位牌の値段はいくら?種類別の価格と特徴、値段を抑えるポイントも解説

位牌の値段はいくら?種類別の価格と特徴、値段を抑えるポイントも解説

大切な人が亡くなり、位牌を用意しなければならなくなったとき、値段の相場や、購入の流れなどが分からず不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
位牌には種類があり、それによって値段が変わってきます。ですので、位牌を用意するときは慎重に選びましょう。

今回は位牌の種類別に値段と特徴をご紹介させていただきます。
位牌の種類や値段について知りたい方はぜひ最後までお読みください。


位牌はいらない?位牌が必要な理由

位牌が必要かどうか疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、 故人や家族が仏教徒の場合は基本的に位牌を用意するのが良いでしょう

仏教の多くの宗派では、故人の魂が位牌に宿ると考えられていますので、位牌がなければ、故人が家に戻れないということになってしまいます。

仏教の方の多くは、仏壇に位牌を準備し毎日先祖を供養します。位牌があれば、故人に対して手を合わせ、より心を込めて感謝の気持ちが伝えられますので、用意するのがいいでしょう。

ただし、仏教の中でも位牌がいらない宗派もあるため、確認は必要です。位牌がいらないのであれば、無理に購入しなくても構いません。

位牌の値段は種類によって異なる

位牌の値段は種類によって変わってきます。
ここでは種類別に特徴と値段をご紹介します。

塗り位牌の特徴と値段

  • 特徴
    塗り位牌は、最も一般的に普及されている位牌であり、 漆を塗り、金箔や金粉などで飾った位牌 のことです。

塗り位牌は今まで、会津、名古屋、和歌山などで作られてきましたが、近年では中国製の位牌も数多く販売されています。国産ではない位牌の中には粗悪品が見られることもあるため、購入の際には注意しましょう。

例えば安心してお選びいただけるのは、500年の伝統を誇る会津塗りで仕上げている位牌です。
会津塗りは、約500年前の室町時代に始まったといわれており、1590年蒲生氏郷が会津藩主になってから本格的に地場産業として力が注がれ、現在まで伝統と新技術をふまえた工芸産業として全国に知られています。
会津塗りの位牌は、木地加工、塗り、蒔絵とこれら三部門を分業化し、すみずみまで職人たちの気質を大切に受け継いで仕上げています。

  • 値段
    塗位牌の合成漆で仕上げたものなら1万円前後が相場です。
    高価な漆の位牌の場合は3万円前後が相場です。

唐木位牌の特徴と値段

  • 特徴
    唐木位牌は、黒檀や紫檀、白檀(びゃくだん)、欅(けやき)などを材料に用いた、 木目を生かした位牌 です。

材料になる木材は、海外から輸入される銘木を用いるため、唐木の名がついています。
硬度が高く、耐久性に優れており、虫や菌がつきにくいうえに湿気もつきにくいという特徴のある木材を使用しています。

唐木位牌は、唐木仏壇の他にも、モダン仏壇や家具調仏壇に良く合うことから、デザイン面でも注目されています。

  • 値段
    唐木位牌の場合は、2万円から5万円が相場となっています。

モダン位牌の特徴と値段

  • 特徴
    モダン位牌は、伝統的な位牌に比べ素材の幅がとても広く、 黒檀、紫檀などのオーソドックスな物からクルミ材、メープル材、竹材、中にはクリスタルガラス製のもの まであります。

デザインも多種多様で、シンプルな物から豪華な物まで揃っているのが人気の理由でしょう。
故人の性格も人それぞれですから、故人にピッタリの位牌が選べる点もモダン位牌の大きな魅力ですね。

  • 値段
    モダン位牌の場合は、素材やデザインで変わってきますが、3万円前後が相場です。

繰り出し(回出)位牌の特徴と値段

  • 特徴

繰り出し(回出)位牌は、 数枚の戒名を記載した札板を入れることができる位牌 です。
一般的に先祖代々のお位牌が増えたときなどに用いられており、繰り出し位牌を使用すると仏壇の中がすっきりしますが、位牌を選ぶ際などには注意が必要です。

数枚の札板を命日の順に重ねて入れておき、命日が済むと後ろにまわして常に次の命日を迎える札が表に来るようにします。
一般的に最初の位牌として選ぶものではありませんが、地域によっては新仏でも繰り出し位牌を使う場合があります。

ご先祖様の位牌を繰り出し位牌へ移すタイミングは、三十三回忌や五十回忌などの「弔い上げ」が多いです。弔い上げとは、故人の最後の法要であり、それ以降は法事法要を行わずに終了することを意味します。
もちろん、ご先祖様の位牌が多く、仏壇が窮屈になっている場合にはすぐに移すこともできます。

  • 注意点
    繰り出し位牌には様々なサイズのものがあります。サイズを決めるときは、繰り出し位牌を納める予定の仏壇に合わせましょう。この時に注意しておくべきポイントがいくつかあります。
    ・繰り出し位牌を置いた際に本尊よりも高くならないようにする
    繰り出し位牌が仏壇の中で最も重要な存在であるため、先祖をお祀りする位牌はそれよりも低くするようにしましょう。

  • 新しい他の位牌よりは大きくする
    ご先祖様の中でも古いご先祖様を敬うため、新しく作る位牌はそれよりも低くしたほうがよいという考え方によるものです。

  • 値段
    大きさによって異なりますが、2万円から5万円が相場です。

位牌の購入手続きの流れ

ここでは位牌の購入手続きの流れについてご紹介いたします。

位牌の選定

まずは位牌を選びます。

位牌を選ぶ際のポイントは、以下の通りです。

  • 位牌を安置する予定の仏壇に合ったサイズかどうか
  • 故人らしいものか

基本的に位牌は宗派にかかわらず 好きなものを選んでかまいません
位牌はご先祖様のものより小さくすべきという話もありますが、これは仏教の決まりではなく、ご先祖様を敬う謙虚な気持ちを持つべきだという戒めです。こだわりすぎる必要はありませんので、故人にあった物を選ぶと良いでしょう。

位牌

名前の確認

位牌には通常戒名や法名を記載 しますが、俗名を入れる場合もあります。宗派によっては、戒名の頭に「梵字」を入れる場合もあります。

梵字は、古代インドで発祥した文字が様々な変遷を経て日本に伝わったもので、1つの梵字で神仏を表します。

文字色は、表面が金か白、裏面は金や白で入れるのが一般的です。生前に位牌を用意する場合は、赤文字を使います。

彫刻の打ち合わせ

彫刻の打ち合わせで、 どこに文字を入れるかレイアウトを決めましょう

例えば、没年月日は表に入れる場合もあれば、裏に入れる場合もあります。
1つの位牌に夫婦二人の名前を入れる「夫婦位牌」の場合は、2名分の戒名を入れられるようレイアウトしましょう。

また、文字は位牌の表面に書き付ける場合と彫り込む場合があり、好みで選ぶことができます。
つややかな黒字地に金文字を入れる塗り位牌では書き文字を選ぶ方が多く、木目や色の美しさを生かした唐木位牌では彫り込み文字を選ぶ方が多いようですので、参考にしてみてください。

納品

位牌の注文から納品までの時間は、戒名を手彫りするか機械彫りするかで変わってきます。手掘りの位牌を希望する場合は機械彫りより時間がかかるので、四十九日に間に合うよう、 2週間前くらい に注文することを心がけましょう。

位牌の値段を抑えるポイント

位牌の値段を抑えるポイントをご紹介します。

材質を選ぶ

故人に似合う位牌を選ぶと書きましたが、材質でかなり値段が変わります。なので、もし値段を抑えたい場合は 安めの材質 の位牌を選びましょう。
塗り位牌のカシュー漆や、モダン位牌のシンプルなものなどが比較的安価に手に入れられます。

彫刻内容をシンプルにする

位牌に彫刻をする際、文字入れによって別料金がかかる場合があります。
文字を入れる方法や、連名で文字を入れる場合などそれぞれ値段が違うので、値段を抑えたい場合は 安価で出来る文字入れの方法 を選びましょう。

インターネットショップで比較する

位牌は インターネットショップで値段を比較 すると良いでしょう。
仏具店で購入する場合、購入価格が他よりも高くなる場合があります。事前にインターネットショップで比較し、購入を検討しましょう。

スマホ パソコン

位牌購入時に気をつけること

位牌購入時に気をつけることは、以下の通りです。

  • 四十九日までに間に合うように用意する
    位牌は四十九日までに用意する必要があります。なので、事前に位牌を発注することが必要です。
    位牌の発注は業者にもよりますが、 2週間程度を目安に発注 すると良いでしょう。

葬儀で用いられる位牌は、仮位牌と呼ばれる四十九日までのものですので、四十九日以降は、発注した本位牌を仏壇などに置くことになります。

余裕を持って注文しましょう。

  • 宗派によって違いがある
    位牌には宗派ごとの厳密なルールはありません。ですが、一部の宗派では位牌の種類がおおむね決まっています。
    曹洞宗や臨済宗、禅宗では唐木位牌がよく用いられ、それ以外の宗派では塗位牌が多いようです。

また浄土真宗では、そもそも位牌を用意することがありません。
位牌の代わりに法名軸や過去帳が使われますので、 購入前に宗派について確認しておくことが大切 になります。

まとめ

今回は位牌を種類別に値段と特徴をご紹介させていただきました。
この記事を読んだことで、位牌の準備がより円滑に進めば幸いです。

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監修・奥山晶子
監修・奥山晶子
株式会社むじょう 編集者
冠婚葬祭互助会に従事し、その後おもだか大学名義で「フリースタイルなお別れざっし 葬」(不定期)を刊行。現在は葬儀や墓など終活関連の記事を手がけるライターとして活動中。2012年より2年間、NPO法人葬送の自由をすすめる会の理事をつとめる。主な著者に『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』がある。