散骨を自分で行うための手順や注意点

散骨を自分で行うための手順や注意点

将来は自分や身内の遺骨を散骨したいと考えているなら、「散骨は自分でできる?」「どうやってすればいい?」といった疑問があるかと存じます。散骨は事業者を通さず自分で行うことができますが、いくつか注意点があります。この記事では、散骨を自分で行う際の注意点や方法、手順について解説しました。マナーを守らないとトラブルを呼び込む可能性があるため、きちんとした方法で散骨したいと願う方は、ぜひ最後までお読みください。


散骨は自分でもできる!

散骨は、 散骨事業者を介さずに、自分で行うことができます 。「事業者でなければ散骨を行ってはいけない」と明言された法律はないためです。

また、「散骨は決められた場所で行わなければならない」と明言された法律もありません。地域条例に反していなければ、また、他人の権利を侵害したり迷惑をかけたりする場所でなければ、散骨は禁止されていないのです。

ただ、行う人間や散骨場所に制限がないぶん、マナーに沿って行わなければ、トラブルになってしまうことがあります。以下の注意点や流れを参考にしつつ、慎重に行いましょう。

散骨を自分で行う際の注意点

散骨を自分で行う際の注意点は、以下の4つです。

  • 散骨したい地域の条例を確認する
  • 適切な散骨場所を探す
  • 周囲や環境への配慮を忘れない
  • 遺骨は必ず粉骨しなければならない

順に説明します。

散骨したい地域の条例を確認する

散骨規制条例が敷かれている地域があります。まずは、 散骨したい地域の条例を調べましょう 。散骨が規制されているのは、例えば以下の自治体です。

  • 北海道長沼町
    2005年に「長沼町さわやか環境作り条例」ができ、墓地以外の場所で散骨することが禁止されました。

  • 長野県諏訪市
    2006年に「諏訪市墓地等の経営の許可等に関する条例」ができ、散骨場の経営が許可制となりました。

  • 北海道岩見沢市
    2007年に「岩見沢市における散骨の適正化に関する条例」ができ、散骨場の経営が許可制になりました。また、散骨場外では散骨が原則禁止となりました。

他にも新しく散骨を規制している自治体が発生しています。条例を調べきれず不安な場合は、自治体に相談してみましょう。

適切な散骨場所を探す

散骨したい場所が、条例で散骨が規制されていない場所だと分かったら、 適切な散骨場所を探します

他人の権利を侵害しない場所、迷惑をかけない場所という観点で考えると、陸上での散骨はなかなか難しく、多くの人が海での散骨を選びます。もちろん広大な山林一つを所有している人であれば陸上での散骨も難しくありませんが、少数派でしょう。

海への散骨がイメージできず、どうしても陸上で行いたいと感じる場合は、陸上での散骨を請け負っている散骨事業者に任せた方が安心です。陸上で散骨が可能な事業者は、権利面やマナーをクリアした散骨場を保有しているためです。

周囲や環境への配慮を忘れない

海への散骨を選んだ人は、散骨する際に船舶などで海上へ出て、 人目のないところで散骨を行う必要があります 。もし海水浴場で散骨すれば、周囲とトラブルになってしまう危険性があります。漁場の近くで散骨すると、漁業組合からクレームが発生するかもしれません。

自分の土地で散骨をするときは、山林の奥深くで行いましょう。遺灰が風に乗り、自分の土地ではない場所へ漂っていった場合、事情を知らない人に驚かれてしまうためです。

また、海でも陸上でも、環境に配慮しなければなりません。供養のために捧げる花束は、ビニールの包装をはがします。お供え物も最小限にして、自然を汚さないようにしましょう。

遺骨は必ず粉骨しなければならない

厚生労働省が散骨事業者向けに出しているガイドラインには、次のようにあります。

”焼骨は、その形状を視認できないよう粉状に砕くこと。”
散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け) 1 目的

自分で散骨を行う場合も、粉骨が必要です。遺骨をそのまま撒いてしまうと、事情を知らない人から「遺棄ではないか」「まだ見つかっていない遺体なのでは」などと驚かれてしまう可能性があります。また、遺骨を弔う方法として散骨を選んだことを示すためにも、 粉骨という一手間は必要 です。

散骨を自分で行う方法と手順

散骨を自分で行うときは、以下の手順で進めましょう。

  1. 散骨する場所を決める
  2. 遺骨をパウダー状に粉骨する
  3. 散骨場所へ行く
  4. 散骨を実施する

順に方法を説明します。

1.散骨する場所を決める

まずは散骨場所を選定します。 条例で散骨が規制されていない自治体内で、他人の権利を侵害せず、迷惑にならない場所かどうかを検討しながら決定しましょう

海で散骨を行う場合は、船舶などで海上に出る必要があります。船舶と操縦免許を持っている人は、完全に自力での散骨が可能です。

しかし多くの人は船舶や、船舶を操縦するための免許を所有していないでしょうから、船を貸し切り運航できるか調べましょう。後のトラブル防止のため、予約の際に散骨を行う予定であることを伝えるのが重要です。もし次々と断られてしまうようなら、自力での散骨は諦め、散骨事業者を頼った方が良いかもしれません。

陸上で散骨を行う場合は、必ず自分の所有地内で散骨が完結できるようにします。遺灰が風に乗って他人の家の洗濯物に付着しないか、水源に流れてしまわないかなど、あらゆる可能性を想像してトラブルを避けましょう。

2.遺骨をパウダー状に粉骨する

遺骨をパウダー状になるまで粉砕します 。自分で粉骨する方法と、事業者へ依頼する方法とがあります。

自分で粉骨する

骨壺から遺骨を取り出し、可能であれば新聞紙などに広げて数日そのままにしておきます。遺骨を乾燥させることで、粉砕しやすくなります 。すでに遺灰になっている部分は、そのまま骨壺に納めておきます。

ビニール袋に遺骨を入れ、遺灰が飛ばないようにしたうえで、まずはトンカチなどでそっとたたき、大まかに砕いていきます。その後、ビニール袋から乳鉢などへ少しずつ遺骨を移し、パウダー状になるまですりつぶします。

手作業に抵抗のある人は、ミキサーなどを使っても良いでしょう。

最後は遺灰をもとどおりに骨壺へ納めるか、可能であれば水溶性の紙袋に包んでおきます。遺灰が舞う作業のため、マスクをするのがおすすめです。

ミキサー

事業者へ依頼する

自分で遺骨を粉砕するのに抵抗がある人は、事業者へ依頼する方法もあります。 多くの散骨事業者で、粉骨だけのサービスを数万円で行っています

ほとんどの場合、粉骨だけを依頼するよりも、散骨を依頼した上で粉骨を依頼した方が、結果的に割安となります。散骨を自分で行うかどうか迷っている人は、費用に注目し、検討しましょう。

3.散骨場所へ行く

水溶性の紙に包んだ遺灰、供養のためのお花、埋葬許可証を持ち、散骨場所へ向かいます。 埋葬許可証は、散骨対象の遺骨が間違いなく法に則って死亡届が出され、正しく火葬された遺体のものであると証明する書類です。万一のためにも携行するといいでしょう

周辺に配慮するため、喪服は着ないほうがよいとされています。動きやすい格好を選びましょう。船に乗る場合は足元が危険なので、スニーカーなどがおすすめです。

海への散骨はとくに、天気によっては散骨を延期しなければならないかもしれません。船を出す事業者の判断に従いましょう。

4.散骨を実施する

海で散骨をする場合は、 人目のない場所まで船で進み、水溶性の紙ごと遺灰をそっと海へ下ろします 。その後合掌し、供養のための花を海へ入れるなどして弔います。海へ花を手向ける場合、できれば茎ごとではなく花弁だけ、もしくは花びらだけを投げ入れた方が環境負荷が少なく、おすすめです。

陸で散骨する場合、土に遺灰を埋めると法律違反になってしまいます。お墓として許可を得ていない場所に遺骨を埋めることは、禁止されているためです。あくまで遺灰を「埋める」のではなく「撒く」のが原則です。

海外で散骨する場合は、英文の証明書を用意

海外で散骨したい人は、必ず対象の国や州の法律を確認します 。不安であれば、海外での散骨を請け負っている散骨事業者に依頼した方が安心です。ただ、その国に住んだことがある、その国で散骨した人を実際に知っているなど、事情などに精通している人であればその限りではないでしょう。

海外で散骨する場合に携行したいのが、埋葬証明書と、持参する荷物が確実に遺灰であることを証明する英文の証明書です。なにせ遺灰は白い粉ですから、不審物扱いされないよう工夫する必要があります。

遺灰であることを証明する英文の証明書は、公的な文書ではありません。粉骨を依頼した事業者に、発行してもらう必要があります。よって海外で散骨したい人は、粉骨を自分で行うのではなく、英文の粉骨証明書を発行してくれる事業者に依頼しましょう。

まとめ

以上のように、散骨を自分で行う場合はさまざまなことに配慮する必要があります。また、粉骨をしなければならないため、人によっては事業者に依頼した方が負担が少ないと考えるかもしれません。散骨を自分で行う利点と不安に思うこと、また予算感などを考えて、自分で行うのか、事業者に依頼するのかを総合的に判断するのが大事です。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。