席。家族だけの時間を過ごせる
葬儀には気疲れがつきものです。自宅葬のここでは、”家族水いらずのひととき”を必ずお作りします。ご家族の心と時間の余裕を生み出せるのが自宅葬の特徴です。
4.喪服でも、平服でも。ご家族らしい空間をつくれる
式場の場合、他のご葬家が別フロアにいらっしゃったりと、気を遣う場面が多いですが自宅では型に囚われない、自由なお葬式ができます。同じ家はないからこそ、オーダーメイドのお葬式を作り上げます。
「自宅葬のここ」の葬儀料金
自宅葬のここの基本プランは下記の通りです。
他にも、仏式にする場合や装飾をつける場合、カスタマイズ費用が必要になります。
詳しくはこちらより資料請求をお願い致します。
「自宅葬のここ」の対応エリア
東京都:文京区, 台東区, 墨田区, 品川区, 目黒区, 大田区, 世田谷区, 渋谷区, 中野区, 杉並区, 豊島区, 北区, 荒川区, 板橋区, 足立区, 葛飾区, 江戸川区, 立川市, 武蔵野市, 三鷹市, 府中市, 昭島市, 調布市, 町田市, 小金井市, 小平市, 日野市, 東村山市, 国分寺市, 国立市, 福生市, 狛江市, 東大和市, 清瀬市, 東久留米市, 武蔵村山市, 多摩市, 稲城市, 羽村市, あきる野市, 西東京市, 瑞穂町
神奈川県:横浜市, 川崎市
埼玉県:所沢市, 八潮市, 三郷市
千葉県:松戸市, 柏市, 流山市
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