
水子の手元供養について|大切な想いに寄り添う供養の形
水子の手元供養を考え始めた際、「どのような準備をすれば良いのだろうか?」「いつまで続ければ良いのだろうか?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
水子の手元供養をするには、供養の場所や方法を考えることや、周囲との関係を整理することが必要となります。
本記事では、水子の手元供養をする際に必要な準備についての解説や、水子の手元供養に関するよくある質問に対する回答を行っています。
さらに、寺院での水子供養と自宅での手元供養の違いについても解説していますので、水子の手元供養について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
寺院での水子供養と自宅での手元供養の違い
水子供養とは、流産や死産など、さまざまな事情により残念ながら亡くなった子どもの冥福を祈る供養のこと です。
これは亡くなった子どものためだけでなく、深い悲しみの中にいる母親や父親の心に一区切りをつける意味合いもあります。
水子供養には、寺院で供養する方法 と 自宅で手元供養する方法 があります。それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、ご自身の状況や気持ちに合った供養の形を選ぶことが大切です。
ここでは、両者の違いについて詳しく解説します。
寺院での水子供養の安心感と手続きの負担
お寺での水子供養には、卒塔婆供養 や 戒名授与 などの方法があります。
卒塔婆供養では、水子のために卒塔婆を作成し、僧侶の読経によって供養を行います。また、戒名授与では、水子に戒名を授け、位牌を作成して供養することが可能です。
水子供養を行うお寺の多くは、利用者の事情や心情に寄り添い、個別対応や秘密厳守を徹底しているため、安心して相談できます。
ただし、供養には事前の申し込みが必要な場合が多く、時間の確保や手続きに負担を感じることもあるでしょう。

自宅での手元供養の自由さとプライバシー
自宅での手元供養は、日常生活の中で自然に手を合わせることができ、無理なく供養を続けることができます。故人を身近に感じながら自分のペースで供養ができる ことは自由度が高く魅力的です。
しかし、供養の場が自宅であるため、招いた知人などからの理解を得ることが難しいことがあり、プライバシーの面で不安を感じることがあります。
水子を手元供養する際に気をつけるポイント
水子の手元供養を始める際には、いくつかの点に注意することが大切です。以下では、気をつけるべきポイントを詳細に解説します。
心の準備を整える
手元供養を始める前に、ご自身の心の準備を整えることが大切です。
流産や死産後、悲しみが癒えるには時間がかかることもあります。水子供養は、亡くなってから必ず何日以内に供養を行わなければならないという明確な法律やルールはないため、供養のタイミングは、ご自身やご家族の気持ちや状況に応じて柔軟に決めることができます。
供養は、亡くなった方を偲び、心の安らぎを得るための大切な行為なので、焦らず、自分たちのペースで進めましょう。

供養の場所と方法を考える
手元供養品はコンパクトなものが多いため、保管場所に困ることなく自宅で供養することができます。供養する場所は、リビングの一角や寝室など、自分が落ち着ける空間を選ぶと良いでしょう。
また、手元供養の方法としては、ミニ骨壺やミニ仏壇、アクセサリーなどがあります。無理なく心安らぐ方法で供養を行い、自分にとって最適な場所や供養スタイルを見つけられると良いですね。
周囲との関係を整理する
手元供養が選ばれるようになったのはここ10年ほどで、比較的新しい供養の形 です。そのため、手元供養に抵抗を感じる方もいらっしゃいます。ご家族やご親族に相談するかどうかは、ご自身の気持ちに寄り添うことが重要です。
もし話しづらい場合は無理に伝える必要はありませんが、周囲の理解を得ることでより安心して供養ができることもあります。心の整理や供養を進めるうえで、周囲の支えが助けになる場合もあるので、無理のない範囲で関係を整理することが大切です。

専門家のケアを活用する
流産や死産の経験による心の傷は深く、一人で抱え込むことが大きな負担となることがあります。
心理カウンセラーやグリーフケアを専門とする機関に相談することで、専門家との対話を通じて自分自身の思いを整理し、受け入れがたい気持ちや不安を少しずつ軽減できます。
また、同じ経験をした人たちと意見を共有・交換することで、新たな気づきや励ましを得ることができ、一歩ずつ前に進む糸口が見つかるでしょう。
こうしたサポートは、心の回復を助け、供養の過程をより充実したものにしてくれます。

水子の手元供養に関するよくある質問
水子の手元供養を考える際、多くの方が「供養にかかる費用はどれくらいだろうか?」「手元供養はいつまで続けるべきなのか?」といった疑問を抱きます。
以下では、これらの疑問に回答します。
供養を続けるうえで感じる不安を少しでも軽減できましたら幸いです。
手元供養の費用はどれくらい?
手元供養にかかる費用は選ぶ方法によって異なります。例えば、ミニ骨壺は数千円〜8万円程度 が相場で、ミニ仏壇は10万円以下のものがほとんど です。
アクセサリータイプの手元供養は約1万円〜3万円ほど で購入できます。
お墓を建てる場合の費用は約100万円〜200万円とされているため、手元供養の費用とは比べ物にならないくらい大きな差があります。
手元供養は、費用を抑えながらも、故人を大切に供養できる選択肢となります。

手元供養はいつまで続けたら良いの?
手元供養を続ける期間に決まりはありません。ご自身の気持ちが落ち着くまで、無理のない範囲で続けることが大切です。
心が癒されるタイミングで供養を続けるペースや方法を見直しても良いですし、気持ちの整理がついた時点で供養の形を変えることも可能です。
納骨する場合は、四十九日法要や一周忌、三回忌などの法要にあわせると良いでしょう。
ペンダントなどに入れたい場合は粉骨がおすすめ
現在、手元供養品はペンダントやブレスレット、リングなど、ファッションの一部として身に着けられるものが増えています。これらの供養品には、遺骨を納めるための小さな空洞が設けられています。
遺骨を納める際には、細かい粉末状にする 「粉骨」 を行うと収めやすくなります。粉骨はご自身で行うことも可能ですが、専門の業者に依頼するほうが確実で、安心して手元供養を始められるでしょう。
例えば、 こちらのサービスのように粉骨を請け負っている業者もあります。遺骨を丁寧に取り扱い、依頼者の気持ちを汲んでくれる信頼できる業者を選びましょう。
まとめ
寺院での水子供養と自宅での手元供養の違いや、水子の手元供養をする際に必要な準備についての解説、よくある質問に対する回答を行ってきました。
本文でも述べたように、水子供養は亡くなった子どものためだけでなく、深い悲しみを抱える母親や父親の心を癒す意味もあります。
水子供養を始めるタイミングに決まりはありません。焦らず、ご自身の気持ちに寄り添いながら、無理のない形で供養を進めていただければと思います。
水子の手元供養をお考えの皆さまにとって、本記事がお役に立てましたら幸いです。