仏壇の引っ越しや処分前の供養の手順と方法を解説!位牌や遺影も一緒に供養
さまざまな理由で、仏壇の引越しや処分をしなければいけないことがあると思います。
そんな時、手順や、処分の際は供養が必要かなど気になる方もいらっしゃるでしょう。
今回はそんな、仏壇の引越し方法、供養の手順についてご紹介させて頂きますので、ぜひ最後までお読みください。
仏壇の引越しをする前には供養や処分が必要
従来より仏壇の引越しの際には、 移動前に「魂抜き」と呼ばれる儀式(法要)を行い、移動後に別途「魂入れ」の儀式が行われてきました 。
一方で仏壇はお祀りするための場であり、直接魂が宿るものではないとの考えから、お仏壇に対する魂抜きは不要とする傾向にあります。
ただし、現代においてもお寺や地域の考えによってはお仏壇にも魂が宿るという考えを持ち、お仏壇に対しても魂抜き・魂入れが必要とする場合もあるので、お寺に事前に確認をとりましょう。
独断で儀式を行わなかった結果、後になってお寺との間でトラブルが発生してしまう可能性もありますので、注意が必要です。
「魂抜き」とは
魂が宿っている状態のものに対し、僧侶の読経によって魂を抜く儀式のことを「魂抜き」といいます 。
仏壇やお墓の移動や処分の前に行われ、「閉眼供養(へいげんくよう)」や「お性根抜き(おしょうねぬき)」とも呼ばれています。
「魂入れ」とは
仏壇に置かれたものの中でも、一般的に魂が宿るとされているのは、手を合わせる対象である各宗派のご本尊と位牌の2つです。購入の際には必ず「魂入れ」を行い、 単なる物から手を合わせる対象へと変える儀式 が必要です。
魂を入れる儀式は「入魂開眼供養(にゅうこんかいげんくよう)」、「お性根入れ(おしょうねいれ)」とも呼ばれます。
引越しのために仏壇を供養する手順と方法
引越しの際に仏壇を供養する手順をご紹介します。
僧侶による読経
日ごろからお世話になっているお寺に連絡をし、 供養(魂抜き・魂入れ)を依頼し、儀式の日程を決めましょう 。この時、魂入れは引越し先が遠い場合、同じお寺にはお願いできないことがあるので、引越し先のお寺を紹介してもらうなどしましょう。
魂抜きについては、できれば 引越し予定日の1週間前くらいには済ませておく と当日バタバタせず安心です。
仏壇の梱包と搬出
- 仏壇の引越しを自分でする場合
仏壇を自分で運ぶからといって 無理に仏壇を解体するのはやめましょう 。
1.梱包方法
以下のことに注意しながら梱包しましょう。
香炉:火元が残っていないか確認する。
火立て・花立て:水を拭き取る。
仏飯杯・木魚・照明類・装飾類など割れたり壊れたりしやすいもの:緩衝材やタオルで固定し、破損を防ぐ。
2.搬出方法
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自分で運ぶ場合
小型の仏壇を自家用車で運ぶ場合は、 シートベルトでしっかり固定 しましょう。
トラックで運ぶ場合は横に倒さず、転倒しないように固定して運びます。 -
引越し業者へ頼む場合
仏壇は高価なうえ、通常の家具よりデリケートなため、丁寧に運ばなければいけません。
なので、仏壇を業者に運んでもらう際は、 仏壇の配送に慣れた業者を選びましょう 。 -
仏壇店へ頼む場合
仏壇店に仏壇の引っ越しを依頼するメリットは、専門知識を持ったスタッフが引越しの対応をしてくれることです。
費用は多少割高になってしまいますが、宗派に沿った仏具の扱いや作法に対応できるため、梱包から移動、設置までおまかせできて安心・安全でしょう。
近くの仏壇店や、購入した仏壇店へ問合せてみると良いでしょう。
仏壇の修理やクリーニングを行っているところもあります。
引越しに際して仏壇を処分する方法
仏壇を置くスペースがない家に引っ越しをする場合や、後継者がいない場合など、仏壇を処分しなければならない時があると思います。
今回はそんな時の処分方法についてご紹介させて頂きます。
お寺でお焚き上げして処分
付き合いのある寺院がある場合は、そちらへ相談してみましょう。
普段付き合いがない場合でも、近所の寺院で供養とお焚き上げを受け付けているところがあるならば、そちらへ相談するのも良いでしょう。
お焚き上げの期間が決まっているところがほとんどなので、時期は確認することが大切です。
寺院で処分する場合は「お布施」として納めるため、予め金額を伺っておくと良いでしょう。
費用相場は、仏壇の大きさや自分で持ち込むか引き取りに来てもらうかで大きく変わってきます。参考程度ですが、 1万円〜10万円前後 と言われています。
専門業者に依頼して処分
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リサイクル業者に依頼する場合
不用品回収や、リサイクル業者などへ処分の依頼をすることが可能 です。
場合によっては買い取りを行ってくれることもありますが、買取の場合は値段がつくかどうか業者と相談しましょう。 -
購入店舗に処分を依頼する場合
もし仏壇を買い替えるという場合には購入店舗によって古い仏壇を 低価格で処分してくれるサービス もあります。買い替えの場合は、購入検討先の店舗に確認してみると良いでしょう。
粗大ごみとして処分
粗大ゴミとして処分することも 可能 です。
しかし、近所の目が気になる場合や、自身で持ち込まなければいけない場合は業者に依頼した方が安心でしょう。
自治体に依頼すると費用を安く抑えられる場合がありますが、各自治体によって異なるので、確認が必要です。
仏壇の位牌や遺影、掛け軸も一緒に供養する
魂抜きが終わったら 仏壇や位牌は処分が可能 になります。これらの 仏壇、仏具などは粗大ゴミや不燃ごみに出しても問題はありません 。
位牌は魂抜きを行いますが、遺影は行う必要はありません。しかし、遺影に対して魂入れを行っている場合は、魂抜きが必要となりますので注意しましょう。菩提寺に尋ねてみます。
もし、粗大ゴミなどに出すのは気が引けるという場合は、お焚き上げをするのも良いでしょう。
お焚き上げとは、故人が大切にしていたものや、故人にまつわる物で粗末に扱うことができないものを供養しながら焼却処分をすることです。
お焚き上げは、お寺や神社に依頼すれば時期を問わずにやってもらえます。また、お焚き上げ専門の業者に依頼することも可能です。
お寺や神社に依頼すると自分で持ち込まなければならないので、持ち込むのが難しい場合は業者に依頼するのが良いでしょう。
しかし、業者に依頼すると運ぶところからお焚き上げまで全てを依頼することになるので、費用が高くなる可能性があります。見積金額を出してもらい、よく検討することが大切です。
仏壇の供養にかかる費用相場
仏壇の供養にかかる費用の相場についてご紹介します。
お寺へのお布施
「魂抜き」と「魂入れ」に対する お布施が必要 です。
お布施は本来寄付なので、供養に対して定価が決められているわけではありません。よって実際はいくらでも良いのですが、おおよその相場はあるので参考にしてみてください。
魂抜きのお布施の相場は1万円から5万円程度と言われています。ですが、宗教による違いや、お付き合いの度合い、地域差などによりお布施額には差があります。
仏壇を処分する費用
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お寺に依頼する場合
お布施 という形で、1万円から10万円で処分してもらえます。 -
仏具店に依頼する場合
仏壇の大きさや運搬にかかる費用によって金額が変わりますが、相場としては 2万円から8万円ほど です。 -
買取業者に依頼する場合
買取業者の場合だと、 処分費用から買い取り金額を差し引いた金額が請求されます 。 -
不用品回収業者に依頼する場合
処分のみの場合は、5000円から15000円が相場です。
中には 供養とセットで2万円 などの業者もあります。 -
粗大ゴミに出す場合
大きさによって異なりますが、500円から2000円が相場です。 金額は自治体ごとに定められています 。
まとめ
今回は仏壇の引越し方法、供養の手順についてご紹介させて頂きました。
仏壇を処分する際には、ぜひこの記事を参考にしてみてください。