【喪主必見】四十九日法要当日の挨拶を、場面ごとに例文付きで解説

四十九日法要のとき、喪主はどのような挨拶を行うべきでしょうか。
慣れない場面で、いつ、どんな挨拶をすれば良いかわからないと感じますよね。
本記事では、当日の進行の流れや、挨拶をおこなうタイミングを整理しています。また、タイミングごとに、挨拶の例文をご紹介します。
不安な気持ちのまま参列者をお迎えしないように準備をし、円滑に法要を終えることができるよう、ぜひ最後までご覧ください。
四十九日法要の流れ
四十九日法要の一般的な流れは以下の通りです。
- 法要開始前の住職への挨拶
- 一同着席
- 開始の挨拶、僧侶入場
- 開眼供養
- 読経、焼香
- 法話、僧侶退場
- 納骨式・お墓参り
- 喪主による挨拶の後、会食
- 喪主の挨拶
- 引き出物を渡し、閉式
それぞれ詳しく解説していきます。
法要開始前の住職への挨拶
喪主は、早めに法要をおこなう会場(会館・お寺など)に行き、 住職(または読経する僧侶)に挨拶 をします。葬儀会館で法要をおこなう場合は、法要の担当者に僧侶控室まで案内してもらうとよいでしょう。
自宅でおこなう場合は、準備で慌ただしいですが、僧侶や参列者が早めに来ることを想定し、時間に余裕をもっておきましょう。
一同着席
参列するすべての人が席に着き、僧侶を待ちます。
席に座る位置ですが、 仏前に僧侶、喪主は僧侶の後ろ、次に血縁が深い順から前に 座ります。血縁の近い順に、喪主、両親、子ども、兄弟、叔父叔母……となります。ただし、家庭の事情におうじて、必ずしも血縁の順に座る必要はありませんので、参考にしてください。
葬儀会館など、祭壇にむかって中央の通路の両側に席がある場合は、祭壇に一番近い席(前列・通路側)が上座となります。祭壇にむかって右側が喪主、遺族、親戚などが座り、左側が友人、知人などが座ります。左右どちらも、故人との血縁関係が深い順に上座から座ります。
開始の挨拶、僧侶入場
僧侶の入場・着席に合わせて、喪主が法要のはじめの挨拶(次章で解説)をおこないます。開始の挨拶を、僧侶の入場後・着席後のどちらのタイミングでおこなうのかについては、どちらでもかまいません。
ただし、曖昧にしておくよりも、僧侶や法要の担当者と事前に打ち合わせをしておいた方がよいでしょう。
開眼供養
新しい仏壇を購入したのであれば、まず最初に 仏壇開き(開眼供養) を行う必要があります。僧侶が読経し、 白木の位牌から本位牌に、魂をうつす儀式 をおこないます。そのため、49日までに、仏壇と本位牌を準備しておきます。
読経、焼香
読経は20~30分くらいが多いです。
焼香は、僧侶や法要担当者の合図で始めます。順番は喪主からはじまり、その後は前に座っている人から後ろの席の人に向かって、順におこないます。
焼香の方法は、一般的に、前方に設置されている焼香台でおこなう場合と、着席したままで回して焼香する場合があります。
法話、僧侶退場
読経、焼香が終わると、僧侶から法話があります。法話の内容は、仏教の教えが普段の生活の中に溶け込んでいることを教示するようなお話が多いです。
その後、納骨式がある場合は、お墓に移動します。
納骨式・お墓参り
四十九日法要では 法要を終えた後に納骨式 を行うのが一般的です。ですから、お墓を新たに建立するのであれば、49日までにしておくことがベストとされています。納骨式のタイミングで、新たに建立したお墓の開眼供養をおこなう場合もあります。
ただし、さまざまな事情で間に合わなかった場合や、会場から遠く離れたところにお墓があるというような場合は、別の日に行うことになります。
お墓参りが終わり、お斎(とき、会食のこと)がない場合には、法要を締める挨拶をします。お斎がある場合には、会食への案内をします。
喪主による挨拶の後、会食
49日には法要だけでなく、僧侶や親せきを招いて会食を行うことが一般的です。会食のはじめに喪主が挨拶をおこない、その後、献杯の挨拶があって、食事になります。
喪主の挨拶
会食の開始から2時間くらいで頃合いを見計らって、喪主は締めの挨拶を行います。
引き出物を渡し、閉式
引き出物を渡して、四十九日法要は終了となります。
また、僧侶にお礼(お布施)を渡すタイミングについても、法要の進行によって異なるため注意が必要です。
もっとも正式な渡し方は、事前に寺に伺い、直接お布施を渡すやり方ですが、お寺と特別な関係でない限り、現在ではほとんど行われません。
一般的には、 四十九日法要が「始まる前」か、「終わった後」のタイミングのどちらかでお渡しします 。僧侶の到着時間などを見て、判断するとよいでしょう。
読経後に、納骨式や会食などがない場合は、僧侶が帰る前にお礼を渡す必要があります。会席へは僧侶もお招きしますが、同席を辞退された場合、僧侶は法話後にお帰りになられることが通常です。その場合は、 5千円~1万円ほどの「御膳料」をお車代料やお布施などと共に渡す ようにしましょう。
四十九日法要の挨拶のポイント
挨拶文を考えるうえで大事なポイントは 「長くなり過ぎない」「参列者への感謝を述べる」「故人に敬意をはらう」 ことです。
法要の挨拶では、決して上手いことを言う必要はありません。
もし、人前で話すことが苦手であれば、挨拶文を書いたメモを用意し、読み上げても失礼にあたりません。法要には、喪主が参列者によびかけて「参加してもらっている」ため、感謝の気持ちを忘れず、相手に敬意をはらい、丁寧な挨拶を心がけましょう。
四十九日法要の挨拶の注意点
忌み言葉を避ける
忌み言葉とは、不吉なことを連想させるため、使用を控えるべきとされている言葉のことです。
特に以下のような忌み言葉を使用しないように気をつけましょう。
・「浮かばれない」「迷う」など、故人があの世で迷うことを指す宗教上の言葉
・「ますます」「重ね重ね」「わざわざ」などの重ね言葉
・「死亡する」など、直接生死を連想させる言葉
故人の欠点や失敗談を話さない
故人の欠点や失敗談は、基本的に避けるようにしましょう。参列者に、「どんな顔で聞いたら良いかわからない」と戸惑いを与えたり、その場の空気が悪くなったりしてしまう可能性があります。
手短な挨拶を心がける
挨拶の時間に明確な決まりがあるわけではありませんが、簡潔に挨拶をした方が、会全体のまとまりはよくなるでしょう。どのような場面でも、手短な挨拶を心がけることが大切です。
乾杯ではなく献杯
「献杯」 は、故人に敬意を表して杯をささげるという意味__ があります。一方、「乾杯」 はおめでたい席で用いられる言葉であるため、四十九日法要では使用しません。
四十九日法要の各挨拶のタイミングと例文
四十九日法要では、進行に応じて喪主が挨拶を行います。
具体的には、以下のタイミングで挨拶を行います。
- 僧侶が到着した時
- 四十九日法要のはじめ
- 会食の案内
- 会食はじめ
- 献杯
- 会食の締め
- 僧侶が帰る前
ここからは、それぞれのタイミングでおこなう挨拶の詳細と、例文をご紹介します。
僧侶が到着した時の挨拶
読経をしてくれる僧侶には、 心からの感謝を簡潔に伝えることが重要 です。カンペなどを用意するような、長文の挨拶をする必要はありません。
(例文)
本日はお忙しいなか、ご足労賜りまして誠にありがとうございます。このたびの亡き○○の四十九日法要、なにとぞよろしくお願いいたします。
四十九日法要のはじめの挨拶
法要を自宅や葬儀会館でおこなう場合と、お寺などでおこなう場合では、喪主の挨拶のしかたは異なります。
お寺の場合は、住職が読経をはじめることで法要の開始となるため、喪主は挨拶をしません。
一方、自宅や葬儀会館では、喪主の挨拶からはじめ、その流れで住職に読経をお願いしましょう。
(例文)
皆さま、本日はお忙しい中にもかかわらずお集まりいただき(または「遠方よりご足労いただき」)、誠にありがとうございます。これより四十九日法要を開始いたします。それではご住職、お願いいたします。
ここでは 参列者への感謝、法要を開始する旨、住職への合図の3点 を忘れないようにしましょう。
会食がない場合の締めの挨拶
法要後の会食は、参列してくれたことをねぎらうために開催するものですが、遠方から来ている人が多い場合や、会場の都合がつかないといった理由で行われないこともあります。
会食がない場合は、これが最後の挨拶となります。参列者に感謝の気持ちを丁寧に伝えましょう。故人について触れたり、今後の付き合いのお願いをするのが一般的です。
(例文)
本来であれば、皆様と一緒に粗宴(そえん)を囲みながら故人を偲びたいところではございますが、遠方よりお越しの方も多いため、本日はこれにて終了とさせていただきます。
これからも、今までと変わらぬお付きあいをお願いいたします。
最後に、引き出物の持ち帰りについて案内するとよいでしょう。
会食の案内と挨拶
会食がある場合は、法要後にあらためて 「参列へのお礼」 と 「無事に法要を終えた旨」 を述べ、会食を用意していることを伝えます。
会食が納骨後になる場合、あるいは納骨をしないで別会場で会食となった場合は、移動手段について参列者と事前に連絡を取りあい、手配しておくとスムーズです。
(例文)
ささやかではございますが、お食事をご用意いたしましたので、お時間の許す限り、ごゆっくりとお過ごし頂ければと存じます。(タクシー〔移動手段〕を手配しておりますので、ご利用ください。)
事前に、会食に参加できない旨を伝えられている場合は、挨拶の後、個別に対応しましょう。
喪主が対応できないときもあるので、家族に引き出物の手渡しや簡単な挨拶をお願いしておくと確実です。
会食はじめの挨拶
法要に続いて会食がある場合は、これが中締めの挨拶となります。
会食の空間は、すこし緊張感があった読経の場から一転し、リラックスした場となります。食べ始めるまえに、 参加のお礼、これから会食を行うこと、ゆっくり過ごしてほしいなどの内容 を話すとよいでしょう。
普段、顔をあわせない遠縁の親戚が同席する場合もあり、多少の緊張を感じることがあります。挨拶に 「故人との思い出話を聞かせてほしい」旨をいれる ことで、聞く側は故人とのつながりによって参列者どうしが集っていることに思い至り、場がなごむかもしれません。
(例文)
本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございました。おかげさまで、○○の四十九日法要を無事に終えることができました。
心ばかりではございますが、○○の思い出話を交えつつ、お食事を召し上がっていただければと思います。お時間の許す限り、ごゆっくりお過ごしください。
また、食事に入るまえの挨拶では、故人のことに触れるのもよいでしょう。故人に習慣や座右の銘があった場合は、その習慣や言葉を残された家族がどのように受けとめているか、などを織りまぜるのもよいですね。
献杯の挨拶
献杯の挨拶は、喪主が行うのも良いですが、親族や友人に頼むのも良いです。その場合は、当日いきなりお願いするのではなく、事前に依頼しておきましょう。
(喪主が献杯の挨拶をする際の例文)
それでは皆様、お手元のグラスをお取りになり、ご起立ください。
ご唱和をお願いいたします。
故人の安寧と皆さまのご多幸をお祈りしまして、献杯。
会食の締めの挨拶
会食の時間は、参列者の食事の進み具合を確認しながら、1〜2時間程度で終了とします。最適なタイミングを見はからって挨拶をしましょう。
参列者に 感謝の気持ち を丁寧に伝えたり、 今後の付きあいをお願いする のが一般的です。
また、最後に引き出物の案内をしましょう。
(例文)
本日は最後までお付き合いいただき、心よりお礼申し上げます。
皆さまにお集まりいただいて、和やかな時間を過ごすことができ、故人も喜んでいることと思います。故人の話を伺うことができ、名残は尽きませんが、本日はこれにて終了とさせていただきます。今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
またささやかではございますが、お手元にお礼の品をご用意いたしました。お荷物になり恐縮ですが、よろしければお持ち帰りくださいませ。
本日は、誠にありがとうございました。
僧侶が帰る前の挨拶
僧侶が帰るときも、簡潔にお礼を伝えましょう。自然な流れで話が弾むときは、この限りではありません。
法要の開始前にお布施を渡してない場合は、このタイミングで渡します。
(例文)
本日は、亡き○○の四十九日法要を営んでいただきまして、誠にありがとうございました。些少ながら、お礼でございます。どうぞお納めください。
これからもお世話になるかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。
まとめ
ここまで、法要全体の流れと挨拶をおこなうタイミング、そして挨拶の例文をみてきました。この記事を読んでいただいたことで、多少、当日の雰囲気をイメージできたのではないでしょうか。
あらかじめ法要の流れをシミュレーションし、挨拶の言葉を考えておくことで、当日はスムーズに乗りきれるでしょう。1人で考えるのが難しい場合は、ご家族と一緒に進行をつくっていくのがよいですね。会食の手配や参列者への連絡など、やることが多いので、家族内で役割分担を決めておくことをおすすめします。
当日は、お坊さんに挨拶することもあり、慣れない場面が多い一日となりますが、誰に対するどんな挨拶でも、感謝の気持ちが伝われば問題ありません。
挨拶のタイミングが複数あるので、それぞれを手短に話すことでスマートな印象になります。あらかじめ考えた挨拶を誰かに聞いてもらうなどして、お互いに四十九日法要に向けての気持ちを高め、参列者を迎える準備を整えましょう。
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