骨壷は故人を供養する大切なアイテム!種類や特徴を知って適切な選択を

骨壷は故人を供養する大切なアイテム!種類や特徴を知って適切な選択を

「骨壷ってどうやって選ぶの?」「材質やサイズの違いは?」など骨壷についての疑問をお持ちでしょうか。

骨壷は陶器や木製などさまざまな材質がありそれぞれ特徴が違います。またサイズも慣習によって異なるため選ぶ際は注意が必要です。

本記事では骨壷の材質別の特徴やメリット・デメリット、骨壷の選び方のポイントなどをわかりやすく解説しています。

骨壷選びに迷っている方はぜひ最後までお読みください。

骨壷の基礎知識

骨壷は、 人間の遺骨を納めるための容器 であり、お墓や家庭などで保管されます。

骨壷には、陶器、木製、金属などの素材があり、大きさや形状もさまざまです。一般的に骨壷の大きさは東日本と西日本で異なり、また地域それぞれの風習によっても違いがあります。

骨壷は陶器製のシンプルな白一色がよく知られていますが、最近は有田焼や九谷焼など伝統的な窯元のデザイン性のある骨壷も人気を集めています。そのほか金属製のものは、高級感があり、耐久性も高く自宅で遺骨を保管する手元供養などに使われます。

骨壷は、故人を偲ぶ大切なアイテムであり、遺族の思いを込めて満足のいくものを選びたいですね。
###骨壷の5つの種類とそれぞれのメリット・デメリット
骨壷には主に以下の5つの材質があります。

  • 陶器製
  • 木製
  • 石製
  • 金属製
  • バイオ

それぞれの特徴やメリットとデメリットを見ていきましょう。

陶器製骨壷

陶器製骨壷は、大きく陶器と磁器に分類されまとめて陶磁器とも呼ばれます。陶器製は粘土を素材として作られた骨壷で、普通の骨壷は粘土に粉状の陶石を混ぜた磁器製のものがよく使われています。

陶器製は吸水性が高く、表面に土のぬくもりを感じられ、磁器製はガラス質が多いため吸水性は低く、表面は滑らかでツルッとした手触りです

陶器と磁器は以下のように似たような特性があります。

陶器製骨壷のメリット・デメリット

陶器や磁器は、 表面の質感や色合いなどが豊富なので、様々なデザインが可能なことがメリット です。また、焼き上がり後に色付けすることもできます。有名な窯元の骨壷は値段も高くなりますが、その美しさや高級感を重視する場合には、価格に見合う価値があるといえます。

陶器や磁器は高温で焼かれるため、表面が硬化し、強度が高くなります。ただし比較的重く衝撃に弱いため、 落下や硬いものに当たると割れたり破損したりする可能性があることがデメリット です。

木製骨壷

木製骨壷は木の温かみのあるデザインで、 家の家具と調和し一見骨壷とわからないため自宅供養などで、人目につく場所に骨壷を置いても抵抗感はありません

また木でできているため、そのまま埋葬しても自然に土に還っていく特徴があります。ペットの骨などを庭に埋めるときなどに適しています。

また木の種類や製法により価格が大きく異なり、本漆塗りなどの高級木製骨壷では60万円以上するものもあります。

木製骨壷のメリット・デメリット

木製骨壷は自然素材であるため、 環境に優しく廃棄時にも地球に優しいところがメリット といえます。また比較的軽量で持ち運びが容易なのも、メリットの1つです。

ただし湿気や害虫に弱いため、 一年以上など長期間の保存には向いていないことがデメリット です。木製骨壷の場合は、完全密封しても外表面から水分を吸収するためカビが生えやすくなります。自宅などで長期保存を考えている方はほかの素材を検討したほうがいいでしょう。

石製骨壷

古代から石をくり抜いた石の骨壺が使われていました。石の素材は大理石やオニキス、花崗岩などがあり、その堅牢性から多くの文化圏で遺物や記念碑に使用されています。 石製骨壷は、風化や破損に耐え、数世代にわたって遺骨を保護できます

沖縄県を中心とした南西諸島地域には厨子甕(ずしがめ)とよばれる石製骨壷があります。彫刻や装飾が施されたものもあり、美的価値が高い作品として、近年では骨壷ではなくインテリアとして購入する方も出てきています。

石製骨壷のメリット・デメリット

石製骨壷のメリットの1つが、 非常に丈夫で耐久性があること です。長期間にわたって遺骨を保護できるため、家族や子孫が代々受け継いでいけます。天然の石で作るため色や柄はひとつずつ異なり、世界でひとつだけの骨壷となることもメリットといえるでしょう。

デメリットとして、 素材が石のため非常に重く、持ち運びには適しない ことが挙げられます。また素材やデザインによって価格が異なりますが、一般的には比較的高価なものとなります。

金属製骨壷

金属製骨壷の素材としては、真鍮や銅製、アルミニウムなどが使用されます。金属は、陶器製や石製に比べて 比較的軽量であり、取り扱いが容易 です。

また、多様なデザインや形状があり、とくに自宅で遺骨を保管する際にスタイリッシュな外観やカラフルな色の金属製骨壷が人気となっています。

金属製骨壷のメリット・デメリット

金属製骨壷のメリットは、 密閉性が高く、防湿性にも優れていること です。そのため、遺骨を長期間保管でき、湿気や虫害からも守ってくれます。

また、金属製骨壷は、遺骨の保管場所を選ばず、自宅や霊園など、様々な場所で使用できます。金属なので万が一倒れても簡単に割れることはなく、取り扱いやすい骨壷です。

金属製骨壷のデメリットは、素材によって錆びる場合があるため、 定期的なメンテナンスが必要 なことです。また、金属は熱伝導性が高いため、直射日光の当たる場所での使用には注意が必要です。

バイオ骨壷

バイオ骨壷とは、クレイ壺とも呼ばれトウモロコシやホタテの貝殻などのバイオマス(生物資源)から作られた骨壷のことです。素材は植物性や海洋性で、 環境への負荷が低いためエコロジー志向の人々から支持されています

バイオ骨壷は室内では分解しないのに、土の上に置くと土の中の微生物により自然に分解する特徴をもっていて、土に還る骨壷としても知られています。土に還ったあとは樹木の肥料となるなど、樹木葬などで使用される骨壷です。

バイオ骨壷のメリット・デメリット

バイオ骨壺のメリットは、 環境に負荷をかけないこと です。しかも軽量で滑りにくく安定性が高いため、取り扱いが容易です。

バイオ骨壺のデメリットは、従来の骨壷に比べると、 素材が弱く、耐久性に欠ける場合がある ことです。そのため、長期間の保管には適していません。

またまだ新しい素材の骨壷であるためネット通販などでは販売されておらず入手が難しい商品です。興味のある方は樹木葬を扱っている葬儀社や葬儀用品の専門店などにお問い合わせください。

骨壷の価格相場

骨壷の価格相場は、材質やデザイン、製造元、販売元などによって異なりますが、一般的には以下のような価格帯があります。

陶器製骨壷:1千円~40万円程度
石製骨壷:1万円~10万円程度
金属製骨壷:1万円~10万円程度
バイオ骨壷:5千円~2万円程度

ただし、これらはあくまで一般的な価格帯であり、実際の価格は多岐にわたります。また、葬儀会社や霊園、インターネット通販などで購入する場合、販売元によっても価格に差が生じることがあります。さらに、地域や時期によっても価格に変動があるため、具体的な価格については、 お近くの葬儀会社や霊園などにお問い合わせください

骨壷のサイズについて

骨壷のサイズは2寸から尺寸(10寸)まで用意されています。1寸が約3.03cmで、胴部分の直径で測ります。2寸の骨壷なら円柱は約6.06cmです。

骨壷は遺骨の量によってサイズを選びます。遺骨の量は骨格の大きさによっても変わりますが、地域や慣習などによっても異なります。大まかに東日本では遺骨をすべて骨壷に納める総収骨(全部収骨)のため、 大きめな7寸の骨壷が一般的 です。

一方、西日本では喉仏や頭、からだの一部だけを納める部分収骨のため、骨壷のサイズは3寸から5寸と小さめのものが用いられます。

また納骨堂に納める場合は、与えられたスペースの大きさに合わせてサイズを選ばなければいけません。

分骨する場合や、自宅に保管する手元供養だと一番小さい2寸を選ぶ方が多いようです。

骨壷のお手入れ方法

骨壷は何度も開け閉めするものではありません。遺骨は高温で焼かれて乾燥していますが、蓋を開けると空気中の湿度などで、大切な遺骨にカビが生える可能性が高くなります。

とくに自宅で保管する場合は、遺骨にカビが生えないように、 骨壷内に吸湿剤や除湿剤を入れたり、骨壷の蓋をテープなどでしっかり密閉したりしてください

また日光の当たる場所に骨壷を保管すると、変色や変形の原因となってしまいます。材質によっては、ひびが入って割れたりする場合もあるため保管場所には気をつけましょう。

骨壷が汚れた場合はシンナーや洗浄剤は使用せず、柔らかい乾いた布で優しく拭くかブラシのようなもので払う程度にしたほうがいいでしょう。

布巾

まとめ

骨壷について、材質ごとの特徴やサイズの選び方などをお伝えしました。

骨壷はただの入れ物ではなく、大切な人の骨を納めるもの。この記事を参考に故人が好きだった焼き物や模様などを思い出し、予算や保管方法に合わせて選んであげてください。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。