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エンバーミングの基礎知識|故人との美しいお別れを叶える技術と手順

エンバーミングの基礎知識|故人との美しいお別れを叶える技術と手順

「エンバーミング」を葬儀社から提案されたものの、どのようなものかわからず不安という方もいらっしゃるのではないでしょうか。エンバーミングとは、故人との穏やかなお別れを支える技術です。

本記事では、エンバーミングの意味や、エンバーミングによってどのようなことが可能になるのかについて解説します。さらに、費用や手順についても解説していますので、エンバーミングについて詳しく知りたい方はぜひ最後までお読みください。

エンバーミングとは故人との穏やかなお別れを支える技術

エンバーミングとは、よりよいお別れのために、ご遺体に消毒殺菌・防腐・修復・化粧などを施し、生前のお姿に近づける技術です。 亡くなってからしばらくの間火葬を行えないなど、ご遺体を長期間保存する必要がある場合に施されることが多く、日本では1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに広く知られるようになりました。

また、エンバーミングをすることでご遺体の状態変化が軽減されるため、葬儀までの時間にゆとりが生まれ、故人の遺志やご遺族の想いを形にする準備ができます。例えば、遺影や葬儀式場に飾る写真をゆっくり選んだり、趣味の品を飾ったり、お気に入りだった洋服を着せることも可能です。生前に近いお姿の故人様に触れながら大切な最期の時をゆっくりと過ごすことができることから、近年はエンバーミングを希望する方が増えています。

葬儀葬式

エンバーミングでできること

故人様との穏やかなお別れを支えるエンバーミングには、「修復」「防腐」「感染防御」の3つの役割があります。これらにより、故人様の生前の面影を取り戻すことや、ドライアイスの必要なく長時間一緒にいられること、安心して故人様に触れることが叶います。ここでは、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。

生前の面影を取り戻す

まずは「修復」です。「元気だった頃の姿で見送りたい」という想いは多くのご遺族に共通しています。エンバーミングにより、闘病による後遺症や事故などによる損傷の有無にかかわらず表情や顔色を整え、やつれたお顔をふっくらとするなど、元気だったころのお姿でのお別れが可能となります。

まるで眠っているかのような安らかなお姿でお別れができるため、ご遺族の悲しみを和らげ、永遠の別れを優しい記憶として心に残すことができます。

ドライアイス不要で安置できる

次に「防腐」です。エンバーミングは体内に防腐剤を注入して腐敗を防ぐため、ドライアイスを使わずに安置できます。

エンバーミングをしない場合、ドライアイスや保冷庫を用いてご遺体を保存することになりますが、これらはあくまで腐敗を遅らせるための処置に過ぎずません。また、ドライアイスは長時間使用すると皮膚の黒ずみや、凍結・霜などのリスクも考えられます。

そして、エンバーミングならご遺体を長期間にわたって保つことができるため、葬儀までの日程を気にする必要がなくなり、ゆとりのあるお別れができるようになります。

ドライアイス

安心してご遺体に触れられる

そして「感染防御」です。体内外を消毒・殺菌することで、感染症リスクを軽減し、清潔で安心安全な状態でご遺体に触れることができます。 ご遺体特有のにおいも抑えることができるほか、スーツやワンピースなどお気に入りの服を着せてあげられる場合もあります。
安全面が確保されていることで、触れることに不安がある方にも安心してご対面いただけます。

エンバーミングの費用

エンバーミングは専門の技術を要するため、葬儀費用とは別に料金がかかります。相場は15万〜25万円程度で、金額はご遺体の状態によって変わります。これに加えて、棺代やご遺体の搬送代なども必要になります。

棺は葬儀社のセットプランに含まれている場合もありますが、エンバーミング施設への搬送費は含まれないことが多く、施設が遠方の場合は高額になることもあるため注意が必要です。なお、処置には3〜4時間程度かかりますが、その間は故人様に付き添うことができません。

エンバーミングの手順

エンバーミングは専門施設で行われ、いくつかの工程に分かれています。

まずご遺体を施設へ搬送し、洗浄・消毒して病原菌やウイルスの殺菌を行います。次に、髪やお顔を洗い、希望があれば髭剃りや産毛剃りをします。コットンを使って鼻腔や口腔、体内なども洗浄し、最終的には目や口を閉じ、必要に応じて口の中に含み綿を詰めるなどして安らかな表情に整えます。

続いて、動脈から防腐剤を注入し、同時に静脈から体内の血液を排出します。その後、ご遺体に損傷がある場合は修復し、全身を洗浄します。

最後に着付けと化粧をし、棺に納めてご自宅や斎場へ搬送し完了となります。

(死)化粧

エンバーミングが必要でない場合

ここまでエンバーミングによってできるようになることを解説してきましたが、すべてのケースで必ずしも必要というわけではありません。たとえば火葬までの日数が短い場合や、費用の面で懸念がある場合、ご遺体への施術にご家族が抵抗を感じる場合などには、エンバーミングを行わない選択をされることもあります。以下で詳しく見ていきましょう。

火葬までの期間が短い場合

エンバーミングの主な目的の一つに、ご遺体の保存期間を延ばすことが挙げられます。そのため、亡くなってからすぐに火葬できる場合にはエンバーミングの必要性は低くなります。

数日程度の安置であれば、ドライアイスや保冷庫での対応でも大きな変化が見られないこともあります。ご遺体の見た目を整える点で化粧や着替えで十分という場合は、葬儀社や湯灌業者による処置で済むこともあります。ただし、ご遺体が変化するスピードには個人差があるため、「〇日間以内ならエンバーミングは不要」と一概に言えないのが現状です。

葬儀 祭壇

費用面で不安がある場合

エンバーミングには15万円〜25万円ほどの費用がかかります。一般的に施術費や着付け・お化粧代がこの基本料金に含まれますが、エンバーミングセンターまでのご遺体の搬送費や施術までの安置費、損傷の具合による追加費用などは別途必要となることがあり、ご遺族にとっては経済的な負担となることがあります。

ただし、長期間にわたりご遺体をドライアイスで冷却するよりも、結果的に費用を抑えられるケースもあるため、高額かどうかは状況次第ともいえるでしょう。

ご葬儀全体の予算や優先順位を考慮し、必要がなければ省略するという選択肢もあります。金銭的な理由で迷われている方は、葬儀社に相談すると安心です。

ご遺体への施術に抵抗感がある場合

エンバーミングの工程では、ご遺体に小切開を加え、防腐剤の注入や血液・老廃物の排出をする必要があります。この処置に対し、故人様のお身体を人工的に変えることに抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合、無理に施術を進める必要はありません。後悔を避けるためにも、エンバーミングをするかどうかは家族で話し合い、お互いの想いを尊重できると良いですね。

尊重

まとめ

エンバーミングの意味からエンバーミングによって可能になること、費用や手順まで解説してきました。

エンバーミングには「修復」「防腐」「感染防御」の役割があり、元気だったころのお姿でのお別れや安心して故人様に触れられるようになるという利点があります。ただし、費用面での負担やご遺体への施術に抵抗がある場合もあるため、無理に行う必要はありません。ご遺族の想いを大切にし、状況に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。

本記事がお役に立てましたら幸いです。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。
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