MEET YOUR ART FES 2023に出展しました!
こんにちは、むじょうの前田です。
2023年10月6日~9日に行われたMEET YOUR ART FES 2023に出展してきました!
今回はForbes 30 Under 30の枠でいただいた機会で、テーマは「GOOD ANCESTOR(=良き祖先)」でした。
GOOD ANCESTORという考え方が広がったのは、台湾のデジタル大臣、オードリー・タン氏が「これからの人類にとって本質的に重要な問いは何だと思いますか?」と聞かれた時に「どうしたらよき祖先になれるか」という問いであると答えたことを起源とします。
「グッド・アンセスター わたしたちは「よき祖先」になれるか」という書籍も出ていますので、よかったら読んでみてください。
この本では、私達が現代を生きられていることを「過去からのギフト」と捉え、大きな環境負荷をかけながら欲望のままに生きることを「未来を植民地化している」と捉えます。
最も大きなサイレント・マジジョリティである未来世代はわたしたちの意識から消されてしまっており、その問題と向き合う姿勢として「良き祖先」という考え方が持ち出されます。そして、ディープタイム、レガシーマインドセットなど、良き祖先となるためのメンタリティについて示されているという本です。
この本の第4章に以下のような記述がありました。
死について考え、自分がいなくなったときにどのように記憶されたいかを考えることは、世代を超えた思いやりや責任感を強め、社会的にも大きなメリットがあることが、いくつかの研究から明らかになっている。これは、西洋社会に蔓延する、死を否定する文化とは全く相反するものだ。死から身を遠ざけるために膨大なエネルギーを費やしている現代と異なり、中世には死がいつ何時でも自分たちの命を奪い去り得たことを思い出すために、教会の壁には踊る骸骨が描かれ、人々はドクロのブローチ(「メメント・モリ」と呼ばれる)を身につけていた。いま私たちは死について子どもたちに話すことはなく、高齢者を人目につかない介護施設に閉じ込めて意識の外に追い出し、広告業界は「我々は永遠に若くいられる」と謳っている。今こそ死についてもっと話し合うべき時なのではないか。
グッド・アンセスター わたしたちは「よき祖先」になれるか (ローマン 2020)
自分の死に様について身体性を伴う形で体験してもらうことこそ、今回のアートフェスでむじょうができることなのではないかと考え、棺桶に入る体験型の展示を行うことにしました。
今回はいつもお世話になっている広島・福山のお棺メーカー、株式会社共栄さんにお力添えをいただきました。本当にいつもありがとうございます...
棺桶に入る前のワークとして
・死ぬ前に食べたいものは?
・お葬式で流してほしい曲は?
・自分が入っている棺桶の前に立っているのは誰?
など、自分の死に思いを馳せる質問を用意し皆さんに付箋に書いて貼ってもらいました。
日常的に考える問いではないため、唸りながら時間をかけて書いていらっしゃる方もちらほらと....
気づけば4日間の展示で500名を越える方に棺のなかでご自身の死に様について考えていただくことができました。
「死との出会い方をどうリデザインするか」というアジェンダについて日頃から考えている私達にとって、皆さんの死生観や人生観にたくさん触れられたことはとても貴重な経験になりました。
棺桶に入ってくださった皆様、この場をご用意くださったMYAFの運営の皆様、本当にありがとうございました!!