自宅葬の精進落しの場所は?仕出し弁当の持ち帰りでもいい?
故人や喪主の自宅で葬儀を行うことを、自宅葬といいます。自宅葬の場合は葬儀社のホールに行かないため、精進落としも、葬儀ホール以外の場所で行うことになります。自宅葬の場合に考えられる、精進落としのパターンはおおきく5つに分けられます。それぞれについて解説します。
精進落としとは?
精進落としとは、葬儀の後、火葬の最中や火葬後に行われる会食を指します。本来は「供養のために精進料理を食べていた遺族の食事を、 四十九日の忌明けをもって通常の食事に戻す 」という意味合いから「精進落とし」という名前がつけられました。しかし現代においては、四十九日を待たず、 葬儀が終わればすぐに精進落とし を行います。
精進落としは、地域によって、また宗派によって呼び名が違います。神式や、浄土真宗では お斎(おとき) と呼ばれることが多く、地域によって「壇払い(だんばらい)」「精進あげ」などさまざまに呼ばれています。
自宅葬の精進落としの場所
火葬場
自宅葬において、精進落としを行う場として最も考えられるのが火葬場です。火入れを行い、 収骨(遺骨を骨壺に納めること)まで1時間ほどの空き時間 が生まれます。この時間を利用して、控室などで会食を済ませるのです。
なかには、精進落とし用の会場が用意されている火葬場もあります。ただし、火葬場併設の葬儀式場を利用する遺族が優先されるかもしれないので、注意しましょう。
自宅
火葬場の控室では精進落としができなかったり、なるべくゆったりとした気持ちで精進落としをしたい場合には 自宅に戻って仕出し料理をいただく というプランが考えられます。もちろん、遺族が疲れていなければ、手製の料理を振る舞っても良いのです。故人が好きだった料理を並べるのも、素敵な供養となるでしょう。
レストラン
故人が通っていたレストランなどを予約して、精進落としをするというプランも考えられます。ただ、予約できる人数や時間には限りがあり、また予約が直前とならざるを得ないので、不可能かもしれないことを心得ておきましょう。
精進落としにおいては、遺骨となった 故人にも料理を供えること がしきたり化されています。これを 陰膳(かげぜん) といいます。目当てのレストランが精進落としの会場となることを快諾してくれるようなら、陰膳を用意してくれるよう依頼してみましょう。また、骨壺や遺影を持ち込んでも良いかどうか、確認が必要です。
精進落しの感染症対策
持ち帰りの仕出し弁当
感染対策を万全にしたいのであれば、持ち帰り用の仕出し弁当を利用するのも手です。飲み物をつけるのが丁寧とされますが、持ち物が重くなりすぎては、とくに年配者には負担になります。重くなりすぎないよう気をつけましょう。
グルメギフトカタログ
弁当では、移動中に傷んでしまったり、荷物の多い参列者の負担になってしまったりするのが気にかかるかもしれません。感染対策のため会食は省略したいけれど、持ち帰りの仕出し弁当にも抵抗があるという人には、グルメカタログギフトの利用がおすすめです。
カタログギフトなら傷まず、かつ薄い冊子のためかさばらず、参列者が好みに合わせて選ぶことができます。香典返しの紙袋に、カタログギフトを一冊追加することで、精進落としとするのです。
ただ、この場合、「精進落としの代わりにカタログギフトをお渡しします」といった案内を必ず行いましょう。「香典を厚く包んだのに、会食がなかった」「紙袋の中に香典返しが2つ入っていた」などと、誤解を受けてしまう可能性があります。
自宅葬では精進落としもくつろぎのひとときにしよう
以上、自宅葬を行う人のために、精進落としのさまざまな選択肢についてお伝えしました。自宅葬は、遺族が住み慣れた家でゆったりと故人を見送ることができる、かけがえのない葬儀です。精進落としにおいても、その安らぎが損なわれないよう、工夫したいものです。