亡くなった母に贈る花は?白いカーネーションの意味について解説
毎年5月の第2日曜日は母の日。母の日には、日頃の感謝を込めて、どんな贈り物を届けようかと迷ってしまいそうです。今でこそさまざまな贈り物が店頭に並びますが、やはり母の日の定番はカーネーションといえます。
なかには、亡くなったお母様にも、母の日にはカーネーションをお供えしたいと考える人がいることでしょう。
数ある花の中から、どうして母の日にカーネーションを贈るようになったのか、不思議に思ったことはありませんか。そこには思いもよらないストーリーがありました。
そこで今回は母の日の由来と、カーネーションについて解説していきます。そのうえで、亡くなったお母様へ母の日に贈る花についてご案内します。
なぜ母の日はカーネーション?
アメリカの女性社会活動家のアン・ジャービスは、17年間のうち11子を授かったものの、戦争や病気でその多くを亡くし、4人しか生き残らず、大きな喪失感を抱きました。
このことをきっかけに、子どもたちの衛生環境を改善する活動を始め、アメリカの公衆衛生運動に加わりました。
アメリカの南北戦争中には「母の仕事の日」と称して、戦死した兵士を悼み、敵味方問わず負傷兵のケアを献身的に行い、平和のために活動しました。それから25年間、日曜学校の教師として活動しました。
アンが亡くなった2年後の1907年5月12日、アンの娘であるアンナ・ジャービスは、亡き母を讃え教会で追悼集会を開き、祭壇に母が好きだった白いカーネーションを飾り、会の参列者にも贈りました。
これが由来となり、白いカーネーションは「母の日」のシンボルとなりました。1914年にはアメリカで5月の第2日曜日が「母の日」と制定されました。
日本ではアメリカの「母の日」に倣い、明治末期頃に教会で初めて母の日のイベントが開かれました。「母の日」が本格的に日本中へ広まったのは、戦後のことであると伝えられています。
亡くなった母に贈る花は?
母の日に贈る花といえば、赤いカーネーションを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。もともとは白いカーネーションが「母の日」のシンボルでしたが、その後、「お母さんが健在の場合は赤いカーネーション」「お母さんを亡くした場合は白いカーネーション」を選ぶことが一般的になりました。
お母さんが亡くなって日が浅い場合であれば、厳かな雰囲気で、気持ちが慰められるような 白いお花 を贈るのがふさわしいです。定番はカーネーションですが、白いゆりやバラ、トルコキキョウなどのお花もいいでしょう。
想い出となったお母さんには、生前好きだった花や思い出の花、お母さんへの想いを表すお花など、好きな色の好きなお花を選ぶのもいいでしょう。きっと喜んでもらえると思います。
白いカーネーションの花言葉
花言葉にも歴史があります。
花に想いを乗せる風習が17世紀頃にトルコからヨーロッパへ、明治初期頃にヨーロッパから日本へ伝わったとされています。花言葉の起源は明確ではなく、国や地域によっても違いがあり、時代の流れとともに変化することもあるようです。
カーネーションにも色ごとに花言葉があります。
母の日に贈る定番、赤いカーネーションの花言葉は「母への愛」「母の愛」「純粋な愛」などです。カーネーションの色の中で、最も直接的な母親への想いを表す花言葉です。
母の日の始まりのシンボルとされる白いカーネーションの花言葉は 「私の愛情は生きている」や「尊敬」 です。亡くなった母親を偲ぶ定番の色です。
まとめ
今回は、母の日にカーネーションを贈る由来や花言葉についてご紹介しました。
母の日にまつわる歴史には、女性として、そして母親としての深い愛情はもちろんのこと、平和への強い思いが込められていたことには深い感慨を覚えます。
時代は変わっても、人々の母親に対する想いは変わらないこともわかりました。そして、目の前にいなくても私の愛情は生きている、そんな思いを白いカーネーションに託して贈れたら、とても素敵なことです。
亡き母へ、母の日のメッセージを贈る場のご案内
本メディアを運営する株式会社むじょうでは、お母様を亡くされた方の母の日の過ごし方のご提案として「死んだ母の日展」というオンライン展示イベントを毎年開催しております。
感謝を伝える方、恨みや怒りを綴る方、近況を知らせる方など使い方は人それぞれです。眺めるもよし、筆を執るもよし、母の日の過ごし方の一つとして、是非ご覧ください。