会社の有志がお別れ会・偲ぶ会を開く時の準備や注意点をご紹介

会社の有志がお別れ会・偲ぶ会を開く時の準備や注意点をご紹介

会社の上司や同期、部下の訃報に接したものの、家族葬のため葬儀に参列することができないといったお話を最近よく見かけます。

突然のことで どう整理をつけていいのかわからない会社の仲間として何かしてあげたい と感じるのは当然のことです。今回は会社の有志でお別れ会・偲ぶ会を開く時の準備や注意点についてご紹介します。

お別れ会・偲ぶ会とは

お別れ会・偲ぶ会は、 葬儀を終えた後に改めて故人と縁のあった人々が集い、故人を偲ぶ時間を過ごす 会です。

お別れ会・偲ぶ会というと、ファンが大勢いる有名人が亡くなった時に催される会といったイメージがありますが、最近は葬儀を身内のみで行い、後日改めてお別れ会や偲ぶ会を開くといったパターンもあります。

会社の関係者が葬儀に参列する機会が減っている昨今、 会社の仲間でお別れ会や偲ぶ会を開くことも 増えてきました。

会社でのお別れ会・偲ぶ会と社葬の違いは?

会社でのお別れ会・偲ぶ会に類似するものとして社葬があります。社葬とは、会社に功績を残した人が亡くなった際に会社が主体的に行う葬儀のことです。

しかし、社葬は大企業の社長や役員といった役職者のみが対象になることがほとんどで、多くの社員に親しまれていた方でも役職者でなければ社葬が執り行われることは滅多にありません。

お別れ会・偲ぶ会は、葬儀と異なり、宗教儀礼にとらわれずに行えるので 式次第を自由に組み立て、故人らしい会 にすることができます。

自由なお別れ会の準備

会社でお別れ会・偲ぶ会を開く際の準備

有志の幹事チームを組成する

お別れ会・偲ぶ会を1人で主催するのは大変なことです。 有志の幹事チーム を組成し、分担して準備を進められるようにしましょう。

声かけをするのに抵抗がある方もいらっしゃるかと思いますが、亡くなった仲間を偲びたいという気持ちがある人はきっとあなた以外にもいるはずです。

思い切って 「〇〇さんの偲ぶ会を開催したいと思っているんだけど、一緒に幹事をやってくれない?」 と相談してみましょう。

プロジェクトチーム

この時、幹事に会社の中で 決裁権を持つ人 を巻き込むと今後の進め方がスムーズになります。基本的に業務時間外のプライベートな時間を割いて取り組むことになるので、故人のために時間を使うことを厭わないタイプの人から優先的に声をかけていくと良いでしょう。

経験上、 3名から5名程度のチーム が組めるとスムーズな運営が可能になります。社内の不特定の人へ向けてメンバーを募る場合、プライベートな時間を使うことや頑張って企画してもご家族の了承が取れなければ話が流れてしまうことなど、きちんと リスクや負担を明示 した上で、それでも関わりたいという人に限定することをお勧めします。これによって熱量の高いメンバーだけが幹事になり、スムーズな進行が可能になります。

ご遺族に相談する

次に、会社でお別れ会・偲ぶ会を開きたい旨をご家族にお伝えし、ご了承をいただきます。

「先にご遺族に相談した上で有志の幹事チームをつくった方がいいのでは?」という声も聞こえてきそうですが、ご家族への相談の段階で、幹事メンバーの名簿をお見せできると「これだけの人が故人のために有志で関わろうとしてくれているのか」と前向きに検討する材料になります。

ご遺族の状況次第ですが、会社の方々が故人のために尽くしてくれてありがたいと思いつつも、まだ現状を受け入れられずそっとしておいて欲しいと断られることもあるかもしれません。その場合は ご遺族の気持ちを尊重 し、一周忌などに再度ご相談するのが良いでしょう。

ご家族の了承がとれたら、いよいよお別れ会・偲ぶ会の本格的な企画に入っていきます。

開催日を決める

会社の有志がお別れ会・偲ぶ会を企画と運営する場合、運営メンバーの人数、開催規模にもよりますが、 約2ヶ月の準備期間 が必要となります。日々の業務をこなしながら有志で行うので早めに計画するようにしましょう。

カレンダー

場所をどこにするかにもよりますが、会社の交流スペースや大会議室などが使える場合はそういった場所を抑えられると良いでしょう。会社のスペースを使う場合、金曜日の夜など、仕事終わりに立ち寄れる場として開催すると多くの方にご参加いただけるでしょう。

準備期間、開催場所などを考慮しながら、開催日を決めていきます。

予算を決める

次に予算を決めます。基本的に 会費×想定参加人数 が予算となるため、この時に参加人数をある程度確定する必要があります。

最低限、日時と開催場所(エリア)と会費を決めた状態で社内向けに参加の申し込みを促す連絡を入れ、反応をみながら予算を決定します。偲ぶ会・お別れ会を開催するための プレ申し込み のような形で、正式な招待は別途行うという形で良いでしょう。

「会場の手配や予算の確定など、事前に人数を把握する必要があるためご協力のほどよろしくお願い致します」などの文章を入れることで事情を理解してもらえるはずです。

この時、 参加申し込み期日を設ける などして、特定の日までに予算の全体像が掴めるようにしておくとその後がスムーズになります。

「故人らしさ」についてブレストをする

いよいよ会の具体的なデザインに入っていきます。どのようなタイムラインにするかはもちろん、会場の装飾やドレスコードなどを決める上で主役である故人の「らしさ」について話し合うことをおすすめします。

ブレスト

幹事メンバーで「〇〇さんといえば?」といった問いに対して意見を出しあったり、故人との思い出話をそれぞれが語るといった時間を設け「故人らしさ」を箇条書きでもいいので書き出してみましょう。

お別れ会・偲ぶ会のコンセプトを決める

先ほどの「故人らしさ」のブレストを経て、ある程度コンセプトの輪郭が見えてきているはずです。

コンセプトというのは「その場をブラさない、土台になる考え方」のことです。今回の主役はあくまで故人様ですから、 故人の存在がコンセプトに含まれてくる と考えやすいです。

例えば「ゴルフが大好きな〇〇さんに楽しんでもらう会」など、明るいコンセプトにしてもいいでしょう。

会のルールを決める

制限をかけるためのルールは最低限に、コンセプトを補強するルールを設計できると良いでしょう。例えば

  • 〇〇を持ち寄る
  • 〇〇色の服を着てくる

など、参加意欲が掻き立てられたり、故人に想いを馳せるきっかけになるようなルールがあると素敵ですね。

参列者を招待する

いよいよ参加者を招待します。先ほど、プレ申し込みで予算を把握する形をおすすめしましたが、そこで参加表明があった方には必ず招待を送りましょう。

もし人数に余裕があればプレ申し込みでは 参加表明しなかった方にも案内 しても良いでしょう。

案内文を読んで、参加したいという気持ちになるかもしれませんし「私はそんな会があるなんて聞いていなかった」といったトラブルを避けるためにも有効です。

お別れ会・偲ぶ会に会社の関係者を招待する文章の例

件名:
【ご案内】〇〇(故人の名前)さんを偲ぶ会の開催につきまして(〆切○/○)

本文:

〇〇さんと所縁あるみなさまへ
すでにご承知のことと存じますが、〇〇さんが本年○月○日に逝去されました。
あまりに突然のお知らせで、お別れすることもかなわず、哀悼にたえない思いを抱えている方も
いらっしゃることかと思います。

このたび、〇〇さんとご縁を紡いできた方々にお集まりいただき、「〇〇さんお別れ会 / 〇〇さんを偲ぶ会」を開催する運びとなりましたので、ここにご案内申し上げます。

下記概要ならびにご依頼事項をご確認の上、お集まりいただけますと幸いです。

ご参加がかなわない方も専用追悼サイトURLよりぜひ写真・メッセージのご提供をお願い致します。

▼〇〇さんお別れ会 / 〇〇さんを偲ぶ会概要

  • 日 時: ○年○月○日(土) 18:00〜19:30(※受付17:45〜)
  • 会 場: 〒105-8228 東京都千代田区無常町2-6-1
  • 会 費: 〇〇円

・お申込: 下記フォームよりご回答よろしくお願いいたします【〆切7/7】

  • Google FormのURL

※会費制とさせていただいておりますので、御香典・御供花についてはご辞退申し上げます。
※当日は「平服(オフィスカジュアル等)」でお気軽にご参加くださいませ。

▼ご依頼事項
〇〇さん宛のメッセージや思い出のお写真や掲載できる追悼サイトを設けました。是非ご投稿ください。

▼〇〇さんの追悼サイトURL
 葬想式のURL
〇〇さんとご縁のある方々に当案内を転送し、お知らせいただけますと幸いです。
以上、ご多用のところ誠に恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
ご不明な点がございましたら、事務局メンバーまでご一報くださいませ。

〇〇さんお別れ会 / 〇〇さんを偲ぶ会運営事務局一同

当日のオペレーションについて考える

受付のオペレーション

最後に当日の進行をスムーズにするためのオペレーションについて詰めていきます。参加者の入口や名簿記入、会費徴収など、滞りそうな部分の導線を工夫するなどが挙げられます。

特に 金銭の管理はトラブルにも発展 してしまいますので厳重に管理しましょう。

思い出コーナーの設置

思い出コーナーを用意する場合は写真を現像したりご家族様に思い出の品を持ってきていただく必要があります。

そういったものの手配や準備も余裕を持って準備できると良いでしょう。 思い出コーナー は故人の人柄が強く出る場ですので、設置することをおすすめします。

コミュニケーションを促すツールの用意

立食パーティー形式にする場合は各机にipadなどを配置し、思い出ムービーを流すなどすると話題になるのでおすすめです。

乾杯

当日の司会進行

仰々しさをなくすために司会という役割をなくすといった会の設計もありますが、多くのお別れ会・偲ぶ会では司会進行役がいてみんなにアナウンスします。

その際に司会担当が読み上げるスクリプトなどは事前に用意しておきましょう。

会社の有志がお別れ会・偲ぶ会を開く時に気をつけること

ルールの設定は慎重に

ルールによって参加者の振る舞いや会場の雰囲気が変わってくるので慎重に設定しましょう。

「なぜこのルールを設定しているのか」まで説明すると良い影響を及ぼすこともあるので意識的に ルールの意図を公開する のはおすすめです。

故人らしさを大切に

葬儀社にお別れ会・偲ぶ会の運営を依頼せず、会社の有志がお別れ会・偲ぶ会を開催する最大の利点は故人らしさを大切にできることです。

もちろん、葬儀社はプロの目線で「いい会」を提案してくれますが、故人の人柄などは知りません。一方、故人を知る人が故人のために一生懸命考えて作った場は自然と故人らしさで溢れる場になります。

お別れ会・偲ぶ会に参加できない人がいる場合にできる工夫

お別れ会・偲ぶ会に参加できない人がいる場合や、会社都合で対面でのお別れ会・偲ぶ会の開催自体が厳しいときにできることをご紹介します。

そんな時は 、思い出の写真や故人宛のメッセージを投稿できる追悼サイト を無料で作れる「葬想式」を使ってオンラインでお別れ会・偲ぶ会を開催するのはいかがでしょうか。

公開期間中(基本は3日間、ご希望に応じて30日を上限に延長可能)はいつでも、どこからでもサイトにアクセス可能で他の参加者の写真やメッセージも見ることができます。参加人数、投稿写真枚数、メッセージの数は無制限、無料でご利用いただけます。

思い出をスマホに残すことが多い時代ですから、会社の仲間のスマホに入っていてご家族がみたことのない故人様のお写真などもたくさんあるはずです。そういったお写真を一つの追悼サイト上に集め、故人の生前の姿を偲ぶというのはご家族にとってもいい時間になるでしょう。

もちろん、対面でお別れ会・偲ぶ会を行っているタイミングで同時に葬想式を開式することができます。

葬想式を開くにも、案内文を作るのが難しい、リアルのお別れ会・偲ぶ会と併用の方法がわからないなどお困りのことがございましたら、こちらの公式LINEからお気軽にお問い合わせください。

また、こちらの葬想式公式サイトより、パンフレットの送付請求やサンプルページの閲覧が可能です。こちらも是非ご活用ください。

葬想式 お別れ会・偲ぶ会をお考えの方へ
葬想式 葬想式は3日限りの追悼サイトを作れる無料サービスです。
葬想式 葬儀に集まれなかった人にもお別れの機会を提供することができます。
葬想式 故人様の思い出の写真やエピソードを集められます。
葬想式 集まった写真やメッセージはオプションでアルバム「葬想録」として購入できます。
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前田 陽汰
前田 陽汰
株式会社むじょう 代表
2000年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部オーラルヒストリーゼミ所属。葬送習俗の変化に関する研究を行う。研究内容が評価され2021年度SFC STUDENT AWARDを受賞。2020年5月に株式会社むじょうを設立し、距離と時間を越えて故人を偲ぶオンライン追悼サービス「葬想式」、亡き母へ贈る父の日のメッセージ展示イベント「死んだ母の日展、棺桶に入り自身の生を見つめ直す体験イベント「棺桶写真館」などの企画・運営を行っている。