みんなでペットを偲びたい 葬想式ユーザーストーリー

みんなでペットを偲びたい 葬想式ユーザーストーリー

近所の方の愛犬ティブロンくんを預かっていた竹内尚さん。離れた地で亡くなったティブロンくんを偲びたいと葬想式を開きました。

今回の利用者さま

飼い主さんの出張時にティブロンくんを預かっていた竹内尚さん

大学生と中学生のお子さんの母親である竹内尚さん。家族全員が犬が好きで、今は柴犬とティーカッププードルを飼っています。

飼い主の本田美登里さん

女子サッカーの監督を務め、国内外で活躍されている本田美登里さん。仕事柄、出張が多く竹内さんはじめご近所の方に愛犬・ティブロンくんを預かってもらっていました。

虹の橋を渡った愛犬

ティブロンくん

ティブロンくん01

ティブロンくんのプロフィール

18歳7ヶ月で虹の橋を渡ったラブラドールのディブロンくん。飼い主である本田さんのお仕事の都合上、預け先のご家族にもたくさん愛されました。

ティブロンくんとの関係性

ティブロンくんとの出会い

ティブロンくんとはどのように出会いましたか

10年ほど前、近所に「ティブロン」という名前の黒いラブラドールを飼っている本田さんが引っ越してきました。以前、私もラブラドールを飼っていたこともあって、散歩のときに声をかけて親しくなったんです。

本田さんは、プロのサッカーの指導者なんです。なので遠征の都合上、愛犬をどこかに預けなきゃいけない。預け先を探していると聞いて「家も近いことだし、預かるよ」って言ったのがきっかけです。

そういう経緯でお預かりすることになったのですね。ティブロンくんを預かるようになってから、何年くらい経つのでしょうか

7年ですね。ティブロンくんの18歳と7ヶ月の生い立ちを振り返ると、生まれたのは岡山で、8年ぐらい過ごしたと思うんですよ。その後、長野で7年。静岡の磐田で2年ですね。本田さんは現在ウズベキスタンの女子サッカーの代表監督に就任したので、ティブロンくんをウズベキスタンに連れて行くことができず、岡山にいたときに預けていたお宅で晩年を過ごしたという感じなんですね。

ティブロンくんの訃報に接して

ティブロンくんの訃報に接したときはどんな気持ちでしたか

静岡に行った頃から車いすに乗ってるような状態でした。年齢も年齢なので、悲しみ以上によく頑張ったなという気持ちの方が強かったです。

葬想式の利用に至った経緯

友人からの紹介で葬想式を知る

ティブロンくんの葬想式を開式するに至ったのはどんな経緯があったのでしょうか

本田さんと私の共通の知り合いの安岡桜子さんという人がいて、「ティブロンくん、死んじゃったってよ」って連絡したら、LINEで「尚さん、こういう葬想式というのあるんだけど、やってあげたいと思うんだけどどう」って相談が来たのでやろうかなってそのとき思いました。

葬想式をご紹介いただいて、実際に開式しようと思ったきっかけは何でしたか

そうですね。近所の犬仲間の中では、ワンちゃんが亡くなったときはみんなで会いに行ってお花あげたり、ちょっとお話したりする場が持てたんですけど...

ティブロンくんの場合、岡山なのでみんなで行くわけにもいかないし、何かはしてあげたいなって思っていました。近所の犬仲間の間ではLINEのグループがあるですけど、ワンちゃんが死んじゃったときはそのLINEで写真を送り合ったりとかということを日常的にしていました。なので、葬想式もいいかなって、最初は割と軽く考えたわけですよ。

だけど、いざやるってなったときに、日取りを決めるとかで立ち止まって...

やっぱりウズベキスタンにいる飼い主の悲しみの度合いは見えないし、その時点で彼女から私にティブロンくんが死んだということは連絡がなかったから、すぐにはできないかなって思ったんですよね。

最期を看取った岡山の家族のことを思っても、彼女たちは火葬場に連れて行って、お骨が手元にあってちゃんとお別れしたけれども、そこで私がちょっと葬式やりたいと思うんだけどって気軽に言えない感じが正直あったので、どうしようかなって。
でも、許可を取らないことには開式できないのですごく考えましたね....。

ティブロンくん02

一歩を踏み出す飼い主をみんなで応援しよう

本田さんはじめティブロンくんに関わってきた方々に葬想式の開式の相談をされた際はどんなお話をされたんですか

まず、本田さんに、

「昨日はティブロンくんとの時間を思い出して1日を過ごしました。覚悟していても、なかなか辛い事と思います。18歳7ヶ月。頑張った。穏やかに旅立てたのなら良いなぁと思っています。」

というLINEを送りました。そしたら彼女から「飼い犬は自分が死んだ後の飼い主の事をすごく心配しているので、あんまり悲しみすぎないで前を向いて生活して欲しい」といった内容のネット記事のリンクが送られて来ました。そのLINEを見たときに、やっぱり何か彼女自身悲しみはあるけれども、前を向いていこうって思ってるんだって思えました。あっぱれな生き方をしたティブロンくんをみんなで思い返して、一歩を踏み出す本田さんをみんなで応援しようという気持ちで開式するのならありかなって思えたんですよ。

なので、本田さんにはそのタイミングでティブロンくんを思い返すために葬想式をやりたいと思うので、「もしよかったら覗きに来てください」というご案内をしました。そして岡山のご家族にも同様のご案内をして岡山のティブロンくんに関わりがあったコミュニティにご案内をお願いしました。葬想式でのコメントを見ていたら、おそらく静岡時代のご家族もコメントを残しているようでした。みなさんが葬想式の案内を回してくれたんだなと実感できました。

葬想式をつかってみて

飼い主も知らないティブロンくんの一面を共有する場に

ご参列いただいた方の反応はいかがでしたか

そうですね、参加してくれた人とかは、すごく良かったって言っていたし、3日間で消えちゃうのがいいよねという人もいました。あとは本田さんご本人が「私が知らない一面をみんなが見せてくれたことがすごい嬉しかった」と言ってました。

ティブロンくん03

ただ、私の主人なんかは「尚ちゃん悪いけど、これはやらないわ」って言うんですよね。今回の参列者も年齢的には、私より上の世代なので、拒否反応を示す人もいるだろうなって思っていました。拒否反応を示す人は、ネットの中でのやり取りがリアルに感じられず、命の重さを感じにくいのかなと思います。

だけど、もう本当に考えても答えは出ないし、究極のところ自分がやってあげたいかやりたくないかということだと思ったので「案内はするけど賛同しなければ入ってこなくてもいいよ」というスタンスでやろうと覚悟を決めました。

そのような覚悟を持って、開式することにしたんですね。実際に開式してみて竹内さんご自身はどんな思いだったのでしょうか

お葬式の場は亡くなった方からの最後のプレゼントだっていつも私は思っています。お葬式で長らく会えてなかった人と会えたりとか、みんなで思い出話をする時間というのがすごく貴重ですよね。今回の葬想式だって、それぞれのティブロンくんとの思い出を持ち寄ることで、思い返せるわけです。例えば私だったら、ティブロンくんを預かってた頃、一緒に写ってた私の子供たちは今は身長180cmを超える大人になってたりするわけですよね。子供の成長もそこで思い返せたりするから、本当によかったです。

ティブロンくん04

前に向かう一歩としての葬想式

3日間で消える仕組みについてはいかがでしたか

自分自身、末期のがんで父親を亡くしています。終わりがわかっていたはずなのに、父は何も残さずに亡くなったんですよね。何も残さなかったことで、遺された家族は割とスムーズに克服できて一歩を踏み出せる部分があると感じました。やっぱり3日で消えるというのは、寂しかったけど、本田さんにとってずっと動画写真が残るよりは良かったのかなと思いました。

竹内様や本田様にとって一歩踏み出すきっかけになれれば幸いです。質問は以上です。本日はありがとうございました。

飼い主である本田美登里様からのご感想

後日、飼い主である本田美登里様にコメントをいただきました。

18歳7ヶ月親子で良く頑張りました。私たちを応援していただいた皆さんと住むところはバラバラですが、同じ思いで一緒にティブロンくんを偲ぶ事が出来た事に感謝しています。ありがとうございました。

ティブロンくん05

編集後記

葬想式は、離れた場所に住んでいも面識がなくても参列者同士を故人や亡くなった愛犬への偲ぶ場を通してつなげることができます。竹内様のおかげで、亡くした悲しみや寂しさから前に踏み出すきっかけになることに改めて気づく機会をいただきました。ティブロンくんを見取り火葬場に連れて行くことができなかったティブロンくんを愛した多くの人に偲ぶ機会を提供することができ嬉しく思います。葬想式を通して飼い主である本田さんにとっても前に向かうきっかけとなれば幸いです。今回、初めて愛するペットでご利用いただきました。これからもご利用いただける可能性を感じることができました。このような機会をいただいた竹内様、本田様に改めて感謝申し上げます。
私たちは、一人ひとりに合った葬想式の活用方法をご提案させていただきます。ご不明点やご提案がありましたら、お気軽にお問合せください。

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前田 陽汰
前田 陽汰
株式会社むじょう 代表
2000年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部オーラルヒストリーゼミ所属。葬送習俗の変化に関する研究を行う。研究内容が評価され2021年度SFC STUDENT AWARDを受賞。2020年5月に株式会社むじょうを設立し、距離と時間を越えて故人を偲ぶオンライン追悼サービス「葬想式」、亡き母へ贈る父の日のメッセージ展示イベント「死んだ母の日展、棺桶に入り自身の生を見つめ直す体験イベント「棺桶写真館」などの企画・運営を行っている。