自宅葬の場合、弔問してもいい?弔問のマナーについて解説

自宅葬の場合、弔問してもいい?弔問のマナーについて解説

コロナウイルスの影響で自宅で葬儀を行う方も増えています。そんな中で、自宅葬の場合は弔問していいのか疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

今回は自宅葬の際、弔問はしてもいいのか、また弔問可能な場合のマナーについてご紹介します。弔問というのは葬儀の前にご自宅を訪ねる場合と、葬儀の後にご自宅を訪ねる場合とがあります。本記事では葬儀の前の「弔問」についてのお話であることにご留意の上読み進めていただけますと幸いです。

自宅葬は弔問してもいい?

一般的には、自宅葬の弔問は 案内がない限り遠慮するのがマナー とされています。故人様と親密な場合や血縁関係がある場合に限り、弔問を検討します。

特に都市部にお住まいの方は自宅葬に馴染みがなく、マナーや形式を知らない方も多くいらっしゃるでしょう。
そのため、自宅葬を行うご葬家もしっかりと弔問辞退の旨を弔問者に伝えられない場合があります。ご葬家を困らせないように、弔問を希望する場合はきちんと連絡をして確認をとるのがマナーです。

自宅葬での弔問マナー

自宅葬では、遺族の方から明確に弔問の案内があった場合のみ弔問するのが良いでしょう。

長居はしない

自宅に弔問する際のマナーは あまり長居をしないこと です。四十九日までの時期は遺族も何かと忙しいだけではなく、まだ精神的にも落ち着いていません。そのためお線香を上げた後、思い出話に花咲くこともありますが、話は数分で短めに切り上げることをおすすめします。

服装と持ち物に注意

服装は 地味な平服 が良いでしょう。葬儀前の弔問にはお香典や手土産も必要ありません。喪服やお香典や手土産など、準備が必要なものは「前々から準備していた」というメッセージ性を含み、マナー違反となるためです。

もちろん、一般的なマナーとしてのお話ですので、関係性によってはお花や故人様が好きだったものをお供えに持っていっても良いでしょう。偲ぶ心とご遺族への配慮を忘れずに行動しましょう。

話題に注意

結婚や出産といった、 自身や身内の祝い事の話題に触れないように 気をつけましょう。また、お子さんを亡くした場合には、子連れで弔問しないなどの配慮にも気をつけましょう。

自宅への弔問の流れ

ご遺族宅へ着いたら玄関先で挨拶をする

仏間への案内に従い、靴は下駄箱側にかかとを付けるようにして揃えて上がりましょう。和式の家であれば、畳間へ上がる時などに敷居(ヘリ)は踏んではいけません。数珠を持参している場合には左手に引っ掛けて歩きます。

お線香を上げる

葬儀と自宅へ弔問する際のマナーで、違うことが多い点がお線香です。葬儀ではお焼香が多いのですが、自宅ではお線香をあげるケースが増えてきますので、注意して確認しておくと安心です。

座布団は本来、お坊さんが供養の際に座る席なので、座布団の手前に座ったら右側にずらしてから、お仏壇へ進み、お線香を上げます。 数珠は左手に掛けお線香は右手で 持ったら、ろうそくから火を付けます。

ろうそくの火が付いていない場合は、ろうそくの火を付け、ろうそくからお線香に火を移してください。 直接、ライターなどから火を付けるのはマナー違反 ですので避けましょう。

お線香に火を付けたら息を吹きかけることはせず、空いている左手で仰ぐか真下にさっと引いて、お線香の火を消します。

お悔やみの言葉をかける

お線香を上げたら正座のまま両手で握りこぶしを作って地面に置き、近くで待っている遺族の方を向いて、お辞儀をした後にお悔みの言葉「この度はご愁傷様です。」などをお伝えします。

そしてお悔みの言葉をお伝え、持参している場合は手土産(お供え物)をお渡ししてください。

お線香

自宅葬で弔問しないの場合の弔意の伝え方

弔問に行けず、葬儀にも参列できない時

弔問や葬儀に行けないの場合は、ご遺族の意向を尊重し、 お悔やみの手紙 で弔意をお伝えすると良いでしょう。
自宅葬のため弔問は辞退されているだけなので、手紙を送ることは失礼にあたりません。

まず故人との関係を述べて、遺族への弔意を表しましょう。また、故人との思い出や感謝の気持ちを伝えることで、ご遺族も喜ばれるでしょう。

手紙

自宅葬で後日弔問する場合

自宅葬でも葬儀の3日後~49日まででしたら、遺族や親族が落ち着いたタイミングをみて弔問することは可能です。ただし、弔問する前の事前確認や服装に関するマナーがいくつかありますので注意しましょう。

後日弔問可能かの確認

まずはご遺族に対して、葬儀後に弔問して良いかきちんと確認をしましょう。ご遺族は故人が亡くなった悲しみもあり、葬儀を行う精神的負担も大きいです。

また、葬儀後の片付けなどでバタバタしていることがほとんどですので、ご遺族に確認をとらずに、いきなり弔問することは避けましょう。必ず事前に弔問して良いか、電話で確認 をしましょう。

服装に気をつけ準備

葬儀後は、今までのように日常に戻ろうとしているご遺族が多くいらっしゃいます。葬儀後に弔問するときは、喪服を着用しないようにしましょう。弔問時の服装は、あまり 派手すぎない平服 でかまいません。ただし、派手なアクセサリー等は控えましょう。

弔問時のマナーを確認して向かう

自宅葬では、香典返しの負担をなくすために弔問者からの香典をお断りしていることが多いです。そのため、後日の弔問時にも香典を持っていくことは避けた方がいいでしょう。

香典以外の弔意の表し方としては、供物や供花を持っていくことが一般的です。あまりにも高価なものや大きいものは、香典と同じくお返しの準備が必要になってしまうので、故人が好きだった食べ物や飲み物、あまり大きすぎない供花が良いでしょう。

まとめ

今回は、自宅葬の際、弔問はしてもいいのか、また弔問可能の場合のマナーについてご紹介しました。

自宅葬は、故人やご遺族の意向が内容を決めて執り行われていくことが多く、参列者としてはその意思を尊重することが大事になってきます。自宅葬における正しいマナーや形式を理解する上で本記事がお役に立てますと幸いです。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。