納骨式とは何か？意味から当日の流れ・準備まで分かりやすく解説
「そろそろ納骨式の日程を決めたほうがいい」
このように言われても、具体的に何をすればいいのかわからず不安になりますよね。
この記事では、納骨式の意味から準備、当日の流れ、必要な費用まで分かりやすく解説します。これを読めば、大切な方を送る納骨式をスムーズに進められるよう、必要な知識がしっかりと身につきます。
まだ気持ちの整理がついていない方にも寄り添った内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
納骨式の基本的な意味と目的
納骨式とは、故人の遺骨をお墓や納骨堂に納める儀式で、「納骨法要」とも呼ばれます。
葬儀・火葬の後、一時的に自宅などで保管されていた遺骨を、最終的な安息の場所に納めるための大切な儀式です。
この儀式には二つの重要な意味があります。
- 故人の魂が成仏し、安らかに眠れるようにすること
-大切な人との別れを受け入れ、新たな供養の形へと移行する区切り
大切な人を亡くしたばかりの方にとっては、まだ気持ちの整理がつかないかもしれませんが、この儀式を通して少しずつ前に進む助けになることもあります。
納骨式はいつまでに行う？
納骨式を行う時期に厳密な決まりはありません。故人との関係や遺族の気持ち、お墓の準備状況などに応じて、適切なタイミングで行うことができます。
ただし、一般的には以下のようなタイミングで行われることが多いです。
四十九日法要のとき
一般的なのは、四十九日法要と同じ日に行うことです。仏教では四十九日を過ぎると故人の魂が浄土に旅立つとされており、「忌明け」としてひとつの区切りとなります。
百箇日法要のとき
四十九日に間に合わない場合は、百箇日（故人が亡くなってから100日目）に納骨することも多いです。「卒哭忌（そっこくき）」とも呼ばれ、「悲しみに区切りをつける日」という意味があります。
一周忌や初盆のとき
新しくお墓を建てる場合など、準備に時間がかかるときは、一周忌や初盆に納骨式を行うこともあります。
故人の魂を安らかに眠らせるためにも、ご遺族の心の準備が整ったタイミングで納骨式を行うことをおすすめします。
納骨式の準備
納骨式をスムーズに執り行うためには、事前の準備が欠かせません。主な準備事項を詳しく見ていきましょう。
お墓・納骨堂の準備
まず、故人を納める場所の準備が必要です。既存のお墓がある場合は比較的シンプルですが、新しくお墓を建てる場合は、以下の手順で準備を進めます。
墓地や霊園の選定：公営・民営・寺院墓地など、様々な選択肢があります。
墓石の選定と発注：石材や形状、デザインを決めます。
建墓工事：墓石の設置には通常2〜3ヶ月程度かかります。
納骨堂を利用する場合は、希望する納骨堂に空きがあるか確認し、申し込み手続きを行います。
納骨式の日程調整については、必ず事前に寺院や霊園に相談してから決めましょう。他の納骨式や法要の予定が入っていることがあり、また僧侶のスケジュールも確認する必要があります。とくにお盆やお彼岸に近い時期は僧侶のスケジュール調整が難しいため、要注意です。
日程が決まってから、参列者への案内や会食場所の予約など、他の準備を進めていくとスムーズです。
参列者への連絡と案内
納骨式には家族や親族が参列するのが一般的です。特に決まりはないので、故人と親しかった友人や知人を招くこともできます。
参列者への連絡は、電話や案内状で行います。案内状には日時、場所、集合時間、会食の有無を明記し、返信用はがきを同封すると良いでしょう。
参列人数を事前に把握できれば、会食の手配もスムーズに進められます。
当日必要な持ち物
納骨当日には、埋葬許可証と墓地使用許可証を忘れずに持参してください。
埋葬許可証は、死亡届を提出した際に「火葬・埋葬許可証」として発行されるものです。火葬を行う際、火葬場に提出します。火葬が終わると埋葬許可証だけが返却されます。
また、霊園側から発行される墓地使用許可証も必要です。
両方の書類がないと納骨ができない場合がありますので、一緒に大切に保管しておきましょう。
その他にお供えの花や果物、お菓子（特に故人の好物があれば）、ろうそく、線香なども用意します。宗派によっては卒塔婆が必要な場合もあります。
会食を予定している場合は、香典返しも忘れずに準備しておきましょう。当日は慌てることのないよう、前日までにすべての準備を終えておくことをおすすめします。
納骨式の流れ
納骨式当日の一般的な流れは以下の通りです。参列者の人数によって異なりますが、納骨式全体は30分程度で終了します。
お墓の清め
まず、墓石やその周辺を清めます。多くの場合、納骨式の前に墓地へ到着し、お墓の掃除をします。
墓石を拭いたり、周囲の雑草を取り除いたりして、きれいな状態にします。
掃除が終わったら、お墓の前に焼香台を設置し、お供え物やお供え花を丁寧に並べていきます。線香立てやろうそく立ても配置して、儀式の準備を整えます。
施主挨拶
納骨式の始めに、施主から短い挨拶をします。
「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。皆様のおかげで○○も安らかに眠れると思います。この後、○○にて食事の席も用意しておりますので、ぜひご参加ください」と、感謝の気持ちと会食の案内を簡潔に伝えましょう。
読経
僧侶による読経が行われます。読経は故人の魂を鎮め、成仏を願う大切な儀式です。
僧侶は菩提寺から招きますが、菩提寺がない場合は、葬儀社などを通じて手配することもできます。
納骨
読経が終わると、いよいよ納骨を行います。
一般的には墓石の下にある納骨室（カロート）に遺骨を納めます。カロートの開閉は石材店の人が行ってくれるのが一般的です。
地域により、骨壷ごと納める場合と、遺骨を取り出して納める場合があります。
読経・焼香
納骨後、僧侶による2回目の読経が行われます。これは「納骨経」とも呼ばれ、故人の供養を目的とした大切な儀式です。
読経の途中または後半で、僧侶の指示に従って参列者による焼香が始まります。焼香の順番は、施主（喪主）から始まり、次に近親者、親族、そして友人・知人の順で行うのが一般的です。
閉式の挨拶
読経・焼香が終わったら、施主（喪主）から参列者へお礼の挨拶を行います。
簡潔に以下の内容を伝えると良いでしょう。
- 参列へのお礼
- 故人への思い
- 今後の供養について
- 会食がある場合はその案内
解散または会食
納骨式が終わったら、そのまま解散するか、用意した会場で会食を行います。
会食は必須ではありませんが、遠方から来てくれた方々への配慮として、また参列者同士が故人を偲びながら語り合う場として設けることが多いです。
納骨式のお布施と費用
納骨式の費用は、地域や宗派、寺院によって若干の違いがあります。
具体的な料金については事前に確認しておくことをおすすめします。
ここでご紹介するのは、一般的に必要な費用の目安です。
お布施：3〜5万円程度が相場
お車代・御膳料：5,000〜10,000円程度
石材店作業費：カロート開閉、墓誌彫刻などで7万円程度
お供え物：花や果物、菓子などで5,000〜10,000円程度
卒塔婆代：3,000〜10,000円程度（宗派による）
会食費：一人あたり5,000〜10,000円程度（行う場合）
費用の総額は、お墓が既にある場合で10〜30万円程度、新しくお墓を建てる場合は別途お墓の費用がかかります。
なお、新しいお墓の場合は納骨前に｢開眼供養｣を行います。開眼供養とは、お墓をただの石からお参りの対象にするための儀式です。この開眼供養のお布施の相場は、3万円程度です。納骨式のお布施とは別に用意します。
開眼供養は、納骨式の日にまとめて行うのではなく、前もって行うことも可能です。
まとめ
この記事では、納骨式の意味や目的から、適切な時期、必要な準備、当日の流れ、かかる費用までを解説しました。
時期に厳密な決まりはなく、心の準備が整ったタイミングで執り行うことができます。準備の際は埋葬許可証や墓地使用許可証の確認を忘れず、費用は事前に確認しておきましょう。
大切な方を送る納骨式が心温まるものとなりますよう、この記事を参考に一つひとつ丁寧に準備を進めてください。
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