墓じまいを決めたあと、「どんな手続が必要なのだろうか？」「その後の供養はどうすれば良いのか？」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。墓じまい後には、遺骨の一時保管やお寺との最終確認、新しい供養先の選定など、多くの手続きが必要です。

本記事では、墓じまい後に必要な手続きや、新しい供養先の選び方について詳しく解説しています。

さらに、墓じまい後によくある不安と解決方法についても解説していますので、墓じまいのその後について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

墓じまいその後にすべき手続き

墓じまい後に行うべき手続きは多くあり、きちんと把握しておくことが大切です。遺骨の一時的な保管や必要書類の管理、お寺とのやり取りや親族への報告まで、順を追って進める必要があります。ここでは、具体的な手続きについて詳しくご紹介します。

遺骨の一時保管

墓じまい後すぐに新しい供養先が決まらない場合、遺骨を一時的に保管する必要があります。この一時保管のことを 「預骨」 と呼ぶ場合もあります。具体的には、寺院などの納骨堂と契約して遺骨を保管してもらいます。

「預骨」の特徴は、1年単位などで期間を定め、将来的にお墓や納骨堂が整うまでの「つなぎ」として利用される点です。また、自宅で遺骨を保管することもでき、法律には違反しません。ご自身に合う保管方法を検討することが大切です。

必要書類の確認と保管

墓じまいには 「改葬許可証」 の提出が必要です。取得のために以下の3つの書類を用意しましょう。

• 受入証明書
  新しい納骨先や墓地の管理者が発行する書類で、改葬許可申請の際に必要です。

• 埋蔵証明書
  先祖の遺骨が現在のお墓に埋葬されていることを証明する書類。菩提寺に発行してもらいます。

• 身分証明書
  本人確認のため、申請時に求められる場合があります。

また、手続き完了後も、これらの書類は保管しておくことが重要です。将来的に証明が必要になる場合に備え、紛失しないように注意しましょう。

お寺との最終確認

墓じまいの際、 お寺との最終確認は非常に重要 です。お寺と誠実に話し合い、離檀料や改葬の手順について双方が納得したうえで進める必要があります。なお、墓じまいではお寺との信頼関係を保ちながら進めることが何よりも大切です。お寺側の意向を聞きながら、こちらの事情や希望を誠意をもって伝えるなど、丁寧な対応を心がけるようにしましょう。

親族への報告

墓じまいを行う際は、親族への報告も欠かせません。突然の墓じまいに驚かれる場合もあるため、事前に相談し、理由や背景を丁寧に伝えることが大切です。親族に相談せずに墓じまいを進めると後々トラブルになる可能性があるため、十分に話し合い、合意を得たうえで手続きを進めます。

新しい供養先の選び方

墓じまい後の供養方法は、 永代供養墓や納骨堂、散骨、手元供養 など、さまざまな選択肢があります。それぞれの方法には長所と短所があるため、自分や家族に合った方法を選ぶことが重要です。以下では、代表的な供養先の特徴について紹介します。

永代供養墓

永代供養墓は、供養や管理を寺院や霊園に任せることができる供養方法です。お墓の継承者がいない場合などに適した選択肢であり、費用も比較的安く、利用しやすいことが魅力です。ただし、他の遺骨と合祀されることが一般的なため、個別に供養を希望する場合は注意が必要です。

納骨堂

納骨堂は近年注目されている供養の選択肢の一つです。特に都市部では近年納骨堂が普及しており、天候に左右されずに快適に供養できることが大きな魅力です。また、管理がしやすく、アクセスが良い点も人気を集める理由です。ただし、契約期間が定められている場合もあるため、長期での利用を検討している場合は契約条件をきちんと確認する必要があります。

散骨

散骨は、遺骨を粉末状に加工し、海や山などの自然へ還す供養方法です。価格が抑えられる点や、維持費がかからない点、宗教に関係なく行うことができる点などのメリットがある一方、一度遺骨を自然に還してしまえば、墓参りで故人を偲ぶ機会も失うことになるというデメリットもあります。また、散骨を行う際には法令や地域の規制に注意する必要があり、信頼できる業者に依頼するのが一般的です。

手元供養

手元供養は、遺骨や遺灰の一部を自宅で保管したり、アクセサリーに加工したりする方法です。常に身近に故人を感じられるため、安心感を得られることが特徴です。

こちらのサービスのように粉骨を請け負っている業者もありますので、粉末化した遺骨を小さな骨壷に収めて、手元に安置することも可能です。ただし、自宅で保管する場合は、保管環境に注意が必要です。遺骨にカビが生えてしまわないよう、直射日光の当たらない、風通しの良い場所に保管するようにしましょう。

墓じまいでその後によくある不安と解決方法

墓じまいを終えたあと、迷いや不安を感じる方も多くいらっしゃいます。ここでは、墓じまい後によくある不安を取り上げ、それを解決するための具体的な方法を解説します。不安を軽減し、納得のいく供養を続けるための参考にしていただけると幸いです。

「本当によかったのか」という迷い

墓じまいを決断したあと、後悔や迷いが生じることはよくあります。しかし、故人を大切に思う気持ちを尊重し、自分にとって最適な選択をしたと信じることで、心が軽くなるでしょう。また、第三者の意見やアドバイスを聞くことで、より客観的に判断する手助けにもなります。迷いがある場合は、葬儀社や石材店、宗教者などの専門家やカウンセラーに相談するのも一つの方法です。

供養を継続できるか不安

墓じまい後、供養を続けられるか不安を感じる方も多いです。しかし、永代供養墓や納骨堂、手元供養など、供養の選択肢が豊富にあります。信頼できる供養方法を選び、事前に計画を立てておくことで、不安を軽減できます。また、日々の小さな供養の積み重ねが、大きな安心感をもたらすでしょう。

まとめ

墓じまい後に必要な手続きや新たな供養先、よくある不安への解決策について解説しました。特に墓じまい後の供養については不安や迷いがある方も多いかと思います。しかし、選択肢は豊富にあるため、どの方法が一番自分に合っているのかを考えることが大切です。墓じまい自体のことを含め、事前に家族・親族と十分な話し合いの機会を設けることも重要です。本記事がお役に立てましたら幸いです。

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