ご遺骨の保管場所・状態別の散骨までの流れや注意点について解説

ご遺骨の保管場所・状態別の散骨までの流れや注意点について解説

「散骨にはルールがある?」「自分で散骨できるものなの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。散骨は、ルールを守れば自分で行うことができます。粉骨してパウダー状にする、散骨に適した場所を選ぶ、規制遵守などのルールを守るのが大事です。散骨のルールや手続きについて解説するため、自分で行う散骨について知りたい方はぜひ最後までお読みください。


散骨を行う際の基本的なルール5つ

散骨は、散骨事業者に依頼するのが一般的ですが、ルールを守れれば自力で行うことができます。散骨を行う際の基本的なルールは、以下の5つです。

  • 遺骨は粉骨(パウダー状に加工)する
  • 適切な場所を選ぶ
  • 地域(自治体)ごとの条例や規制を遵守する
  • 周囲の人々に配慮する
  • 自然環境を尊重する

それぞれのルールについて以下に詳しく解説します。ただ、解説をお読みいただければ分かるとおり、散骨のルールを守るのは、それほど簡単なことではありません。「私にはできない」と思うようなら、散骨事業者に依頼することを検討しましょう。

遺骨は粉骨(パウダー状に加工)する

遺骨を、それと視認できない程度まで粉骨します。できれば パウダー状になるまで加工するのが良い とされています。

遺骨をそのまま散骨してしまうと、散骨したあとの遺骨を見かけた人が驚いてしまう可能性があります。事件性が疑われ、騒ぎになるかもしれません。また、散骨ではなく単に遺骨の遺棄であるとみなされてしまう恐れも否めません。

遺骨をパウダー状に粉骨するのは、見た目の問題はもとより、間違いなく心を込めた弔いの形として散骨していることを示すためなのです。

適切な場所を選ぶ

散骨に適しているのは、 他人に迷惑をかけない場所 です。自分の所有地であり、かつあまり人目につかない場所があれば理想的です。例えば、大きな山林や里山を所有しているなら、安心して散骨できるでしょう。

ただ、山一つを所有している人はそれほど多くありません。散骨場所としては、多くの人が海を選びます。漁場の近くや海水浴場など人に迷惑がかかりそうな場所を避け、船で沖合まで出て散骨するのが一般的です。

他人の所有地に許可なく散骨するのはもちろん、自宅の庭や河川に散骨するのも避けた方がいいでしょう。人目につくところは散骨に適していません。

地域(自治体)毎の条例や規制を遵守する

散骨が規制されている自治体があります。 散骨禁止条例が敷かれている自治体では、散骨ができません 。自治体ごとの条例をよく確認し、遵守しましょう。

周囲の人々に配慮する

世の中、散骨に賛成する人ばかりではありません。多くの人の目に触れる場所で散骨すると、誰かが気分を害する恐れがあります。散骨を後ろめたく思う必要はありませんが、 周囲の人のために、人目のない場所で行いましょう 。また、喪服を着て船に乗るなどといった目立つ行為もやめましょう。

散骨場所を決めたら、誰かの迷惑にならないかを改めて確認するのが大事です。たとえ人目がなくても、水源地や農場の近くで散骨し、かつそのことを知人などに伝えてしまうと、風評被害に繋がる恐れもあります。

自然環境を尊重する

散骨をした後は、その場に花などを手向けるのが一般的 です。しかし、弔いのためのお供え物が、環境に負担をかけてしまう場合があります。花を包んでいたビニール包みは外しましょう。また、海上に花を手向ける場合、可能であれば花弁だけを散らすのがおすすめです。

なお、ビールやジュースなどの飲み物を供えるときには、海や土に注ぐのは控えましょう。缶や瓶のまま捧げ、そのまま持ち帰るのが理想です。お菓子などの食べ物も同様に、包み紙のまま捧げ、そのあとは持ち帰りましょう。

火葬してすぐに散骨する場合

火葬してすぐに散骨する場合は、骨壺の中の遺骨を全て取り出した後、粉骨してパウダー状にし、散骨場所へ持参します。

自分で粉骨する場合は、遺骨が飛ばないようにビニール袋などへ入れた上で、まずはトンカチを使って大まかに砕き、その後乳鉢などを使ってパウダー状に仕上げます。ミキサーを使う人もいます。自分で粉骨する方法は、こちらの記事をご覧ください。

自分で粉骨する場合は、遺骨が飛ばないようにビニール袋などへ入れた上で、まずはトンカチを使って大まかに砕き、その後乳鉢などを使ってパウダー状に仕上げます。ミキサーを使う人もいます。自分で粉骨する方法は、以下の記事をご覧ください。

粉骨が終わったら、手に入るのであれば水溶性の紙に包んで散骨するのがおすすめです。パウダー状の遺骨をそのまま散骨すると、風向きによっては遺骨を頭からかぶってしまう恐れがあるためです。

ミキサー

骨壷に遺骨を入れたまま自宅で保管していた場合

骨壺に遺骨を入れたまま自宅で保管していた場合は、まず骨壺の蓋を開け、 中の遺骨を確認してみましょう 。保管状態によっては、湿気によりカビが付着しているかもしれません。そのまま粉骨すると、カビが舞ってしまう恐れがあります。

カビが付着している部分は、ブラシ等で洗うのがおすすめです。その後、新聞紙などに広げて数日そのままにし、乾かしてから粉骨しましょう。

もしも自分で遺骨を洗うのがためらわれる場合は、遺骨の洗浄を行っている事業者に依頼するという方法もあります。遺骨の洗浄サービスを行っている事業者には、粉骨まで含めて依頼できることがほとんどです。検討してみましょう。

当社でも、代理店と連携し遺骨の洗浄・粉骨・散骨サービスを行っております。

こちらのサイトよりサービス内容をご確認いただけますので是非チェックしてみてください。

お墓から遺骨を取り出して散骨する場合

お墓に眠っている遺骨を取り出すには、改葬許可申請が必要になります 。改葬許可申請とは、遺骨を今のお墓から別の場所に移すための許可を、自治体に申請することです。

ただし、他の霊園に遺骨を移動させるのではなく、散骨をする場合には許可の必要がないとしている自治体もあるため、担当窓口に確認しましょう。

また、改葬許可申請の必要はなくても、墓地に立ち入って遺骨を取り出す場合には、霊園管理者の許可が必要になります。

骨壷に水が溜まりご遺骨が湿っている時の対応

お墓から骨壺を取り出し、蓋を開けてみると、水が溜まっているかもしれません。お墓の中は湿気が多いため、また遺骨を納めるカロート内に雨水が入ってくるなどの理由で、水が溜まってしまうのです。

そんなときは、 少し蓋をずらして水を切りましょう。その後、新聞紙などに広げてみます 。泥やカビが付着して汚れがひどい場合には、遺骨を洗浄するのがおすすめです。遺骨を洗浄した後、乾かしてから粉骨した上で散骨しましょう。

こういった場合も、骨壷ごと郵送することで、洗浄・乾燥・粉骨、そして骨壷の処分まで担ってくれるサービスがありますのでご検討ください。
弊社でもサービス提供を行なっております。

まとめ

以上、散骨のルールや流れ、注意点を解説しました。散骨までの流れは、遺骨の保管場所や状態によって違います。火葬してすぐの遺骨はそのまま粉骨できますが、保管期間が長くなり、また保存状態が悪いほど、骨壺の中に湿気が溜まって遺骨の状態が悪くなります。

遺骨の状態によって、洗浄してから粉骨するなどの対応を取りましょう。難しいようなら、事業者に依頼するのがおすすめです。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。