手元供養が良くないって本当?その理由や避けるべきことを解説
「手元供養は良くないって聞いたけれど本当なの?」と心配ですか。手元供養が良くないといわれるには、いくつかの理由があります。
この記事では手元供養が良くないといわれる理由や、手元供養で避けたほうがよいことなどをわかりやすく解説しています。
手元供養について知りたい方はぜひ最後までお読みください。
手元供養って何?故人を思う気持ちを形にする方法
手元供養とは、 故人の遺骨や遺灰を自宅で保管する供養の方法 です。
手元供養では遺骨や遺灰を骨壷だけでなく、遺骨アクセサリーなどさまざまな形で供養するのが特徴で、納骨や散骨と併用されるケースもあります。
近年、故人と離れがたい気持ちを形にするものとして、注目されてきました。
手元供養は古代から続く供養の方法
手元供養という言葉が正式に使われるようになった時期は明確にはわかっていませんが、2000年前半からはじまり、2005年6月に手元供養協会が設立されたのをきっかけに広まったといわれています。
遺骨を身近な場所に保管し供養するという考え方自体は、古墳の祭壇から骨片が出たことなどで、 古代から存在していた ことがわかります。
参考資料:郡屋敷古墳
現代、手元供養の需要が高まっていることから、メディアなどでも頻繁に取り上げられるようになり、耳にすることも多くなったのではないでしょうか。
手元供養の特徴
手元供養は、 お墓を建てることに比べて費用がかからず、手軽に行える という特徴があります。手元供養では遺骨を入れる骨壷やミニ祭壇など数千円から購入できます。お墓の料金は数百万円、納骨堂でも数十万円必要なことを考えると費用はかなり抑えられます。
また自宅に遺骨を保管することで、常に故人を身近に感じられるのも手元供養の特徴といえるでしょう。自宅に遺骨があれば自分が手を合わせたいときいつでも供養できます。多忙な現代人にとって手軽な方法となっています。
手元供養が広まった理由
手元供養が広まった理由には、 葬儀の形式が多様化したことで供養の仕方もさまざまになってきた ことがあげられます。かつては、仏式葬儀が主流であり、菩提寺のお墓での供養が一般的でした。しかし、寺院離れがすすみ仏式で葬儀をしない、あるいは仏式で行っても菩提寺を設けないケースが増えています。
交通の便がよくなり、地元から離れる人も増えると、地元のお墓や納骨堂に収めた遺骨に手を合わせるために帰省するのが大変になります。それならいつでも手を合わせられる近くに置くほうがいいと考える人が増えたのも手元供養が広がった理由でしょう。
手元供養が良くないといわれる理由とは
手元供養が良くないといわれるのには、 「手元供養が違法である」や「故人が成仏できないから」 などの理由があげられます。
手元供養は法律上まったく問題はありません。遺骨を決められた場所以外に埋葬することは違法ですが、自宅で保管するのは禁止されていません。
また仏教では納骨に関係なく、四十九日のタイミングで成仏するとされています。成仏できない理由はこの世に未練が残っている場合などといわれます。故人が安心して旅立てるよう、遺された家族が精一杯供養すれば、手元供養かどうかにかかわらず成仏できるでしょう。
手元供養が良くないという情報を鵜呑みにせず、ご家族でよく相談しながら最善の供養方法を選んでください。
手元供養で良くない避けるべき行為
手元供養は故人とずっと一緒にいたい遺族にとって、 常に遺骨を手元に置いておける安心の方法 です。
しかし手元供養をする際に、避けたほうがよいこともいくつかあります。ここでは手元供養を行うとき気をつけたい3つのことがらをご紹介します。
手元供養の仏壇を目立つ場所に設置
手元供養では、骨壷を自宅に保管します。
仏壇は仏間に置かれることが多いのですが、近年の洋間生活では仏間がなくリビングなどへ置かれる方もいます。ただし第三者は骨壷を見ることに抵抗を感じる場合があるかもしれません。
そのため 手元供養の仏壇などを目立つ場所に設置するのは避けたほうが無難 でしょう。
風通しの良くない場所に手元供養の遺骨を保管
遺骨を長期間風通しの良くない場所に保管すると、カビが生えやすくなります。
骨壷の中の遺骨に空気中の湿気が付着するとカビの原因となるのです。遺骨は、 高温多湿の場所を避け、できるだけ風通しのよい直射日光の当たらない場所に保管 してください。
手元供養で放置して手を合わせない
手元に遺骨を保管するだけで、 手を合わせずに放置することは、故人や先祖への供養にはなりません 。
手を合わせることは、故人や先祖に対する感謝や敬意を示すことであり、手元供養においても重要な意味を持ちます。
手を合わせることで、故人や先祖の存在を感じ、自分たちの生活が彼らのおかげで成り立っていることに感謝できます。また、手を合わせることで、自分自身も心が整い、精神的に落ち着きを得られるでしょう。
いつでも手を合わせられる環境で手を合わせないことは、故人に対して失礼なこととなり得ます。
手元供養は良くないと考える人へ別の供養方法を紹介
手元供養は法律上問題ありません。しかし手元に遺骨を置くことが好ましくないと考える方には、代替となる他の供養方法があります。
ここでは一般的なお墓への納骨や、骨を自然に返す供養方法などをご紹介します。
供養の仕方はさまざまです。家族や自分自身に合った方法で、先祖や故人を思いやり、供養する気持ちが大切です。
お墓での供養
手元供養が良くないと考える方は、 一般的なお墓での供養 をオススメします。
お墓にお参りすることで、先祖や故人が眠る場所に直接足を運び、手を合わせられます。また、お墓にお花やお線香を供えることで、先祖や故人に感謝の気持ちも表せるでしょう。
お墓での供養には、家族や親族が一緒にお参りすることで、絆を深める効果もあります。また、お墓をきちんと手入れすることで、故人を尊重し、故人への思いが深まります。
一方で、お墓での供養は手間や費用を考えないといけません。家族や親族が共同で負担を分担するなど、お墓での供養が継続できるよう相談してください。
納骨堂での供養
手元供養が好ましくないと考える方は、 納骨堂での供養方法 もあります。
納骨堂は屋内にあり、常に誰かが管理してくれています。また永代供養がついている場合も多く、忙しかったり遠方に住んでいたりして訪問できない場合でも、代わりに供養してもらえます。
納骨堂へ遺骨を預ける場合は、数十万円の費用や年間管理費がかかります。しかし一般的にお墓を建てるより安くすむので、遺族の負担も軽減されるでしょう。
散骨して供養
供養には、散骨という方法もあります。 散骨とは、故人の遺骨を海や山などの自然に還す方法 です。
散骨を行うとお墓や遺骨を管理する必要がなくなるため、遺された家族に負担がかかりません。
ただし散骨には、申請が必要な場合があります。個人で勝手に撒くことは避けて、散骨業者に相談したほうがいいでしょう。
まとめ
手元供養が良くないといわれる理由や、手元供養で避けたほうがよいことを解説しました。
供養の方法はいくつかありますが、どれも故人の死後の安らかな往生を願い、故人との繋がりを感じるために行われます。また手を合わせて祈り、故人との絆を感じることで、残された人の心に安らぎを与えてくれます。
どのように供養するかは、誤った情報に惑わされず、生前の故人の意思を尊重し家族でよく相談して選ぶことが大切です。